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ラブソングの定義に疑問符

Prize

この楽曲が世に出た時、TAKUROがHISASHIがラブソングを書いた〜と喜んでいたというインタビューを読んだが、個人的には、「え?ラブソングなの?」というのが第一印象。世間一般の人がイメージするラブソングって、もっと愛しているやら君に夢中やら、お前がほしいやら、夜も眠られないやら、普段の生活ではとてもじゃないけれど言えない言葉たちが歌詞として並ぶものじゃないのか?そして、基本はもっとバラードっぽい感じとか、そうでなくてもミディアムテンポくらいじゃないの?「Prize」を一聴して、これは壮大なラブソングだね〜なんてわかる人、果たしてどれだけいるのだろうか?
とは言え、ラブソングに明確な定義があるわけではなく、作った本人?編曲や演奏している当事者たちがラブソングっていうのだから、それは疑いようのない事実なのだ。

ラブソングか否かは一旦置いておき、楽曲としては好き。ラブソングとは到底思えない疾走感をはじめ、イントロの裏打ちのドラムとか、Aメロすぐのギター裏で鳴るメロディアスなベースとか、サビのリズミカルなギターとか、高いキーを全然そう思わせずに歌い切るTERUのボーカルとか。
同アルバムに収録されている「電気イルカ奇妙ナ嗜好」同様、楽曲自体は三分ほどと非常に短いが、楽曲に詰め込まれて要素の多さ、濃度の高さに圧倒される。ライブでもイントロで「ぎゃー!!」ってなっている間に、もう終わっているって思うことも多々ある。

改めて聴くと、なかなかドラム泣かせな曲だなと思う(素人目にはそう見える。実際に叩いてみるとそんなことはない、なんてことは往往にしてありえる)。速いし、拍は裏でとるし、ちょっとだけずらして2音を叩くし、やることが多いというか、耳だけの情報だと忙しいだろうなって感じる。だからこそ、リズムが崩れたらだらっとするだろうし、立て直しも大変だろうなと思う。多少なりとも勢いで間違えてしまっても大丈夫そうなロック・ポップな楽曲であったとしても、この裏打ちのビートが少しでもずれてら、本当に総崩れになる可能性もあるから、ドラムは気が抜けないだろう(TOSHIは素人が言わずとも、気を抜いてドラムを叩いていたことなんて一秒たりともないだろうが・・・)。だからこそ、バシッとドラムが締めるところで締めてくれ、かつその基盤を作った状態で走ってくれることへの安心感は半端ないだろう。バンドとしての底力を見せつけられる楽曲ではないか。

こんなことを書いているとやっぱりライブで猛烈に聴きたくなってくるし、楽器隊の手元に注目したくなる。5年前のツアーではないライブで聴けて、その前は、そこから遡って5年前、さらに10年遡って・・・という感じなので、なかなかのGHOSTっぷり。HISASHI楽曲は変化も進化も深化も凄まじいので、混戦を勝ち抜いてセトリに入るのはなかなか至難の技。
次に聴ける日を心待ちにしております。

#GLAY   #Prize #HISASHIの作るラブソング #愛猫の怨念

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