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インターネットにうんざりしている人々

インターネットって、なぜかマイナスのオーラに溢れています。

日本語のネット、とくに一時期のTwitterは、嫉妬や批判とか愚痴が溢れてたので、長らく遠ざかっていました。

実際に日本に戻ってみると、現実世界ってそこまでひどいわけじゃないんですね。親切な人もいるし、優しい面だってあります。けど、Twitterでシェアされやすいのって、どうしても負の面を強調したお話や論争なんです。これはなぜなのだろう? と不思議でした。

このnoteを読んで、いろんな謎が解けた気がしました。

すごく面白いので、全文読んで欲しいのですが、気になるのはここです。

広告やメディア業界の頭のよい人々の中に、「この脳の特性を利用すれば、もっと効率的に注目を集められる(そして商品が売れる)のではないか?」と思いついた人がいた。

「体臭がきついことは、恥ずかしいこと」として消臭剤を売ったり、 「不衛生への恐怖を過剰に煽り」として、キッチンを金属と白いプラスチックとガラスで覆ったり、「滅多に発生しないリスク」を過剰に喧伝して保険商品を売ったり、試してみると実際これがよく売れた。

同じように、世界の危機や、凶悪犯罪、対立構造、悪い政府なども、世間の耳目を強く集めることが発見された。メディア、政治家、宗教家などはこの特性を大きく利用して力をつけていった。
(中略)
別に悪意があったわけではない。ただ、シンプルに売り上げや注目を最大化しようとすると、必然的に恐怖やコンプレックス、対立を煽ることが最適戦略になってしまうのだ。こうして資本市場の合理的な理由で、ネガティヴな情報は戦略的に拡散されていくようになった。


タイムラインそのものに「闇落ちする」仕組みがあって、マイナス投稿への耐性があるひとばかりが残る傾向にあったとは知りませんでした。

「不安煽り系マーケティング」も日本に溢れてますね。
「結婚しないとまずい」「お金ないと将来困る」と不安を煽って何かを売ろうとするマーケティングが、日本では異常なほどに発達しています。

雑誌も「これ買わないとハッピーにならない」とやってます(すいません、私もやってました)。「売ろう」と思うと、雑誌も本も広告もそうならざるを得ないんですね。対立構造を煽るとこれまた売れますから、やめられません。

マレーシアに来ると、広告ってもっとストレートで明るいです。
健康食品やお酒の広告など、非常に規制も厳しいですね。

インターネットは浄化されていく

noteではインターネットが「闇落ちしないように」気をつけてるとのこと。
つまり、編集部が機能してるってことです。

タイムラインが完全に闇落ちすると、ユーザーが離脱をしていく。結果的に、残るユーザーは「闇と親和性がある人」と「闇に耐性がある人」だけになる。

そうすると何が起こるか? サービスはマスユーザーに向けて最適化される。この場合マスユーザーは「闇OKユーザー」である。結果、究極的には、サービスそのものが、喧嘩や対立やスキャンダルを積極的にフィーチャーする方向へと進化する。これがインターネットで末法が出現する仕組みだ。SNSではまだ少なめだが、掲示板やニュースサイトではすでに陥ったサービスも多い。

ほんとそうで、私が一時期Twitterから離れた理由もこれでした。一時は日本語もやめようかと思ったくらいです。

つまり、放置しておくと言論は極端化していくので、そうならないようにコントロールする仕組みが現れたということですね。とても面白い試みだと思います。

そう言われてみると、noteと他のインターネット論壇とかってだいぶ違います。

私、ネガティブなところにはできるだけ行かないようにしています。悪口の多い人や、他人を断罪する癖がある人からは離れます。
ましてや、暇つぶしのインターネットで、負のオーラが立ち込めてる論壇には、近寄りたくないですね。
人生は短いので、時間の使い方には自覚的です。

以前こんな記事を書きましたが、どの情報を入れて、どの情報を入れないかって重要です。

私も朝ニュースを一切見るのをやめたところ、非常に気分良く過ごせることがわかりまして、ニュースは見なくなってしまいました。そんなわけで、「ポジティブなニュースしか流さない」というメディアも現れました。

(引用)
ニュースサイト「ポジティブニュース」の創設者ショーン・ダガン・ウッド(Sean Dagan Wood)氏はTEDの講演会で次のように語った。

「より多くの良いニュースを報道することは、私たちを幸せな気持ちにする効果があるだけではなく、社会に関わり、日々直面する問題への解決策を探る大きな変化を引き起こす可能性を広げるのです」
(引用)

マレーシアでも「Vocket」というマレー語のメディアは、やはりポジティブなニュースしか流さないと言う方針です。編集者に聞いたら、編集方針は「気分がよくなる(feel good )なニュースしか取り上げない」と言っていました。かなり人気がありまして、オンラインのマレー語メディアでは、ナンバー2のアクセスを誇ってるそうです。


ニュースや読み物の与える心理的影響に気づいている人は、世界中にいて、トレンドになってくるのかもしれません。

TwitterやFacebookの投稿が厳しくなっている

ユーザーが離脱していく仕組みには、気づきませんでした。もしかしたら、私のように感じている人、少なくないのかもしれませんね。

noteもそうですが、TwitterやFacebookもどんどん厳しくなっています。このネガティブがスパイラルする罠に気がついているのか、ついてないのかはわかりませんが……。

最近では、Twitterでのアカウントを停止される個人が増えました。
差別的な投稿を繰り返していたりすると、永久に凍結され、復活もできなくなるようです。

アメリカ政府はビザ取得にSNSの情報を要求するそうです。中国もネットを監視してます。他の国もやるでしょう。ヘイトなんて振りまいてたら、入国できる国が減る可能性があるわけです。匿名でやっていても、いつも「監視されている」嗅覚は必要かと。

そのせいか、以前に比べて酷い投稿は減っていきました。

けれど、一方で、「闇を書きたい人」のための受け皿もまた、必要になってくるんでしょうね。綺麗になってしまったTwitterやFacebookやnoteの代わりに、怨念渦巻く新しい何かが生まれる可能性もあると思います。それは新しい時代の匿名掲示板なのかもしれません。

こうして、インターネットもまた、分断されていくのかなーと思います。

ではまた。


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