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【アンテナ↔只本屋の交換日記②】なんで僕たちは学校を作ったんだろう?

拝啓

アンテナ堤さん
いつもお世話になってます。

堤さんからの質問で「山田さんはどうして学校を作ろうと思ったんでしょうか?」ということなんですが、只本屋の答えとして、単純に只本屋って活動をしている中で、「フリーペーパーを作りたい」っていう声をたくさん聞いたからなんですよね。今までは1日だけ開催のワークショップのようなことをやったりして、フリーペーパー製作の入り口を体験してもらうことをやったりはしていたんですけど、やっぱり1日でたどり着けるところって限界があるんです。それでは僕らも全ては教えきれないし、みんなも満足できないっていう。そういうことを繰り返してきて、もっとがっつり学べる場所が必要だよなというところが、この言志の学校に繋がっています。

台湾でのフリーペーパー制作ワークショップ

教育機関でできること、苦しみも喜びもなんですが、そういうものを見てきたので、いまでも教育ってものについてはすごく良く考えるんですよね。

僕個人としては学べる場所の可能性ってすごいあると思っているんですよ。もともと大学を卒業した後に、自分が卒業した武蔵野美術大学芸術文化学科研究室というところで、教務補助、助手、非常勤講師として8年間働いていた経験が結構大きいと思います。大学っていうのは教育機関ではあるんですが、企業でもあるので、職員がいて教員がいて、教育ということを生業にしている。僕がいた芸術文化学科では、学費が年間200万円くらいで、先生が50人くらい、学生が450人くらい、大学全体でいえば5000人とかですかね。それくらいいるところでした。一方で今は学生として京都市立芸術大学の博士課程にも身を置いているんですが、そこでは年間学費が60万円くらいですね。こちらは大学全体として美術を学ぶ学生が500人もいないんじゃないですかね。今言いたいのはどちらがいいという話ではなく、教育機関の規模感の話なんですが、そういういろんなところに身を置いて、様々な立場の人々とを仕事をしてきて、教育機関でできること、苦しみも喜びもなんですが、そういうものを見てきたので、いまでも教育ってものについてはすごく良く考えるんですよね。

武蔵野美術大学非常勤講師時代

そういう時代だからこそ、いつだって学びは必要だし、学べる場所はもっと必要だと思うんです。

今の時代って激変の時代でしょ。国とか親とかに頼ろうというよりはより自覚的、より自律的に生きていくことを選択したりする人々が増えている時代だと思うんですよ。フリーランスとか、パラレルキャリアとか色々言葉はあると思いますが。古いルールを知り、そこから新しいルールやシステムを作り出すことが必要とされていると思うんですよね。それは企業の中にいてもそういう人材が求められるようになって来ましたよね。だからそういう時代だからこそ、いつだって学びは必要だし、学べる場所はもっと必要だと思うんですよね。

フリーペーパーやZINE、小冊子を作りたい人の多くって、自分の中の可能性のようなものを発露する技術や場所を求めてる気がするんです。だからそれは単純に文章を書くことやデザインすることだけが目的ではない。もっと深い、生活すること、生きていくってことにどうしたってたどり着いちゃう気がしていて、表面的にはフリーペーパー制作の学校なんだけど、そういうことを感じれる、考えれる、学べる学校ってのがすごく必要だし、やりがいがあると思っています。

学校の名前にもした「言志」げんしって言葉は、志を述べること。思うことを言うことって意味なんですよ。こんな世の中に志を述べる。思うことを言う。そういうことが多分学校という中でしたいんだと思います。誰がなんと言ったっていい、でもみんなで世の中に志を述べようじゃありませんか。そんな感じです。

今回第2期を開講しますが、第1期を振り返ってみて堤さんはどうでしたか?またお聞かせください。

よろしくです。

只本屋 代表:山田

▼言志の学校 第二期 募集要項
https://kyoto-antenna.com/post-29096/

▼言志の学校 第二期 申し込みフォーム
https://peatix.com/sales/event/644686/tickets?ticket_1292883=&ticket_1292884=

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