ビジネスでの熟達においては、「わかる」ことがとても大切だ @horimotoharu
人はいつまでも学び、成長できる。
為末大さんが書いた『熟達論』を読み、上の言葉に感銘を受けた堀です。
自分の主な業務である動画制作やWEBサイト制作、そして趣味のゴルフ、このどれもに「熟達」がついて回るなと感じています。
本書は、陸上競技で三度オリンピックに出場した為末大さんが、「熟達」をテーマに各界のトップランナーに話を聞き、その中で見つかった共通点をまとめた1冊。
かつて、剣豪 宮本武蔵は『五輪書』で、自身の兵法観・武芸観を地、水、火、風、空の5つの巻でまとめ上げました。まるで現代の五輪書である本書では、熟達の段階を遊、型、観、心、空の5つの段階に分類し、それぞれの特徴をまとめています。
先日、この本で読んだ内容が想起される出来事がありました。
その内容について、堀がお伝えします。
日々、熟達の段階を登っている
1週間ほど前、別のメンバーがつくったWEBサイトを修正する機会がありました。スマートフォンでサイトを見ると、一部の表記が崩れてしまっていたため、その部分を修正したのです。
上下の文字が切れていたので、そこを少し調整すればうまく表示されるようになるだろうと思って作業に取り掛かったのですが、実際はうまくいきませんでした。
そのサイト、見かけはとてもきれいにできています。
調整のために触ってみると、必要以上に複雑な構造でつくられていて、簡単に修正することができませんでした。見た目のずれを調整するために、まずは根本部分を整理し、その後やらなければいけない修正の対応を行う。結果、想定よりも時間がかかってしまいました。
このサイトは、STUDIOというノーコードでWEBサイトを制作できるサービスを使用してつくっています。ノーコードには、誰でも比較的簡単にサイトをつくることができるという利点がある。
コーディングについての知識がなくても、まるでパワポなどで作業をするような感覚でサイトをつくることができます。
しかし、感覚的に作業できるがゆえに、気をつけないと不必要に複雑な構造にしてしまうことがあるのです。
かく言う自分も、STUDIOでサイトをつくり始めた当初は、意図せず複雑な構造にしてしまっていることが多々ありました。しかし、繰り返し繰り返しサイトをつくる中で、「こうしたらもっと良くなるのではないか?」という発見があり、それを少しずつ身につけることでシンプルな構造で構築できるようになったのです。
これは、同じことを繰り返す中で技能を身に着けていく、熟達の段階の一部を登っていたことに気が付きました。
「できる」の先の「わかる」の領域
『熟達論』の中の一文です。
先の例では、見た目に問題ないサイトをつくることはできていましたが、その構造をしっかりと理解することまではできていなかった。構造を理解した、「わかる」の段階に至れていないために、複雑な構造となってしまっていたのです。
ビジネスやクリエイティブにおいては、ただ「できる」だけでなく「わかる」段階にいくことが重要だと考えています。
1つ目の理由は、再現性。
ある時は良いものがつくれたが、またある時は全然想定とは違うものとなってしまった。そんな状態では、クライアントさまに安心して仕事を任せてもらうことはできません。
2つ目の理由は、構造を理解していなければ教えることができないこと。
多くの場合、職場の仲間や部下に自分の仕事や技術を引き継いでいくタイミングがあるはずです。構造を理解せず、ただできるだけでは、教えることができなくなってしまいます。
人はいつまでも学び、成長できる。
長い人生だからこそ、ただ「できる」ようになるのではなく、「わかる」段階まで自分のスキルを磨いていきたいものだと考えさせられました。
堀 基晴▶︎SNS...X
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