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足関節捻挫の理学療法・アスレティックリハビリテーション

2021.2更新

Abstract

❶足関節内反捻挫概要|病態・概要・CAI・再発予防プログラム
❷急性期対応〜リハビリ
 -RICE処置
 -徒手療法(アライメント改善・循環改善)
 -機能的テーピング
❸亜急性期リハビリ
 -タイプ別可動域改善(ハイアーチ・扁平足)
 -OKC トレーニング・患部外トレーニング
❹回復期リハビリ〜トレーニング
 -SCKCトレーニング(内在筋-外在筋連動)
 -CKC トレーニング(足関節-股関節連動)
❺復帰期アスリハ
 -アスレティックリハビリテーション


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1.足関節内反捻挫概要

病態

足関節内反捻挫はスポーツにおいて頻発する怪我である。
重症化する事が稀なことから、十分なリハビリ・トレーニングを行わずに復帰し再発するケースや、その後の不十分な対応により症状が残存しているケースが多く見られる。
そのため、特に重症度が低いケースの対応が非常に重要となる。
日本スポーツ協会では以下の様に重症度を分類している。

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概要

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統計的にも発生率・再発率共に高い疾患である。
また複数回の捻挫を繰り返した状態を、慢性足関節不安定性という。


慢性足関節不安定性(Chronic Ankle Instability|CAI)

CAIは
機械的足関節不安定性(Mechanical Ankle Instability|MAI)と
機能的足関節不安定性(Functional Ankle Instability|FAI)
に分類される。

MAI|靱帯や関節包の軟部組織損傷により構造的な不安定性が生じ、主に徒手検査やストレス X 線などの画像診断によって評価される。

FAI|バランス能力や筋力低下、固有感覚の低下、神経筋機能の低下など様々な要因が関与し、不安定性が残存した状態とされている。

多くの研究が行われてきているが一定の見解は示されていない。

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再発予防プログラム

主に4つの項目(背屈可動域・足関節外反筋力・姿勢制御・装具)で研究が進んでいる。

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※SEBT(Star Excursion Balance Test)|棘下長に対して80%以上

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以上から

可動域の改善・筋力の改善に加えて姿勢制御能力の改善がCAIの改善には有効と考えられる。


再発を軽減させるリハビリの流れ

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スポーツ障害の中でも多く発生する足関節捻挫。
しかし、後遺症が残っていることが多いことから段階的な機能改善が必要になる。

このnoteでは、
足関節内反捻挫発生後のリハビリの流れを靭帯の治癒過程に合わせて以下の3つのポイントで進めていく。

①可動域改善|可動性と柔軟性
②筋力改善|内在筋と外在筋
③動作改善|姿勢制御能力



2.急性期のリハビリ|炎症コントロール

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