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6月のEU議会選挙は保守に期待!:欧州保守派事情(3)

英国のブレグジットBrexitが国民投票で決まったのが2016年6月で、EU正式離脱が2020年2月。早いものですね。

2016年当時の数字ですが、フランスでもEU離脱の国民投票を望んでいる国民が53%もいました。ついでに、その当時のアンケートですが・・・。

  • EUを好ましくないとの答えが多かった国:ギリシャ71%、フランス61%、スペイン49%、英国48%、ドイツ48%。

  • EUが好ましいとの答えが多かった国:ポーランド72%、ハンガリー61%イタリア58%、スウェーデン54%、オランダ51%

2016年から現在までに、この国民の考え方はさらにEU嫌い(つまり左派から右派へと)変化しているようです。例えば、イタリアでは初の女性首相メローニ氏、ハンガリーのオルバン首相、オランダでもウィルダース氏が総選挙で勝利するなど、右派が台頭しています。

なぜ右派(保守系)が台頭したのか?

  1. 移民への反対

  2. 文化や伝統への干渉への反発

大きく言えば、この2つです。
移民の大規模流入の図式はこうです。
米政権のネオコン勢力が国務省やCIAを使って、軍事介入で武器産業を儲けさせる陰謀を実施してきた。
⇨2000年代以降のアフガンや中央アジアなど、それに続いて北アフリカや中東のアラブの春などで米国やNATOが軍事介入。
⇨国民から信望の厚かったリビアのカダフィ大佐はテロリストの烙印を押されて殺害され、シリアでも内乱を引き起こした。
⇨これで統治を失い混乱した国内から、トルコ経由や地中海経由で大量の移民が欧州に流入した。
⇨西欧の急進左派の政治家は人権重視や労働力確保の名目で受け入れて、各国に割り当て義務化した。
⇨その結果、各国で移民に仕事を取られる労働者が続出して、しかも救済に税金が投入された。
米国の急進左派がビジネスで仕掛けた悪行が、西欧の国民をも苦しめる結果になっているのに、西欧各国やEU理事会の急進左派は米国に対してなんとも思わないのでしょうかね?

文化や伝統への干渉は、米国ほどではないにしろ、EU理事会から各国首脳への圧力はあります。EUの構造上、各国の主権をある分野のある範囲では制限できることになっていますから。
この対抗策としては、EUの立法である議会と行政執行である理事会や委員会から急進左派を追い出すしかないですね。または英国のように離脱するかです。

EUそのものには今言ったデメリットもありますが、経済上のメリットもあります。単一通貨ユーロの利便性や外国からの投資の受け入れなどです。

そのため、英国のように出ていくのではなくて、なんとかEUに巣食っている急進左派エリートたちを追い出す方が現実的な解決策です
そのため、各国に存在する右派政党が連携してEU議会での右派による会派を形成しています。今年6月6日〜9日まで、EUの選挙があります。
ここで、フォン・デア・ライエンEU委員長など、急進左派グローバリストの代表選手を引きずる下ろすことができるかどうかが注目なのです。

各国の右派政党の例としては

  • ドイツ;AfDドイツのための選択肢;反移民・ユーロ離脱

  • フランス:RN国民連合;脱ユーロ・反EU(マリーヌ・ルペン党首)

  • ハンガリー:フィデス・ハンガリー市民連盟(オルバン首相)、ヨッビク(Jobbik)は反ユーロ・民族主義

  • スペイン:国民党(中道右派)、VOX(右派。23年7月失速したが)

  • オランダ:自由党PVV:ヘルト・ウィルダース(23年11月の総選挙で勝利)オランダのトランプ・反イスラム

  • イタリア:イタリアの同胞(ジョルジャ・メローニ首相)

  • ポルトガル:CHEGA アンドレ・ヴェンチュラ(facebookがアカウント停止)

などです。急進左派グローバリストのスポンサーでもあるfacebookがアカウント停止して躍起になっているのが笑えます。米トランプ氏が大統領に復帰したら、facebookやGoogleなど急進左派バイデン民主党の言いなりになっていた企業はどうするのでしょうね

EU欧州議会の会派としての右派は:

Identity and Democracy (ID):これは 独AfD、仏国民連合(ルペン)、イタリア同盟、オーストリア自由党などが参加しています。ある予測では58議席から87議席と19議席(+50%)と躍進が見込まれています。
European Conservatives and Reformists (ECR):これはイタリアの同胞(メローニ)、西VOX、ポーランドPiSなどが参加しています。これも予測では67議席から78議席(+16%)と躍進が期待されています。

急進左派で議席の大幅減が噂されているのは、緑の党で71議席から44議席(▲38%)。
悪名高きフォン・デア・ライエン委員長は独CDUという政党出身で、欧州議会会派は最大会派の欧州人民党EPPです。これは177議席から172議席と微減するだろうと考えられています。ちなみにハンガリーのオルバン首相はこの会派から離脱しました
これに次ぐ左派の会派は、Renew Europeで、ドイツではFDPという政党が参加しています。今年の選挙でフォン・デア・ライエンのライバルが、ストラック=ツィマーマン女史です。しかしこの御仁もトンデモナイ人物で、ウクライナにドイツ製の武器を売り込むのに必死です。

フォン・デア・ライエン委員長は夫が遺伝子製薬会社をやっているのでワクチン開発や生物兵器開発からみの利権をチューチューしていると報道されています。
ストラック=ツィマーマン女史も武器がらみの利権をチューチューしているのでしょうか?
いずれにしても、「急進左派連中は、エリートを自負し、宗教などの道徳観や文化や伝統を軽蔑し、選ばれたポジションで利権をチューチューして、国民が苦しむのも他国の人々が死ぬのもなんとも思わない人たち」です。

欧州各国で、これらの急進左派を心底嫌い自己を取り戻そうとする保守派勢力が増えているのはこんな事情なのです。

これら急進左派に立ち向かっている人たちを列挙します。

  • リズ・トラス女史(元英国首相)

  • ナイジェル・ファラージ(英国・イギリス独立党党)

  • マリーヌ・ルペン(フランス・国民連合党首)

  • ジョルジャ・メローニ(イタリア・首相)

  • ヘルト・ウィルダース(オランダ・自由党党首)

  • オルバン・ヴィクトル(ハンガリー・首相)

  • アンドレ・ヴェンチュラ(ポーランド・CHEGA党首)

などです。政治家ではありませんが、実はこの方も黙っていられなくなっています。

ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇です。

2023年8月 ウクライナ情勢めぐり欧州諸国に質問 「どこへ向かっているのか」
ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は2日、訪問先のポルトガルで演説し、ロシアによるウクライナでの戦争を終結させるための取り組みについて、西側諸国に対して質問を投げかけた。

2024年3月
ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、9日に公開されたメディアのインタビューで「最も強いのは国民のことを考え白旗をあげる勇気を持って交渉する人だ」などと述べました。

このように急進左派グローバリストに操られているウクライナに苦言を呈しています。

いずれにしても、今年のEU議会選挙はヨーロッパ各国が伝統や文化の誇りを取り戻し正常化できるかの試金石になります。

ハンガリーのオルバン首相は、こう言っっています。
「欧州では、エゴが最も重要で、これが世界の中心だと言う一方で他の人は、それは真実ではないと言う世の中には私自身よりも私のエゴよりも大切なものがあるからです。家族、国家、神。だから、これら崇高なものに仕えなければならない。ハンガリーでは、これが社会の大多数を占めている。」

たしかに、イベリア半島のスペインやポルトガル、東欧のクロアチア、スロベニア、ハンガリー、リトアニアなどのカトリック国はグローバリストの思想と相容れないでしょうし、東方正教会のスラブ民族であるチェコ、スロバキア、ポーランド、マケドニア、ブルガリア、セルビア、ボスニア、モンテネグロとウラル語族ながら東方正教会のフィンランドもカトリック同様に伝統や文化を大切にします。
そう考えると、EUの外郭の諸国はブリュッセル・エリートの思想を根本的には受け入れ難いように思えます。
さらにEUの中核を成すドイツ、フランス、イタリア、オランダでも反旗が広がっているので、欧州大陸の国民は全て反グローバリストなのではないか?とさえ思えてくるのです。

EU議会からグローバリストと腐敗したブリュッセル官僚を追放し、トランプ政権が復帰して腐敗したワシントン官僚を追放したら、プーチンや中東ともまともな対話が始まり、世界の平和と安定が近づくと思います。
それを期待したいところです。



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