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にゅほん語録2頁

「にゅほんご」とは言葉を覚え使い始めたばかりの人間が扱う言語のことである。にゅほんごは一過性のものであり、いずれその言語を扱っているものたちはすべからく、その言語を忘れてしまう。
これはその希少な言語を調査し、記録したものである。

にゅほんご①はこちら

美味しい→おいしぃ
用例:食べ物を食べたときに発する儀礼言葉。もちろんこれはおままごとでも適用される。イントネーションはおいし↑ぃ⤵である。
コメント:美味しいという概念をはたして獲得し、理解して使っているのか。それは本人ですらわかっていない。ただ、真に美味しいかのようなときは声色が高くなっているような気がする。初めて覚えた言葉。

ミッフィー→ミッピー、ピッピ―
用例:ミッフィーのことを指す。ただ、ミッフィーのようなウサギや目鼻立ちをしているものにもそれは該当する。ミッフィーを視認したとき、それは必ずミッピー(もしくはピッピ―)と言わなければならない。
コメント:ミッフィーの雑貨店に入るやいなや、端から端までミッピー、ミッピー、ミッピーとひとつひとつ丁寧に指をさし確認し言いながら練り歩いた。途方もない作業であった。

これ→こえ
用例:何か物を伝えたいが名前がわからないものの総称である。主に目の前にある何かを指す。必ず指を添える。
コメント:こえ、とは大変便利な言葉で、総じてまだ名のついていないものにたいして万能に使える。

おしっこ、うんち→ち
用例:おしっこ、もしくはうんちが出そうなとき、出てしまったとき、これから出すぞというときなどに言う。
コメント:早まってはいけない。おちついておむつを確認するのだ。出している最中かもしれないのだから。

うんち、おなら→うんち
用例:うんちが出そうなとき、出てしまったとき、今出ているときなどに使う。まれにうんちと勘違いしたおならであることがある。
コメント:おちついて確認するのだ。

ぎゅー→じゅー
用例:人や人形などを抱きしめるとき、事前通告として必ず言わなければならない言葉。
コメント:じゅーと言われたとき、それはまさにいま抱きしめようとしているときなので、じっとそのままで抱きしめられるのを待つ。そしてこちらもじゅーと言って抱きしめるのが礼節である。

車輪のついた乗り物→ブーブー
用例:車のことだが、正確ではない。車輪がついたもの全てがブーブーなのだ。電車やバス、飛行機などほとんどの乗り物の総称である。
コメント:教えてはいない(車など日本語で教えていた)、どこかから同じにゅほんごを話す者から学んだようだ。

どうぞ→どじょ
用例:物をどうぞと渡すときに主に言う。ただし相手が持っているものを相手から自分へとどうぞしてほしい時にも使う。何も手にしていないのにどじょと言われたときは、お前の物をよこせという途端に乱暴な言葉へと変貌するのだ。
コメント:いかなるどじょは受け入れなければならない。拒否することはできない強い力のある言葉のようだ。

パパ→ママ
用例:パパ(お父さん)のことを指す。ママ(お母さん)のことではないが、ママ(お母さん)のことでもあるときがある。きわめて判別が難しい単語である。ママとパパの総称と捉えると便利な言葉でもある。
コメント:パパはママであった。


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