日本初!大規模スポーツ大会で第3の性別の枠ができることになりそう
東京都世田谷区で開催されるスポーツイベント「世田谷区246ハーフマラソン」で、男女のどちらかではない「第3」のマラソン選手枠を創設する検討が始まったことが報じられました。
男女どちらでもない「第三」のマラソン選手枠創設へ 東京・世田谷区(画像)
大変喜ばしいことであるのは言うまでもないですが、本記事ではこの出来事をグローバルな視点で評価すると、どのように視えるのかについても考えてみたいと思います。
ワールドマラソンメジャーズで次々と新設される第3の性別の枠
マラソンの世界的な大会にはワールドマラソンメジャーズ(記事執筆時にはスポンサーのアボット社の名を冠し「アボット・ワールドマラソンメジャーズ」と呼ばれています)があり、以下のように説明されています。
この6つのマラソン大会の1つであるニューヨークシティマラソンはこの6つの中で初めて、2021年にノンバイナリー部門を導入しました。
それを受けて、世界最古のマラソン大会と言われているボストンマラソンでも2023年に開催される第127回大会から、「ノンバイナリー部門」が新設されることになりました。
そしてこれに続き各大会でも次々に第3の性別の枠の新設が発表されていきました。
スポーツ大会の第3の性別枠の新設でもやっぱり後れを取る日本
ワールドマラソンメージャーズの各大会の第3の性別枠に関する状況は以下のようにまとめられます。
ニューヨークシティマラソン ノンバイナリー部門を含み2021年より実施
ボストンマラソン ノンバイナリー部門を含み2023年開催エントリー受付中
ロンドンマラソン ノンバイナリー部門を含み2023年開催エントリー受付中
ベルリンマラソン ノンバイナリー部門を含み2023年に実施予定
シカゴマラソン ノンバイナリー部門を含み2023年に実施予定
東京マラソン 実施予定なし
案の定と言いますか、東京マラソン以外のワールドマラソンジャーズ全てでノンバイナリー部門が新設された、あるいはされる予定であるにも関わらず、日本ではその議論すら聞いたことがありません。
(参考)ロンドンマラソンのエントリー画面
ノンバイナリー枠新設に関する議論
スポーツにおけるトランスジェンダー女性の女性枠の参加には様々な議論が交わされています。
スポーツに人生を賭けている女性選手の立場が、トランスジェンダー女性によって脅かされる懸念から反対の声が挙がっている可能性が考えられます。
一方、第3の性別枠については、New York Timesの記事「ノンバイナリーのランナーはどうやったらメジャーなマラソン大会でノンバイナリー枠を勝ち取ることができるのか?」(画像1、画像2)によると、幸いにも以下の状況のようです。
世田谷区246ハーフマラソンで開催される意味
世田谷区246ハーフマラソンは世田谷区で開催される大会ではありますが、国際陸連認証コース・日本陸連公認コースであり、また東京マラソンの出走権が抽選で付与されるなど、一定の影響力もあるようです。またエントリーは全国から可能です。大会の運営は、参加者の性別に関する出場枠が判明しない形で、細心の注意を払って行われるそうです。
翻って、日々label Xとして交流会を開いている中では、スポーツの話題が出てくることが少なく、あまり運動が盛んに行われている様子がありません。
これはもしかしたら、既存のスポーツが男女に分かれる前提で行われていることが、Xジェンダーの人々のスポーツ参加への心理的ハードルになっている可能性があります。
今回のような第三の性別の枠ができることで、Xジェンダーのような人々がスポーツに参加しやすくなり、心身の健康増進に繋がることが期待されます。
ちなみに冒頭の毎日新聞の記事に出てきた下記のXジェンダーの自助サークルはlabel Xです。
ハーフマラソンであれば、3か月程のトレーニングで完走を目指せるようです。
世田谷区246ハーフマラソンは毎年11月に開催されるようです。
これを見ているあなたも一緒に出場してみませんか?
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この記事に興味を持たれた方、本noteアカウントを運営している、Xジェンダーのための会員制コミュニティlabel X(ラベル・エックス)についても知ってみませんか?
https://ftxmtx-x-gender.com/
文責:Kazuki Fujiwara
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