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強い気持ちで「なりたい」と思えるものには人生で一度も出会えなかった

最近、この歳になって学生の人と妙に知り合う。

みんなそれぞれにユニークだし、僕が学生の時とは比べ物にならないくらいアクティブで、学生時代、ただ漫然と過ごしていた自分には非常に眩しい。

そんな中、先日制作会社でライターとしてインターンをしている子と話す機会があった。その子は「ライターとしてやっていくことに悩んでいる」と言う。文章を書くのが好きだと思っていたけど、実際に仕事にしてみると思ったより辛いことの方が多いらしい。次に、僕にこんなことを聞いてきた。

「なんで堤さんはメディアやってるんですか」


この質問をされて、「うーん」としばらく考えた。なんで今アンテナやってるんだっけ。正直なところ、僕はメディア運営をしていて楽しいと思うことの方が少ない。

毎日記事作りや、事務作業に追われているし、今日日これだけのメディアが溢れている中で、もとよりパイの少ないマーケットを題材に戦うには困難を極める。また会社員としての仕事の傍らで時間を作るのも難しい。

そしてなにより文章を書くのも、写真を撮るのも苦手だし、いつまで経っても慣れることがない。今すぐにでも代わってくれる人がいるなら代わって欲しい。


それでも何故ここまで続けられたかと言えば、「必要性を感じられたから」だと思う。アンテナを用いて達成したいことは設立当初から変わっていない。

①関西を中心としたカルチャーを流通させ、裾野を広げること
②クリエイターとの出会いの場を提供すること
③ライター・カメラマン・クリエイター育成の土壌を関西に作る

上記が達成できるなら、正直メディアじゃなくても方法はなんでも良かった。たまたまその時、条件がマッチしてフリーペーパーを作り始め、Webを立ち上げられれたというだけ。だからメディアはツールで、目的は別にあり、それを達成できるなら方法は問わない。

そもそも僕には「なにかになりたい」みたいな強い動機などなかった。「なにものにかなりたい」とずっとは思っているが。そんなことより、今自分ができることをするので手一杯である。


小さい頃からよく聞かれる「将来なにになりたいんですか」、って質問はすごく視野を狭くすると思う。上述の「ライター」を例に取れば同じライターと言っても色々な目的を持ったライターがいる。

そしてその目的こそが結局は重要なのだ。戦争に関する記事を書くのと、Webメディアのおもしろ系記事を書くのでは達成したいことはまったく違うはず。

インターンの学生の子も早いとこ目的が見つかるといいなあ。

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