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[本質的な問題から目を逸らしてはいけない]第7節 京都サンガ vs ジュビロ磐田


試合情報


シュート19本で枠内3本だと勝てるわけがない。
ジュビロは枠内5本で3点と効率良く得点を重ねている。

戦評

京都は前半から速攻を中心にシュートチャンスを創出する。前半終了間際に与えたPKもクソンユンが阻止するなど、良い雰囲気で試合を折り返す。しかし、後半6分に隙を見せ、ビハインドの状況となる。反撃に転じたいものの、後半は相手の圧力が強まり、次第に劣勢に。その後、続けて似たような形で失点を喫し、終わってみれば0−3の完封負け。守備が大きく崩される場面は少なかっただけに、クロス対応の拙さに泣いた。一方の磐田は、西久保が2得点に絡み、Mペイショットが複数得点を挙げるなど、新しい顔ぶれが結果を残した。

ジュビロの今季平均のCK数よりも2倍以上の数値
狙いと意図が的中した数字だろう、
走行距離もジュビロに負けている。
10キロ超えているのも川崎のみ。

マッチサマリ

▼前半

  • 3分 (京都サンガ)原のミドルで決定機!

  • 8分 (京都サンガ)左サイドでの攻防から佐藤のクロスがそのまま枠に飛び決定機!

  • 30分 (ジュビロ磐田)マテウスペイショットへのファールを素早いリスタートで藤原に決定機!

  • 35分 (京都サンガ)マルコトゥーリオのスルーパスに反応した原に決定機!

  • 40分 (ジュビロ磐田)サイドからのクロスが麻田の手に当たりPK獲得!

    • マテウスペイショットのPKをソンユンが止めて何とか失点は回避!

    • ここで流れが一気に京都に戻ると思ったが…(既にセカンドボールの競り合いはほとんどジュビロに取られており、足が止まっていたので厳しかった。)

前半総括

3連戦の3戦目なのにも関わらず、スタメンをほとんど固定していた事もあり、スタミナがどこまで続くのか心配していたが、まさに的中する形となった。29分のジュビロ上原に対する武田のファールから一気に足が止まり、ジュビロに押し込まれる形となった。
前半の前半(29分まで)はサンガの強みであるCBを中心としたハイラインをキープ出来ており、ジュビロが意図的にCBの裏に蹴り込んで来ても麻田とアピが競り勝ち、セカンドボールの回収も川崎、松田、武田のMF陣が前向きで出来ていたが、少しずつスタミナが切れてきた30分以降は、DFとMFが団子状態になり、FW(豊川、原、マルコ)が孤立し始めました。

孤立状態が生まれると以下シーンが多発する。
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①ハイプレスの真ん中にスペースが生まれる
②セカンドボールの回収が出来なくなる
③1枚剥がされると一気に数的同数 or 不利に陥る
④サイドバックが自分のポジションを捨ててカバーに入る
⑤サイドがフリーになる
⑥耐える時間の始まり
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この一連の流れが始まると、相手のミスでカウンター発動出来ない限りは永遠ループが生まれてしまい、ヴェルディ戦と同様に力尽きて失点してしまう。いつもだと、前半は耐えて後半に一気に出力が落ちる所が、3連戦の影響で前半途中に発動してしまったのだろう。

CB2人にカードが出てしまったのも痛い
ただでさえタスクの多いCBにカードが出された事で競り合い時にも強く当たれなくなり、相手にスペースを与えてしまいました。
彼らは周りの選手のカバーはしますが、彼らをカバーしてくれる選手はいないです。つまり自分たちのタスクは自分で処理せねばならず、CBが機能しなくなれば試合を崩壊に導きます。
ベンチに松田(佳)が待機していたので、アピに変えてくれないかなと期待してました。

▼後半

サンガのゴール前を固める守備体系だと、
後ろのスペースが空いてしまいCK本数を重ねるに連れてほころびが出始める。
リカルド・グラッサにアピが目を取られ後ろにいた西久保がフリーになり、
ソンユンも死角で見えない中でシュートが吸い込まれた。
この時点で宮本がペイショットに付く形になっており、ミスマッチになっている。
人数はいるのにニアが明らかにスペースが出来ているのが勿体ない部分ですね。
マンマークの欠点である、剥がされたらフリーの状態になっており、
手前の選手がボールを触れられず失点。
ここも2失点目と同じ。
ニアに入りこまれており、フリーが出来上がっている。
  • 試合終了 京都サンガ 0-3 ジュビロ磐田

後半総括

この1枚で締めくくります。

連戦からの疲れで戦う体力、気力が残っていない状態で
試合をしていたのが良く分かるシーンです。
ファンも同じ気持ちです。

Point

①本質的な問題は何か?

前述を読む限りだと3点が容易に想像つくでしょう。
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1.ターンオーバーを採用せずスタメンを固定した事?
2.選手に体力がない事?
3.監督の人選ミス?
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本質は「サンガを研究している相手に対して、戦略が無さすぎる」だと思います。
ジュビロ上原選手が試合後のコメントで言っていましたが、前半を耐えれば後半はスタミナ切れでスペースが出来ると理解して試合に臨んでいるんですよね。

――今日の試合を振り返って
自分の所感ですが、京都さんは前半畳みかける勢いがあると思っていました。自分たちもチャレンジしていく中で、ミスもありましたけど、その後切り替えて全員でしっかり戻れましたし、後半必ず自分たちのパワーを出せると思っていたので、とりあえず前半は0で終えられたというのは大きかったなと思っています。

――ハーフタイムに修正したことは?
少し長いボールが多かった中で、後半はもう少し繋ぐことを使い分けた中で、良いシーンを何度か作ることができてそこから得点も生まれたので、今後も続けていきたいなと思っています。

ジュビロ磐田公式サイトより

このコメントから想像するにジュビロの戦略としては、「ハイプレスが効いている時間帯を失点せずに乗り切り、後半に一気に畳み掛ける」だったわけです。
実際に上原選手コメントにもある通り、京都のカウンター時はジュビロの選手は数的優位を作れる程度守備に戻っていましたし、失点への意識は京都より強かったと思います。

京都が3人に対してジュビロは6人プレスバックしてカウンターを封じています。
この様な意識と運動量の差が勝敗に直結しているように見えますね。
この1連のカウンターも1対1〜最終的には5枚プレスバックしている。
前半耐えると決めた攻撃<守備に比重を置いたジュビロの戦略が明確。

相手を研究して、戦略→戦術に落としていますし、そもそもサッカーは相手がいて成立するものなので相手を理解して戦のプランを練りますよね。(これが出来ていない、自分たちの強みだけ把握しても活きるのは初回だけ)

②負けから何を学んでいるのか?

「勝ちに不思議な勝ちあり,負けに不思議な負けなし」。

東北楽天元監督の野村克也さんがよく口にしていた名言です。
この敗戦から何を学び次に活かすのか。過去は戻ってきません。
7節ジュビロ戦で明確になった「勝つために必要な戦略を構築する」部分において、今後チームとして何を遂行し課題設定するのか。取捨選択が必要だと思います。ビジネスの世界でもよく言われますが、再現性が無いと勝ち残っていけないし、常に現状の立ち位置とそこから見えてくる新たな課題設定をしていかないといけない。

特に競争が激しいプロスポーツの世界において、現状維持は衰退しますよね、昨年だと麻田と井上の鉄板CBコンビが何度もチームの危機を救ってくれていましたし、チーム状況が壊滅的に悪い時に白井がFC東京に移籍した時も出始めの福田を井上がカバーしながらチームで福田を育てましたよね。
維持ではダメなんです。未来を想像し自分たちからアクションを起こし変えていかないといけないんです。

ファンも付いていきます。J1に残りたいんです。
サンガスタジアムで勝利のチャントを歌いたいです。
強いサンガを見せてくれることを期待しています。

Pickup member

京都サンガ 

曺貴裁 監督

前半は相手コートに入り最後のフィニッシュまで行けた場面はありましたし、相手のPK をソンユン(ク ソンユン選手)が止めて、普通ならそこから一回盛り返してやれると思うのですが、警戒していたコーナーキックで点を取られたところで少し焦りが生まれ、結果的には早く動き過ぎたなというのもあります。早く動いて自分たちを活性化したいなっていう狙いに後悔はないですが、相手の一番のストロングな部分を出させてしまい、その3点が最後まで重かったかなという風に思います。

ただ、負けたとはいえ、全部の時間が悪かった訳ではなく、自分たちのやってきたことでチャンスを掴んでいるのも事実なので、そこをどうゴールに結びつけるか、我々と選手で一緒にやっていかなければいけないですし、それを悔しさに変えるべく、次に向かっていかなければいけないと思います。

練習やミーティングでも、決め切った方が勝つと言っていました。我々と磐田さんのどちらかが一方的に攻め、どちらかが一方的に守る展開にはならないと思っていたので、最後の崩しは狙い通りのところに入ってきてるだけに、最初のタイチ(原大智選手)のシュートを皮切りに、どれか1点でも決まっていれば展開が違ったなと思います。

京都サンガ公式サイトより

当たり前のことを当たり前のように言っているだけですよね。
試合で結果として現れる事を期待しています。

DF 鈴木 冬一

交代出場で可能性を感じさせてくれたのでPickupします。
得点差も生まれたことで、途中からジュビロの守備が少し緩んでいたのも影響していると思いますが、明らかにキレキレのドリブルで相手守備陣を切り裂いていました。右MFの交代枠で鈴木の様な個人技で切り裂ける選手は、今のサンガに取って必要なのではないでしょうか?
本職の左SBは佐藤(響)が覚醒中なので、新たな境地を見つけていきたいですね。

MF 福岡 慎平

相変わらずのクロス精度の高さと中盤のインテンシティを見せてくれました。
今季の京都は中盤のサイズが小さい事もあり、金子が離脱した今だと平均身長170センチくらいだと思います。
この試合も見ていて、川崎、松田、福岡の3人を一気に起用するのは、フィジカル的にかなりリスクありそうだなと感じました。ただ、彼の持っているサッカーIQはサンガにとってとても重要な部分を持っているのは事実なので、今季はチーム内序列が下がってしまい交代出場が続いていますが、AFCアジアカップで離脱する川崎(颯)の代役として、出場機会は大幅に増えると思いますのでここからの挽回期待してます。

ジュビロ磐田 

FW マテウス ペイショット
DF 
西久保 駿介
MF上原 力也

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