擬似的表現にエレクトリック的アプローチが必要だと考えている

流星のHowl

空に関するものが多いのはTERU楽曲の特徴。それはやはり、前や上を見ながら過ごしているからだろうか。
目線が上に向くものに焦点が当たるのは、ごく当たり前のことなのかもしれない。空、鳥、そして星。だからこそ、自然体であれということ、生きるためには、時には理不尽もあるけれど、それはきっと越えていけるものであるということを、まずは自身に向けて、そして、リスナーに向けて歌い続けているように感じる。

編曲者にDJ Mass氏がいることで理解した。普段よりもエレクトリックな感じがあるのは、DJ Mass氏による賜物だろう。「流星のHowl」というタイトルの楽曲に、エレキトリックな音は対比が生み出されていてなかなか興味深い。自然なものに対して、人工的要素を組み合わせることで、意図するものの幅が広がる。エレクトリックな音は、必ずしも自然の音の反対側にあるのではなく、場合によっては、それがマージして、シナジーを生み出すこともありえる。自然物の比喩的表現において、エレクトリックな音を使うことは効果的と言えるのかもしれない。

この楽曲も前例に漏れず、とあるスポーツアニメのテーマソングとして起用されている。だからこそ、先述のように、壁を越えるために上を向いていこうとする意思や覚悟を楽曲に乗せているのかもしれない。本人がそのスポーツを部活として、いっときはプロも目指して取り組んでいたことも、楽曲への説得力につながっているのかもしれない。

ただ、この楽曲の中では、目指したゴールに辿り着くことに苦悩している友人に対し、「これ以上は無理をしなくていい」と歌っている。これまでの楽曲の中にはなかった要素。越えることができない壁や障害を前に、なんとか喰らいついていこうとする姿勢に対し、優しさや配慮から出た言葉が、残酷に突き刺さることもあるだろう。それも理解した上で「これ以上は無理をしなくていい」と発する気持ちをTERUは理解しているからこそ、この歌詞に至ったのではないだろうか。自身が体験したことを作品にできる人は強い。

You're my star 全てを出し尽くせ
やらずに後悔するのなら

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ただ、やらずに悔いるくらいならば、まずは全て出し尽くしてからでも遅くないということもちゃんと伝えている。これこそがTERUの真骨頂。心をもう一度奮い立たせ、リングに立たせてくれる。

TERUの楽曲の進化は留まるところを知らない。

#GLAY #流星のHowl #無理はしなくていい #スポーツアニメの主題歌

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