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Anthropic Consoleのプロンプトジェネレータの活用マニュアル|誰でも簡単にプロンプト生成ができる

AIを活用したタスク自動化や効率化において高品質な結果を得るためには、AIに適切な指示を与える「プロンプト」の設計が重要になります。
2024/5/11(日本時間)に発表されたAnthropic社が提供するConsoleにおいて、この課題を解決する「プロンプトジェネレータ」が登場しました。


プロンプトジェネレータを使えば、タスクの説明を入力するだけで、最適化されたXML形式のプロンプトを自動生成してくれます。XML形式はAnthropicが推奨しているフォーマットです。これにより、プロンプト作成にかかる手間と時間を大幅に削減できるのです。また、生成されたプロンプトは、入力データの期待値や出力フォーマットなど、タスク実行に必要な情報が詳細に記載されています。つまり、AIとのやり取りを効率化し、高品質な結果を得ることが可能になります。

例えば、「メールを書く」タスクを選択してみましょう。すると、プロンプトジェネレータが以下のようなプロンプトを生成してくれます。

顧客からの苦情メールに返信するメールを作成し、解決策を提案する。

<complaint_email> {{COMPLAINT_EMAIL}} </complaint_email> 
上記の苦情メールの内容を確認し、以下の点に留意して返信メールを作成してください。 
- 顧客の苦情内容を正確に把握し、真摯に受け止める姿勢を示す 
- 苦情の原因について調査し、解決策を提案する 
- 再発防止策について言及し、信頼回復に努める 
- 丁寧かつ親身な口調で、顧客の気持ちに寄り添う 

返信メールの本文は、<reply>タグ内に出力してください。

このプロンプトをそのままAIに入力すれば、顧客目線に立った丁寧な返信メールを作成してくれるはずです。プロンプトの品質が高いほど、出力結果の完成度も向上するのです。

次に、Workbenchでプロンプトを使用する手順を見ていきましょう。

Anthropic Console こちらからアクセスします。

プロンプトジェネレータで希望のタスクを選択し、必要な情報を入力します。

実験的なプロンプトジェネレータは、タスクの説明を高品質のプロンプトに変換することができる。最良の結果を得るためには、プロンプトがどのような入力データを期待するか、またどのように出力がフォーマットされるべきかを含め、可能な限り詳細にタスクを記述するようにしてください。各ジェネレータは少数のOpusトークンを消費します。

説明文:筆者日本語訳

・メールを書く

Draft an email responding to a customer complaint email and offer a resolution

顧客からの苦情メールに返信するメールを作成し、解決策を提案してください

・コンテンツモデレーション

Classify chat transcripts into categories using our content moderation policy

当社のコンテンツモデレーションポリシーを使用して、チャット記録をカテゴリーに分類してください

・コードの翻訳

Translate code to Python

コードをPythonに翻訳してください

・製品を推薦する

Recommend a product based on a customer's previous transactions

顧客の以前の取引に基づいて製品を推薦してください

・ドキュメントを要約する

Summarize documents into 10 bullet points max

文書を最大10個の箇条書きに要約してください

英語の方が精度が高いはずですが、慣れないうちは日本語で行うことをお勧めします。

実験:要約タスク

タスクは自由に記述できますが、今回は例として以下の要約タスクを実験として行います。

文書を最大10個の箇条書きに要約してください

タスクを入力して、「Generate Prompt」を押します。

プロンプトが生成されました。これは毎回opusによって異なるプロンプトが生成されます。最後に右下の「Start Editing」を押します。

すると、Workbenchに画面が遷移して、USER PROMPTの欄に先ほど生成されたプロンプトが既に入力された状態になっています。

そのままの状態で、右上の「Run」を押すと、「Variables(変数)」として{{DOCUMENT}} を入力を求められます。

今回は富士山のWikipediaの抜粋を入れ、右下のRunを押します。

プロンプトの「文書を最大10個の箇条書きに要約してください」と言う指示通り10個の箇条書きを生成してくれました。

以上の手順で、誰でも簡単にプロンプトジェネレータを活用できます。

あとがき

シンプルなタスクの場合はここまでしなくても良いと思いますが、複雑なタスクの場合はプロンプトも複雑になりがちで、同時に大きな負担にもなります。
Anthropic Consoleのプロンプトジェネレータを使えば、このボトルネックを解消し、AIの可能性を最大限に引き出すことができるでしょう。また、これでプロンプトを学び、独自のプロンプトに発展させていく良い機会にもなるはずです。
ぜひ本記事を参考に、プロンプトジェネレータを活用してプロンプトのスキルを向上させてみてください。

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