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ハンググライダー墜落~

 35年以上続けているグライダーゆえに、その期間のほとんどが『飲兵衛』だったわけで、グライダーと酒との関係は切っても切り離せません。

 まずはハング・グライダーですが、約50年前アメリカが発祥の地です。NASAが衛星回収用にロガロカイトと言う三角形の凧を導入したのですが、これに眼を付けたのが、当時マリファナなどでラリってたアメリカ人ヒッピー達でした。

 『あれに人間がぶら下がったらおもしろくねえ?』って発想です。

 スキーや水上で試行錯誤されて、山から飛べるように進化しました。途中事故で多数の犠牲者がでましたけど、ラリったり酔っぱらったりで、イケイケだったのかも。

 日本人もアメリカで技術を習得して、国内でスクールが始まりました。安全性も確保されてきましたが、現在に比べたら、ほぼ「命懸けの冒険」に近かったです。

 インストラクターに指導されてスクール、クラブ単位で活動します。毎週週末、フライトエリアに通いますから、クラブにもよりますが、雑魚寝の粗末な合宿所が誕生します。

 時代は昭和、フライトが終われば宴会。緊張から解放され、反省会から始まってフライト話は絶好の尽きることのない酒の肴で、夜が更けても延々と楽しい酒席は続きました。

 寝落ちする人もいる中、調子に乗ると午前零時を回ることもあります。当然次の日のフライトに影響しちゃいます。

 そんな翌日、アクシデントが発生しました。事故です。

 テイクオフに失敗、通称「スタ沈」と言いますが、スタートに失敗して藪に突っ込みました。怪我は手首の骨折と顔面裂傷

 ハングと言えども、パイロットには健康を管理する義務があります。第三者に損害を与えたら、ただ事では済みません。

 その事故以来、宴会は午前零時まででお開き!のルールを作りましたが、楽しかったはずのお酒がもたらした悲劇でありました。飲まなくても事故は発生します。それだけリスキーなスポーツであるがゆえに、自己管理、お酒のコントロールも必要なのです。

 楽しかった宴会の翌日から入院生活になるなんて、すべてがアルコールの罪とは言えませんが、ネガティブな要因ではあると思います。

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