[2.8]アホ毛
キャラクターアニメーションで特徴的な表現の一つとして「アホ毛」っていうものがあります。
結構昔からBlender上で作っている方もいらっしゃいます。
さて、「アホ毛」の定義について説明しているページとかないかな、って思ってWikipediaにたどり着きました。
アニメやマンガでよく出てくる「一本だけ出ている」ようなものは「アホ毛」とカタカナ表記され、「あほ毛(第2義)」に分類されるとか。びっくり。
ちなみに海外のBlender使いの方でも ahoge で通じると思います、多分。
(そういう話題が出てきそうなところは→BNPRあたりかな?)
アホ毛をどうやって作るか
上に出てきたvimeoの動画、実はフォーラムの回答として作られたものだったりするのですね。IK BoneとSoftbodyを使う、と。
作る
では早速作っていきましょう。
最初に出ているキューブを変形してソフトボディ用の形状を作成します。エディットモードで以下を。
1. [Tab]キーを押してエディットモードに、[A]を押して頂点を全選択
2. X軸方向にサイズを0.2倍([S][X][0][.][2][Enter])
3. Y軸方向にサイズを0.1倍([S][Y][0][.][1][Enter])
4. 底面のみを選択、 z軸に対して+1する ([G][Z][1][Enter])
5. オブジェクト名を deformcage に変更
次にオブジェクトモードで deformcage オブジェクトを複製([Shift]+[D])し、アホ毛本体を作ります。ループカット([Ctrl]+[R])等のコマンドを使っていい感じに作ります。まっすぐではなく、曲がった毛の感じで。オブジェクト名を ahoge に変更。
この段階でオブジェクトの表示非表示を切り替えて使うようになりますのでどこかで覚えてきてください。
エディットモードで deformcage の上面のみを選択、[Ctrl]+[G] で新しい頂点グループを作成します。
以降の工程でオブジェクトが重なって操作しにくくなるので deformcage オブジェクトの表示オプションを変更し(Viewport Display>Display As を"Wire"に)、重ならないように移動させます。
Armature を追加します。armatureを常に前に表示させておきます。
[Tab]を押してエディットモードにし、右クリック> Subdivide でボーンを2つにします。アホ毛の曲がり具合に合わせてボーンの位置を調整します。
それぞれのオブジェクトを少しずらして表示させるとこんな感じです。
作成したオブジェクト全てがワールド原点にあることを確認し、 ahoge > Armature の順に選択します。[Ctrl]+[P]> Autimatic Weight でボーンとメッシュを関連づけます。おや、なぜかアホ毛にサブサーフかかってますね?
次に、deformcage > Armature の順に選択して、[Ctrl]+[P]> Object でボーンとオブジェクトを関連づけます。
アウトライナーエディタで親子関係を確認します。Armatureオブジェクトの子にahoge、deformcageオブジェクトがあることを確認できます。
Armatureオブジェクトを選択、ポーズモードにして、先端側のボーンを選択します。
その状態でボーンコンストレイントタブで Inverse Kinematics (IK)を追加します。
・ Target: deformcage
・ VertexGroup: Group
・ Chain Length: 2
・Stretch: disabled
この状態から、deformcage オブジェクトを選択、エディットモードで上面のみを選択して移動させてみて IK がうまく設定されていることを確認します。
オブジェクトモードでdeformcage オブジェクトを選択した状態で、Physicsタブの Soft Body ボタンを押し、ソフトボディを有効にします。
この時点でいちど3Dビュー上でアニメーションを確認します。[Space]キーを押してアニメーションを開始させるとポヨンポヨンと上下に揺れていると思います。アニメーションが再生された状態で Armature オブジェクトを選択、[G]キーで移動させてみてください。マウスを動かすと大きく揺れます。
デフォルトでは揺れすぎなので、パラメーターを調整します。
[Soft Body>Object]
・ Mass: 0.2
・ Control Point: Group
[Soft Body>Simulation]
・Speed: 0.3
[Soft Body> Settings]
・Damping: 20.0
アホ毛をつけて動かしてみる
今回はプリミティブオブジェクトのサルにつけてみました。
Armature > Suzanne の順に選択して親子関係をつけてあげるだけ。
準備ができたら「アニメーションしながら動きを録画」します。
えっ、そんなことできるの?ですって?タイムラインエディタの[●]ボタンを押して、[▶️]を押した後にSuzanneを[R]で回転させたりしてみてください。
そんなこんなで動画にしたのがこちら。
この時点でいくつかアラがありますが、これはボーンの数を増やすとか、パラメーターをもっと調整するとか試行錯誤で。
終わりに
ひとまずアホ毛っぽいものが作れました。
今回はサンプル的なものなので大きさ等は考慮していません。大きさが変わるとソフトボディの変形も違います。ソフトボディのパラメーターのどこをいじるとどう影響するかをある程度把握しておくといろいろなスケールのオブジェクトでも対応できるようになると思います。
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