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ひとの魅力に取り憑かれたデザイナーが、インタビュー記事制作を通して「自己満足」の大切さに気づいた話 @derami_no

みんながみんな愛しあえるわけではないこの世界で、ずっと聴いていたいと思える人の話を記事にできるなんて。しかも、信頼するひとたちに応援してもらえるなんて、なんて幸せなことなんだろう。

ラブソルデザイナーの小野寺です。先日公開された、ラブソルのインタビューマガジン「羅針盤のつくりかた」の取材・執筆を担当しました。

「羅針盤のつくりかた」はラブソルゆかりの人物の、働く上での”心の羅針盤”に迫るインタビューマガジン。月に一度程度のペースで刊行を続け、今回で35回目となりました。

今回お話を伺ったのは、大学時代、大変にお世話になった元アルバイト先「志乃ぶ」の店主・近田千秋さんです。

本記事では、そもそもデザイナーである私がなぜ取材・執筆をするのか、取材に至った経緯、記事制作を通して気づいたことを綴っていきます。

「言葉をもデザインできるデザイナーに」 ”デザイナーなのに”取材・執筆をしたい理由

私が人生で初めて出会ったデザイナーは、きらめく言葉を持つひとでした。

そのひとのデザインは、ビジュアルと言葉とが絡まり合って、揺るがない強さを持っていたのです。

その方が、当時作られたクリエイティブ。

「デザイナーってグラフィックソフトを使ってカッコイイものを作るだけのひとなんじゃないの?」 当時デザイナーという仕事に憧れつつも、その世界を遠巻きに眺めていた私にとって、とても衝撃的なことでした。

その方の名前は前田高志さん

「ひとは生まれて初めて見た存在を親だと認識する」と言いますが、前田さんは私にとって、デザイナーとしての私の父のような存在です。

先日、弊社ラブソルの公式ラジオにもゲストとしてご出演くださいました。「言葉」についてもお話を伺ってます。ご興味のある方はぜひアーカイブを聞いてみてください。(2022年6月25日まで)

そんな前田さんはデザインの要素として言葉を編集するだけでなく、記事も執筆されます。それが私は大好きで、まっすぐに心に入ってくる言葉に何度心を動かされたかわかりません。

ビジュアルも言葉も伝える手段に過ぎない
よいデザイナーとは言葉をもうまいひとのことである

これが私の中の”常識”になりました。

ラブソル代表の柴山も、言葉をとても大切にしています。

「言葉は人とコミュニケーションをするツールであるだけでなく、考える時にも必要。言葉はあらゆることの基本である。」

この考えから、これまでも記事を書く機会やインタビュー記事を執筆する機会を、積極的につくってきてくださいました。

私が初めて取材・執筆を担当したインタビュー記事。ミシュランで1つ星を獲得した代々木上原のレストラン「sio」のオウンドメディアにて、ボードメンバーにインタビューをしました。

大切がゆえに遠ざけていた。取材に至った経緯

「羅針盤のつくりかた」は元々、クライアントさんとお仕事をご一緒する中で、その想いに触れたラブソルのメンバーが「これは伝えなくてはならない!」と居ても立ってもいられず記事にしたところから始まりました。

最近では、ラブソルのメンバーや、メンバーの仕事観に影響を与えた人物にもご登場いただいています。

今回私が取材させていただいた、元アルバイト先「志乃ぶ」には、ラブソルメンバーとも何度か一緒に足を運んでいたことがありました。そこで目にした、店主・近田さんの仕事ぶりにメンバーが感動し、「いつか取材させていただきたいね!」と話していたのでした。

近田さんには、大学時代から今に至るまで、本当にお世話になっていて。大学時代には、たくさん叱っていただきました。悔しくて、仕事中にムッとしたことも、仕事終わりに泣いたことも何度もあります。

それでも仕事から一歩離れると、ちゃんと食べているのか? 困っていることはないか? といつも心配してくださる方です。

そんな近田さんにいつか取材をしてみたい。思っていたものの、あまりに大きな存在であるがゆえに、踏ん切りがつかずにいました。きちんと記事にできるだろうか、取材を受けていただけるだろうか、という不安もありました。

「大丈夫だからやってみようよ!」と、一緒に記事を作ってくれる仲間の存在なくしては、今回の取材は決して実現しませんでした。

「自己満足だけではいけないけれど、自己満足でしか人は動けない」 記事制作を通して気づいたこと

いざ制作に入ると、とにかく楽しく、時間も忘れてしまうほど。

インタビュー記事の制作は2度目。不慣れさに多少戸惑うことはありましたが、編集担当である柴山がぴったりと伴奏してくれていたので全く不安はありませんでした。

ただとにかく、

大好きな「志乃ぶ」を、近田さんを知ってほしい
ラブソルのことも知ってほしい
お世話になった常連さんに感謝を伝えたい

そのことだけを考えていました。

ここまでくると、私の自己満足かもしれない。いや、自己満足でしかない。

自己満足では仕事は成り立たない。それは誰でもわかることです。

でも、本当は全ての仕事は自己満足が起点でなくてはいけないとも思うのです。

誰に言われるでもない。やりたくて仕方がなくて、勝手に身体が動いてしまう。その結果、感謝される。感謝のしるしとして、対価をもらえる。それが理想だと思うのです。

「自己満足」ーーそれは「愛」と言い換えることもできるかもしれません。そのエネルギーがいかに強いことか。今回の取材を通して身をもって再認識しました。

仕事で抜け漏れが出てしまう時、つい技術や経験の足りなさに目を向けるけれど、実はそうではないことの方が多いのかもしれません。

愛が欠けている、愛する努力が足りていない、そもそも愛せない。

そのどれかなのではないかという疑いを自らに向ける。明らかになったら、然るべき働きかけを誠実に行うということが大切なのかもしれません。

* * *

インタビュー中、近田さんはこう言いました。

「俺は、ひとが好きだから」

近田さんのすべてはここに集約されるのだと思いました。

私も結局、ひとが好きなのだということにも、気付かされました。

近田さんというひとが、ラブソルのひとが、志乃ぶの常連さんが、「羅針盤のつくりかた」を読んでくださっている方が、大好き。それでしかないのだと。

「ひと」というものはこの世で一番予測がつかないし、一番に私を苦しませる存在です。

それでも、私はひとと繋がる嬉しさを知ってしまったから。ひとの可能性を信じて、愛して、生きていきたいと思ったのでした。



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