見出し画像

僕はシークレットブーツだと思う。。。

 社会人何年目か忘れたが、出会い系で出会った方とデートをすることになった。立川のモノレール駅で待ち合わせをして、北欧の大型家具店に行き、食事をする予定であった。
 そう予定であった。。。

自称168㎝の殿方

 きゅうり君の身長は163㎝だが、姿勢がきれいとよく言われるため、168㎝~170㎝に見られることがある。高校時代もそうであった。もちろん見えるだけであって、その年の会社の健康診断でも163㎝54㎏であった。
 きゅうり君にはトラウマがあった。同じぐらいの身長の方に「俺より身長が高い気がする。一緒に並びたくない」と言われたのだ。そのため同じぐらいの身長の方とお会いするときは、自分がより小柄に見える工夫をすると決めていたのである。出会い系アプリのプロフィールを盛ることはよくある事。だから今回の方も万全体制、しっかりとスニーカーでデートに向かったのである。
 待ち合わせの改札口から出てきた、殿方”他責男”さん。
おしゃれな言い方をすれば、おしゃれなショートブーツ。しかし違和感があるくらい大きめな靴。まるで”お父さんの革靴を履いてはしゃぐ子供のような”。おしゃれな革靴などであえて先端を尖らせたオーバーシルエットに作られた革靴を見かけたことはあるが、日常使いの靴では見かけない気がする。まあ、この人も身長をさば読んでいるなと内心思った。
 なぜなら、他責男さんの頭がきゅうり君の目線なのである。帰宅後きゅうり君は行儀ではかった頭のてっぺんから目元までの長さを、計測は8㎝。ということは、他責男さんは155㎝だったのであると想定ができる。

「僕は出先で靴が壊れたら、サンダルを買います」byきゅうり君

 デートで向かう北欧家具屋さんまでは駅の改札口から、約15分ぐらいは歩く。改札口から、エスカレーターに乗った時に事件は起きた。
 他責男くんの右の靴の底が抜けたのだ。こんなコントのようなことがあるのかと思うぐらい抜けた靴底。僕は駅近くの靴屋さんに入り、サンダル買いませんか?と提案した。皆さんの中には「なぜ靴でなくサンダルを提案したのだ」と思う方もいるかもしれない。
 ショートブーツを履いてあらわれた他責男くん。彼とデートをしたのは真夏。むしろショートブーツの方がおかしいのである。そして、なぜかきゅうり君はこの人は金銭的面でも虚言癖があるととっさに判断したのである。
 彼のプライドを傷つけないためにもサンダルを進めたのである。
スニーカーよりも安く。おしゃれなサンダルだとメンズ物もソールが少し分厚いものもあるから。
 彼はこれくらい平気とそのまま、歩いた。靴底をかばいながら、少し足を引きずる形で歩ていた。
 この時点でだいぶ滑稽な光景である。40代自称168㎝の男性が夏に似合わないお洒落なショートブーツをかばいながら、歩いているのだから。

自称俺の月収手取り30万円

 北欧家具のお店にはおしゃれな家具が沢山ある。「この家具を置くなら、家のここだな」と威勢よく値札も見ずに語っていた。もちろん本当に買うならいいと思う。そしてスパダリ募集(スパダリ専門のハイエナ)きゅうり君からしたら、この流れで、もしかしたら、二人で住む部屋の事を考えてくれているかもと妄想をするのである。「俺は大体手取り30万円ぐらいだから、これなら予算の範囲内だな」とドヤ顔でいる他責男くんに対して、胡散臭いと思っていても、自分も楽しみたいという希望から、きゅうり君は妄想の世界への扉を開けたのだ(笑)
 なぜ妄想の世界の扉を開けたか、それは会話が続かないからである。
そして、妄想の世界の扉を一度は開けたが、イライラしたきゅうり君はいじわるな質問をする。「他責男さんはどちらにお住まいなんですか?、確か一人暮らしですよね?」「○○にお住まいなんですね、都内って高そうなイメージがあるから羨ましいです」
 他責男さん「まあ、駅から離れるから25万円で住めるよ、そんな高くないよ」と、きゅうり君は含み笑いをこらえるのに必死だった。
もし、一か月の家賃が25万なら、生活費は5万円ということになる。
もし、年間の家賃が25万円なら、一か月の家賃は約2万円となる。

自称俺は背が低くない。

 本来の予定なら、その後は食事をする予定であったが、小雨が降りそうだらという理由で駅に戻り解散になった。北欧家具屋で小まめに椅子に座り休憩していたのをきゅうり君は見ていたので、靴がつらいことは目に見えていたが触れずに、「今日は一緒にウィンドウショッピングをしてくれてありがとうございます」と伝えた。
 一瞬でも「ありがとう」とか「またね」を期待した自分がバカだったとその後きゅうり君は思うのである。

「俺は身長が168㎝あるが、君はそれ以上あるよね、うそのプロフィールなんだね」とつぶやき改札に向かっていた。一応背中に向かい「よく、背、高く見られるんです。」とつぶやいた。
 そして、無言で頭を下げ、上げる瞬間、「健康診断で163㎝なのには変わらない。人のせいにするな」と感情が込みあがってきた。

”他責男”くんふってくれてありがとう

 僕は一度ぐらい、改札を挟んで「バイバイ」とやるのが夢なのである。
なんせ心は乙女ですから、良いじゃないですか、スパダリ狙うハイエナでも20代前半夢見させてくださいよ。
 その夢がまさか、同じ改札を挟むという構図でも、2度と会わない相手とはいえ「君はうそつき」と言われたのである。中途半端に好意を抱かれなかっただけましなのかもしてないが、この話はかなりの笑い話となり、
タンポポ君・そしてとまとさんにも話すのである。
2人とも電話越しで爆笑をし、「なんで、靴の底が抜けた段階で帰らないの。いくら食事しなかったとはいえ、しっかりとデートしているきゅうり君、うける面白すぎ」と笑われた。

noteでは僕「きゅうり君」の17歳からの27歳までの恋愛と、
27歳から29歳までのリアルな恋愛は諦めて腐男子として生きている等身大の自分を日記を公開しようと思っております

ゲイ・お見合い・HSP・ダブルワークなど社会的に見た時にマイノリティーな自分ですが、自分の日記を公開するイメージでnoteを書いております。 寂しい事や不安な事があっても、noteで誰かの心が笑ってくれると嬉しいです(*´ω`*)