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九州パンケーキと、農業。

僕らが九州の産地とつながりながら、パンケーキミックスを作り続けて10年以上が経ちます。月日の経つのは早いものですが、ずっと同じチーム(生産者たち)と取り組みをさせていただいております。

たいそうな実績を語れるほど「農業」そのものに貢献できたかといえば自信がないのですが、それでも、当時としては珍しかった地域素材のみを用いて作った「九州パンケーキ」が、その後の「食」のものづくり思想に与えた影響は多少はあったのではないかと感じます。

僕らも、産地とかかわる中でたくさんのことを学ばせていただいています。本社から15分ほどの、”オーガニックのふるさと”と呼ばれる綾町(宮崎県)では、「松井農園」さんと共に合鴨農法でお米を育て、それを原料として発芽玄米を作り、製粉してパンケーキに入れています。

松井さんと九州パンケーキの田んぼ

綾町では、35年ほど前から有機農業への切り替えを政策として本格的に進め、約15年ほど前には約8割の農家が、化学肥料を使わないオーガニックな生産へと切り替えが進みました。現在では、「自然生態系農業の推進に関する条例」を制定し、自然生態系農業の基準と認証方法など、綾町が責任を持って健康なほんものの野菜を提供していくシステムを確立、そして令和5年には「オーガニックビレッジ宣言」も行っており、町内のすべての農業は有機農業へと切り替わっています。

松井さんは、今年、まちと共に「オーガニックスクール」も開講し、次世代の農業理念と共に50年間の歴史の中で培った技術の継承を始めています。このまちで住み込みで働きながら学び、卒業生が希望すれば良い土地を共に探してくれて、そのまま 就農することも可能です。

松井さんはこう言います。

” 半世紀以上かけて丹精込めて土地を作って来た。ここから綾町に追いつくことは無理です。でも、ここから新しく作っていくことはできる。”

100%の自信を持って、心から「自分の農作物が世界で一番うまい」と語れる、自信を持ったものだけを消費者へ提供できるものづくり(農業)を全うできる、そんな人生は豊かです。

「九州パンケーキ」は、そんな皆さんの想いと共に、100%の自信を持ってお届けできる商品です。ウクライナ情勢や為替の影響で外国産の小麦が値上がりしたら、国産小麦も連動相場で上がっていく。本当は、外国産の価格があがれば国産小麦の振興にとってはチャンスなはずですが、そうはなりません。本当に理不尽ですが、僕らではどうすることもできません。しかし、時代の波に翻弄されながらもこのプロダクトを守り、後世に残していくために頑張っていこうと思っています。

今月半ばには、「九州パンケーキ」のお米は、刈り取りの時期を迎えます。パンケーキの原料として使いきれない分は、精米して皆さんにもお届けできるようにしたいと思います。

みのりの季節を迎えました

おいしい松井農園さんのお米でできたおにぎりと、九州パンケーキを同時に味わってもらえるような、小さなイベントも企画できたらいいなあ...などと、松井さんと話しながら思いました。

宮崎県綾町で栽培する「九州パンケーキ」のお米

九州パンケーキ


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