菊さまを幸せにしてくれなきゃ絶対許さん!黒澤部長に万が一のことがあっても絶対許さん!

 おっさんずラブ七話。牧の気持ちがわかり過ぎてしんどい。
同性カップルの場合、「子供」の問題は、どうしても避けて通れない案件だろう。自分でも「おおっぴらには言えないですけど」と武川さんに愚痴っていたけど、牧は子供が苦手だ。
 子供が苦手というのは「ピーマンが苦手」だとか「会社に苦手な人がいる」というような場合とはちょっと違う。
 牧はきっと貧しい国で飢えている子供をテレビで観たりすると、すごく心を痛めるだろうし、虐待された子供のニュースを聞けば、心底腹をたてるに違いない。つまり、地球上の子供全般への愛はあるのだ。ただ、子供と関わるのが苦手なだけだ。
 牧にとって、「子供が苦手」ということが重要な問題になるのは、春田が子供好きであることだろう。だから吾郎君を預かった時、春田が「俺たちも子供欲しいなあ」と言い出さないか不安だったのだ。
 ちずちゃんの入院先からの帰り道に、その思いを打ち明けた牧。何気なく自然に口にしたが、本当はかなりドキドキしていたに違いない。
 春田は牧の想いに対して、素晴らしい最高の言葉をくれた。
「今は牧と二人だけの生活を大切にしたい」
「今は」二人の生活を大事にしたいと言われても、「じゃあ、将来はわからないんだなあ」と、モヤモヤは残ったかもしれないが、さらに春田は根源的な問題にも踏み込んで言葉にしてくれた。「いろんな家族がいる」ということもしっかり言葉にしたのだ。
 いろんな形の家族が存在していて、子供がいる、いないということだけで「家族」が成り立つわけじゃないこと。春田は牧と二人でいれば、もうそれだけで完璧な家族であり、楽しいということをしっかり明示してくれたのだ。素晴らしい。
 実は私は結婚前、二十代で呼吸器系の難病を患ったのだが、退院後に大学病院の主治医から「子供は作らないほうがいい」と言われたことがある。再発する可能性があるという理由で。
 その頃私を追いかけ回していた人がいたのだが、何気なくそれを話題にしたら「俺、君と結婚したかったけど、諦める。一人息子だから子供ができない人とは結婚できない」と言われた。私はその人と付き合う気も結婚する気も全くなかったのに、フラれたのである。
 私は病気も完治し、産婦人科の医師にも相談した上で、産む選択をしたけれど、牧は私とは違い「子供を産む選択」はできない。もし春田に「子供が欲しい」と言われたらさぞかし辛かっただろう。
 春田の愛に満ちた言葉にどんなに救われたことか…。
 春田さま、お見事です!(拍手)

 さて、話は変わるが、いつもドラマを観終わった後は深い満足とたっぷりの萌えに満たされるのだけれど、今回は、どうにもこうにも気になることが二つ残ってモヤモヤする。
 一つは菊さまの片思いの行方だ。あの点滴(テンテキ)スのせつなさよ。
十六年も片思いしてて、親友の秋斗が好きな人だから好きとも言えなくて、秋斗が亡くなった後も和泉さんは秋斗を思い続けているから言えなくて、やっと和泉さんが前を向いてくれたかと思いきや今度は秋斗にそっくりな春田が好きって…、世界残酷物語か!
 もし自分がイケメンで菊さま好みの男性だったら「和泉さんなんか忘れて俺にしろ!一生一緒にいてくれや!」と、プロポーズする。
 あれじゃああまりにも菊さまがかわいそう過ぎるじゃないか。人間の心を持っているならば、絶対に菊さまの恋を成就させてあげたいと思うはずである。思わない奴がいたら、親の顔が見てみたい。
「俺は、お前の愛にこたえてやることはできない…」などと言って、和泉さんが去って行くような結末だったら、PTSDになってこの先おかかおにぎりを食べることができなくなるかもしれない。
 お願いだから、お願いだから菊さまを幸せにしてやってくださぁぁぁい!!!
 そしてもう一つは黒澤部長のことだ。
 もし黒澤部長に万が一のことがあったら、このことも私は絶対に絶対に許さん!!!私なんぞが許さなくとも、制作側は痛くも痒くもないだろうが、おっさんずラブファンは全員許さないだろう。全員敵にまわすことになる。
『ワンピース』のエースが死んだ時もショックのあまり、その後アニメを観るのをやめてしまったのだが、それと同じように、黒澤部長にもしものことがあったら、もうドラマを観返すこともできなくなるし、ブルーレイも買わないし、とにかく泣き濡れる。
 頼むからあれは「誤診」だったと言ってくれ〜!!
 現実世界はどうにもならない辛いことがたくさんある。せめておっさんずラブの世界だけは、幸せをあふれさせて欲しい。どうかどうか菊さまと和泉さんをくっつけて、黒澤部長は元気ピンピンで、みんな笑顔のハッピーエンドにしてくださぁぁぁい!!!!!(土下座)

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