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仙台・荒浜で、2011年の夏

2011年8月、私は仕事の関係で、短い期間だったが、仙台市にいた。

そのときに関わりのできた市役所の人が、被害の激しかった仙台市若林区の荒浜地区を案内してくださった。

あの日の二日後は、津波被害に備えた、市民向けの防災講座を催す予定だったが、間に合わなかった、もう数日でも早く開催していれば、と彼は悔やんでいた。

それはしょうがないことです、と私には言えなかった。

車で避難を呼びかけ続けた市役所の同僚が二人、亡くなった、と伺った。

今日は、12年目の3月11日だ。

現在は震災遺構となった、荒浜小学校。津波に加えて、体育館に船が突っ込み、大きく壊れた。
津波を受けて、傾いてしまった家屋。
ここは深沼海水浴場だった場所。毎夏、たくさんの人たちで賑わったという。
地区一帯は、津波警戒区域だった。
奥の方が海。内陸には、多くの人たちが暮らしていた家々があった。基礎だけが残っていた。
海にはテトラポッドが崩れたままで、砂浜には瓦礫が山積みだった。
津波はこのコンクリート堤を越えてきた。
砂浜と内陸をつなぐ階段は、激しく歪んだ。
海に向けて置かれていた、花束や、ミニーマウスのぬいぐるみ。

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