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わたしが読みたいこととは、何なのか? @saayoo345

おはようございます。
お盆休みが終わり今日からお仕事という方もいらっしゃるでしょうか。8月も中頃、一雨ごとに季節が進んでいくこの時期がなかなか好きな柴田です。

この挨拶文を書くの、2回目ですが張り切ってまいりましょう。(下書きが消えるという悲しみを経て、私は今ここにいます)


最近話題になっている本、『読みたいことを、書けばいい。』私の周りには文章をお仕事にする方や、書いていきたい方が多いため、発売後からタイムラインに上がっているのをよくよく見ていました。

著者は、大手広告代理店で24年間コピーライターを務めた田中泰延(たなか・やすのぶ)さん。

冒頭からボールをボーーーーーーンとはるか彼方に投げられて、あっちやこっちに行ったかと思えば、突然すっと行儀よく目の前に置かれている。そんな文章がとっても好きなのですが、まさに大好きな文章です。あっと言う間に読み終わってしまいました。

私は、こんな文章が書きたい。(終)



あ、終わらせちゃダメだった。

今から3年前、突然仕事で言葉を扱うようになった私はそれまで全くの未経験だったゆえひと通りの文章術の本を読みまくった記憶がございます。そのうちの何割を覚えているかという感じなのですが、それまでの文章術に関する「いわゆる」をピューっとどこか彼方へやってしまったこの一冊。

「書きたいんだけど何を書いたらいいのかわからない問題」や「文章が上手くなりたい! どうしたらいいんだ!」と悩む方が手に取りやすいでしょうか。

きっとそういう方々が知りたい答えとは、175度くらい違う気がしますが、「いや、そうだよね」と納得してしまいました。テクニックでみんなが上手に書けるようになって、それが全部面白かったらこの世にライターという仕事は必要なくなってしまいますもんね。


仕事柄インタビューという形で、お仕事として文章を書くことがあるのですが、その相手はインタビュー慣れをしている著名な方の場合もあれば、「自分の人生を語ったことなんてない!」という方の場合もあります。

2017年の立ち上げから企画運営を行なっているとある美容院のオウンドメディア。これが私の初めてのインタビューのお仕事だったわけですが、今でも毎月取材をして記事を作っています。それこそ、今まで取材を受けたことがある方は、ほとんどいません。でもとっても好きな仕事。

何のために書くのか、なぜ私が書くのか。答えが見つからないまま小さなトライ&エラーを繰り返している最中ですが、その理由が自分の中でストンときた気がしたのが、この本の一節でした。「感動が中心になければ書く意味がない」

感動。感動…。何かに心を大きく突き動かされた時の瞬発的な勢い。その「わたしを経た言葉」を出すためには感動が必要で、そのためには「愛すること」が必要なのだと書かれています。

それを読んで、私はこの言葉を思い出しました。

僕ね、男性女性関係なく撮っている相手のことを、大好きになっちゃうんですよ(照)。

この部分にとても共感したのですが、私もインタビューをすると、どれだけ短い時間であろうと相手のファンになって帰ってきてしまうのです。

「慣れていないので…」とご本人からしたら拙い言葉だったのかもしれなくても、ものすごく“残る”のは、こういう時に聞く言葉だったりします。

「愛していいのだ、この感動を書くことがいいのだ。」と目の前がクリアになったような気がしました。

余談ではありますが、このインタビューでは稲垣さんの言葉が響き過ぎて取材中にも関わらず泣き、後日原稿を書いている最中にも稲垣さんの独立時の心細さを書いていたら一緒に心細くなって泣く、という珍プレイをかましております。


まだ、ライターの仕事を始めたばかりの頃。取材をさせていただいた方に後日お会いした時に、こんな言葉をもらいました。

「記事を読んだ母から、『頑張ってるんだね、その道を選んでよかったんだね』と、やっと認めてもらえたんだと思います。」と。「この道を選んでよかった。」と。

自ら「こんなに頑張っている!」と口にする人はそうそういない。語るほどでもない平凡な人生だと思ってしまう人も多いかもしれないけど、知らないうちにだいたい頑張っているし、無我夢中の時期を思い返せばきっと愛おしいのです。

「まぁ、悪くなかったかな」と、これまでの自分を好きになれるような。

そんな人たちのこれまでを「読みたい」。だから、私が「書けばいい」んだなと思えました。

結局、何事もなんですねぇ。


このクライアントさんも、事業への愛が溢れ出していてとっても素敵です。先日お食事をご一緒したのですが、オンラインのやりとりだけではわからなかった熱量が、めちゃくちゃ溢れていました(笑)。

メディアに出慣れている方々は言葉が研ぎ澄まされていて、「これ誰が書いても面白いのでは」と思うこともあるのですが、それもまた勉強になることばかり。

情報がたくさんある上での取材になるのでまた違った難しさがありますが、私が感じたもの、私が好きになってしまった部分、その愛情を書いていきたいと、改めて思いました。

愛や夢やと口にしてしまうとチープに感じてしまうけれども、結局ここがないと良い仕事はできないものなぁ。


何を読みたいのか。何を書けばいいのか。

わたしは、その人が自分を好きになれる文章を読みたい。

だから、書くのだ。


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LABOUSSOLE

プランナー / コピーライター
柴田佐世子

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