やっぱりライブまで含めて完成形であることを認識する

DOPE

JIRO作曲の楽曲は、音源のみで完成されていることはあまりない。それは、完成度が低いということではなく、ライブまでを見据えた上で作られているのではないかと常に感じるほど、ライブの演出の妙が光るのは、JIRO楽曲であることが多いからだ。ここ数年、ステージに立つことが楽しいと、自身のラジオ番組をはじめ、公の場で話しているし、さらに直近数年については、育児をはじめとした事情から長年ライブから遠ざかっていた人が、久しぶりにライブに足を運んでいる事実にいたく喜んでくれていて、それも何度も口にしているほど、JIROの中でのライブの意味がより濃くなっているように感じるのも、ライブまでを意識した楽曲作りに反映されているのではないかと思ったりする。
JIROは、GLAY以外に「THE PREDATORS」という3ピースバンドを組んでおり、楽曲の5割以上作曲を担当している。以前は、「THE PREDATORS」の楽曲と多少なりとも作り分けをしていたようだが、2016年にリリースした「SCOOP」という楽曲をTAKUROが気に入り、もともと「THE PREDATORS」を意識していた楽曲だったが、TAKUROが詞を書き、GLAY楽曲として世に出ることになった。
この「DOPE」も割と「THE PREDATORS」のボーカル:山中さわお氏が歌っているのが容易にイメージできる楽曲ではあるので、最近では、どちらでやるために作曲しているというわけではないようだ。山中さわお氏の声もイメージできるが、TERUが歌って、HISASHIの特徴的キュイーーーーーンギターが入れば、それはれっきとしたGLAY楽曲になる。そして、やっぱりTERUの声が一番ハマる楽曲だと今は確信している。

ライブ中のJIROのパフォーマンスというか、ベースを弾く動きについてだが、この「DOPE」は特にそうだが、これまでよく見られていた、右足に重心を乗せ、踏み込んでベースを弾き鳴らすというスタイルではなく、のけぞるまでいかない角度で体の重心を後ろに置き、左右に体を揺らしながら弾くことが多い。そして、この楽曲については、その左右の動きが細かいながらもしなやか。そこに色気がある。そのため、楽曲にのりながらも、ついつい見とれてしまうというか、一挙手一投足を目で追いかけてしまう。この楽曲はどうだったのか、実は定かではないが(7月30日オンエアのWOWOWでチェック)、指弾きの楽曲が増え、指弾きに変えた楽曲もあるようなので、それも関係しているかもしれない。踏み込み型の良さもあるが、のけぞり型の色気もこれまた、新たな見所になっている事実を、是非とも伝えたい。

イントロのドラムがリズムが四分音符(かな?)を規則的になるところが、GLAYっぽくて好き。


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