まだBlender 2.80はbetaの状態で、デイリービルドを使っている状態なので確定には程遠いですが、まとめていこうということで。

"Quick Favorites"とは?

"Quick Favorites"とは、コマンドの「お気に入りリスト」を作っておいて、[Q]キーでリスト表示して呼び出す機能です。

[Q]キーを押した時にマウスカーソルの位置にメニューが現れるので、コマンドの実行に階層の深いメニューをたどる必要がなくなり、マウスの移動量が減って、操作にかかる時間の短縮にもつながりそうです。

あと[Q]だけ押しとけばなんとかなりそうな気がする感じw

登録と呼び出し

"Quick Favorites"への登録の仕方はボタンやメニューの上で右クリック、"Add to Quick Favorites"をクリックします。すでに追加されたものは同じコマンドのボタンやメニューの上で右クリックしたメニューの"Remove from Quick Favorites"をクリックして登録を解除します。

呼び出しは[Q]キーを押してリストを表示させます。ここで気をつけないとならないのは、エディタやモード毎に実行可能なコマンドがリストされるということです。そう、モード毎に全てコマンド登録しなきゃならないようです。数が多くなると面倒臭いですね。とりあえず3Dビューエディタ上の以下モードにフォーカスして検討してみた結果を以下に。

・ 3Dビュー
　・Object Mode
　・Edit Mode
　・Sclupt Mode
　・Vertex Paint
　・Weight Paint
　・Texture Paint
　・Pose Mode

3Dビュー:Object Mode

・Edit > Adjust Last Operation
・View > Viewpoint > Camera
・View > Viewpoint > Top
・View > Viewpoint > Front
・View > Frame Selected
・View > Navigation > Fly navigation
・View > Align View > Center View to Cursor

3Dビュー:Edit Mode

Viewport Overlay の Face Orientation なんか加えてもいい気がしてきました。

・Edit > Adjust Last Operation
・View > Viewpoint > Camera
・View > Viewpoint > Top
・View > Viewpoint > Front
・View > Frame Selected
・View > Navigation > Fly navigation
・View > Align View > Center View to Cursor

3Dビュー:Sculpt Mode

Symmetry X(左右対称)がデフォルトでCheckedで有効なので切り替えられるように。

・View > Viewpoint > Camera
・View > Viewpoint > Top
・View > Viewpoint > Front
・Sculpt >[_] Symmetry X

3Dビュー:Vertex Paint

・View > Viewpoint > Camera
・View > Viewpoint > Top
・View > Viewpoint > Front
・(ヘッダー) >[_]Paint Mask
・(ヘッダー) >[_]Vertex Selection

3Dビュー:Weight Paint

・View > Viewpoint > Camera
・View > Viewpoint > Top
・View > Viewpoint > Front
・(ヘッダー) >[_]Paint Mask
・(ヘッダー) >[_]Vertex Selection

3Dビュー:Texture Paint

・View > Viewpoint > Camera
・View > Viewpoint > Top
・View > Viewpoint > Front
・(ヘッダー) >[_]Paint Mask

3Dビュー:Pose Mode

ボーン動かしながらウェイト塗り塗りしたい時にLock Object Modesのチェックを外しておくと良いです、ということで切り替えできるように

・Edit > Adjust Last Operation
・Edit > [_]LockObject Modes
・View > Viewpoint > Camera
・View > Viewpoint > Top
・View > Viewpoint > Front
・View > Frame Selected
・View > Navigation > Fly navigation
・View > Align View > Center View to Cursor

共通したところなど説明

トランスフォーム系(Move/Rotate/Scale)を中心とした編集コマンドを実行した時に左下のパネルを開けるのが面倒臭い、という部分を Adjust Last Operation コマンドでマウスカーソル位置に同様のパネルを持ってくることで多少解消出来ます。

3Dビューのトップ・フロントへの視点回転は右上のギズモでやってもいいですが微妙に正面からずれた角度から正面に、というのが、あの赤青緑のアレだとちょっと苦手な感じなので加えることにしています。[Alt]+中ボタンのジェスチャーと中ボタンを押してからの[Alt]の45°視点スナップに慣れるまで、とは思いますけど。

Fly Navigation についてはショートカットキー割り当てが日本語キーボードではうまく割り当てられていない様子(macOS)なので、こちらに割り当てました、という感じですね。

選択したものを中心に表示するFrame Selectedは、正直 [Alt]+中ボタンクリック でほぼ代用できちゃうことが多いのですが、オブジェクト中心で回したい時に使うでしょう。

問題

問題？も無いわけではありません。"Quick Favorites"のメニュー登録時には「表示に使われる使用言語」のメニュー名で登録されるので、例えば英語と日本語混在したり、フォント設定が無い場合(デフォルトの英語UI)には文字化けしてしまいます。

使用言語は統一しておきましょう、ってことなんでしょうね。

あと、メニューやボタンでも、追加できるもの、できないものがあります。

まとめ

ビュー周りを中心に、「(深い階層のメニューではなく)素早くアクセスできる」という部分でコマンドを選んでみました。メニューへ追加と削除しかできないので、"Quick Favorites"に登録する数は極力抑えておいたほうが良いでしょう。

また、[F3]のコマンド検索、右クリックのコンテキストメニュー、[Shift]+[Space]のコマンドリストは2.80で頻繁に使うでしょうから、これに[Q]で開く"Quick Favorites"をどううまく使い分けるかが鍵かもしれません。

まだベータなのでどうなるんでしょうね。