着物はKIMのMONOではない

先月アメリカのキム・カーダシアン氏が発表した補正下着のブランド名が「KIMONO」という名前だったことについて。

京都市が抗議の声明を送ったそうですが、やはりキム氏のブランド名は変更する予定は今のところなさそうですね。

賛否はいろいろのようですが、着物を愛するものとしては、個人的にほんとやめてほしい・・・と思います。

アクセサリーやバッグはともかく、下着というものは身に着けるもの、衣服の一部です。
それが着物と同じ名前ということに激しく違和感を感じます。

着物は日本人が長い長い年月をかけて文化にまでそだてた衣服であり、そこに携わってきた数えきれないほどの人々の思いを考えると、なぜ自分一人の情熱や思い込みでこの単語を使えるのかと不思議なくらいです。

もとは中国からきた呉服であったものが、日本独自の文化として発展し、現代まで継承してくるまでには先人の試行錯誤と着物を愛する気持ちがあり、それを今も多くの日本人が感じているからこそ、大事な行事には着物が着られているのだと思っています。

上は私の七五三の時の写真と結婚式の写真です。

大事な行事の時に着る着物には、家族の気持ちも同時にまとっているような感覚もあります。

また、着物は体の線をみせるのではなく、隠すことによってそこにあるものをにおいたたせるという、きわめて日本人的な発想の衣服です。

補正下着という、体の線を直に美しく見せるものとは真逆のものと考えます。

キム氏の補正下着はそれ自体は素晴らしいものなのかもしれません。
だからこそ、他人の文化を盗用するようなネーミングはやめるべきなんだと思います。

着物はやはり、日本人と、着物を愛する人のものだと思っています。
キム氏個人のものではありません。

着物文化をリスペクトしているというなら、着物文化をつくりあげた日本人の嫌悪感をそのままに、強行突破のような真似をしないでいただきたいと願います。

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