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スポーツ理学療法|復帰基準

復帰基準

①Full ROM(Active・異常可動性なし)
②MMT左右差なし(Full arc)
③Special test 陰性
④パフォーマンステスト左右差なし(異常動作なし)


①Full ROM(Active)

Tightness test ・End feel共に正常化した状態を目指す

そのためにはEnd feel(特にFirst End)を正確に感じ取る技術が必要になる。
特に関節包内運動の評価が重要になる。
下肢であれば距骨の後方移動・下腿の内外旋・大腿骨頭の後下方移動などであり、異常可動性のない状態を目指す。
また、関節包内運動が適正化された状態でのTightness testの左右差を確認する。Activeでの左右差がないことが理想となる。

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②MMT左右差なし

Break testだけでなくFull arcで左右差のない状態を目指す

伸張位・短縮位、関節角度により作用する筋が変化することや、関節角度の変化によって固定筋も変化するため、Full arcで確認することが必須となる。
例えばハムストリングスは羽状筋であるため短縮位では力が入りにくくなる。足関節であれば、底屈内反・底屈外反で作用する筋は変化する。など
BIODEXで計測できればなお良い。

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③Special test陰性化

組織の修復状態の確認をするため、痛みなし・end pointが
左右差のない状態を目指す

靭帯損傷であれば、痛みだけでなくend pointがhardになっているかは重要な指標となる。
可動域・筋力の左右差が改善されても組織が修復されていなければ再発のリスクは高くなる。

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④パフォーマンステスト左右差なし(異常動作なし)

各種動作において患部にかかるメカニカルストレスが
最小限の状態を目指す

動作を見抜く目が必要になる。
私は歩行のPhase(I.C〜LR・LR〜Mst・Mst〜Tst)に分けて評価している。
歩行についてはこちら。

Running開始基準

片脚リーチ(外方・後方)左右差なし
片脚Squat・Forward Lunge(異常動作なし)
片脚Calf raise(異常動作なし)

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競技復帰基準

パワー|3歩バウンディング・one leg hop
有酸素性持久力|3000m
無酸素性持久力|シャトルラン
アジリティ|Tテスト・ステップ50・イリノイアジリティテスト

パワーであれば左右差を計測する。前方だけでなく左右へのHoppingを計測することも有用である。
持久力は競技特性を考慮して、耐乳酸能力か乳酸除去能力どちらの能力を反映させたテストを実施するのかが大事になる。
有酸素性持久力は3000mやグラウンド1周に対してタイム設定して、時間内で走れるかを測る。(耐乳酸能力)
無酸素性持久力は100mを15秒で走り、45秒でゆっくり戻って来るなど競技特性を考慮してスプリントの距離やレストタイムを設定すると良いだろう。(乳酸除去能力)

客観的な数値を基準に復帰を目指していくが、評価には主観的な評価が多く含まれるため、その人の技術(触る感覚・見る目など)が大きく影響する。

トレーナーにはその技術の精度を高める必要がある。

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平 純一朗|タイラ ジュンイチロウ

Medical Fitness Ligare(https://ligare-matsudo.com)GM 2016-
L-fit.(https://l-fit.org)代表 2017-
トレーナー養成校非常勤講師 2011-
KSL関東サッカーリーグ1部所属チームトレーナー 2016-
V2リーグ女子所属チームトレーナー 2016-
【資格】
理学療法士
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー

Twitter|https://twitter.com/tjichiro
Instagram|https://www.instagram.com/l_fit.training/

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