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京都におけるオーバーツーリズム対策に関する質問への答え

オーバーツーリズム対策についての質問をもらったので、それに対する答えを考えたのですが、これって誰しも関心を持っていることなんじゃないかと思うので、noteにしておこうと思います。

Q1.京都では、オーバーツーリズム対策として需要分散化に取り組んでいるが、なぜ需要分散化に注力しているのか?(他の対策は無いのか?)

分散化以外の対策を検討していないわけでは無いです。分散化の取り組みに注力しているように見えるのは、「分散化=観光客が少ないエリアへの誘客」であり、これは昔からどこの観光地も取り組んできた、ありふれた取り組みでもあり、比較的着手しやすいから、だと思います。

また、大原や高雄など、かつては現在の倍以上の観光客が訪れていたエリアは、まだまだ観光客を受け入れる余地があります。それらのエリアへの送客を無視して、人気エリアのみで対策を展開するのは、市民からの納得を得にくい、ということも理由のひとつにはなると思います。

Q2.分散化は進んでいるのか?

分散化を裏付けるデータが無いので、はっきりとは分からないです。一応、毎年発表されている観光総合調査において、訪問先に関する結果が掲載されていますが、この数値をもって分散化を評価するのは無理があります。元データを分析してみても良いのですが、どういう訪問の仕方をした人が分散化に寄与したと言えるかを定義するのが難しいです。
https://www.kyokanko.or.jp/kaiin/report/survey_list/

ただし、Google trendsを使って「京都 穴場」という検索ワードが利用された回数の経年変化を見てみると、増加してきていることが分かるので、ニーズが強まっていることは確認できます。
https://trends.google.co.jp/trends/explore?date=today%205-y&geo=JP&q=%E4%BA%AC%E9%83%BD%E3%80%80%E7%A9%B4%E5%A0%B4

検索をした人が、調べた情報にしたがって旅行しているとするならば、「穴場スポットを訪問している=分散化が進んでいる」と考えてもよいかもしれません。

Q3.どこに分散しているのか?

データが無いので分からないです。

GPSデータを使えば分かるかもしれませんが、データ購入に相応の費用がかかってしまいます。また、京都市内の観光スポット別の位置情報となると、分析可能なサンプル数がかなり絞られてしまうので、精度の高い分析も難しくなります。

京都観光関係の雑誌や、ガイドブックで取り上げられるスポットが以前と比べて変わったかどうかについて調べてみたり、Facebook等の京都ファンコミュニティに対して、「混雑を避けるにあたって、どういう所へ行ったか」を質問してみることで検証するのが、現実的ではないかと思っていますが、まだ着手には至っていません。

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