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2018ミザノGPまとめ その2 ヤマハ&フェナーティ事件[ 2018年9月19日 発行 Vol. 204 ]

コンテンツ目次

【イタたわGPまくら話】
●ロッシvsマルケス握手問題まとめ

・ロッシ「マルケスはローマ法王と謁見したせいで、あんな気分になった」
・マルケス「ロッシは握手してくれると思った…」
・2013年のロレンソはマルケスとすぐ握手した
・偽りの友情より真の敵意の方がマシ
・レッジャーニ「マルケスは2015年の一件について謝罪すべき」

【2018ミザノGPまとめ その2 ヤマハ&フェナーティ事件】
●ミザノ決勝戦を左右した5つの鍵

●ヴァレンティーノ・ロッシ
・好調だったFP4と同じマシンだったのに…
・こんな状態だと分かっていたら契約更改しなかった?
・ヤマハが何を考えているのか良く分からない
・ヤマハにはダッリーニャが必要
・電制システム新部門を設置

●マーヴェリック・ヴィニャーレス
・予選好調、序盤ラップの問題も解決
・去年、ヤマハは22戦優勝できないと言われたら冗談だと思っただろう

●ロマーノ・フェナーティ事件まとめ
・ライセンス停止、殺人未遂容疑、FIM召喚
・フェナーティの言い分
・ステファノ・マンズィの言い分
・ロッシ「フェナーティは、うちの失敗例」
・各選手コメント
・フェナーティ擁護派:バウティスタ、ミール、エリアス
・フェナーティ家に殺害脅迫
・今年のフェナーティ代役は?
・来年のフェナーティ代役は?

【イタたわGPまくら話】

皆さん、こんにちは。
最近は『エアなわとび』に励んでいる管理人のラ・キリコです。

定期的に揚げ物やらイタリアンスイーツを堪能している身ですからね。
ただ「痩せない、痩せない」と書いてる場合じゃありません!

まぁ、なかなか体重に変化はないものの、お腹周りはちょっと締まってきたようなぁぁぁぁ~~~(笑)
と思いながら、つい、また美味しそうなレストランとか物色してしまうんですよねぇ。

でも最近は、ちょっと楽して出来合いのお惣菜を買う時も炭水化物を避けるようにしております。
先日は、魚料理専門のお惣菜屋さんへ行って、いわしのフライ、スズキやアンコウのグリルを買ったりして!
閉店間際だったせいか、けっこうおまけしてくれて…
2日間に分けて美味しくいただきましたよ!

おっと、恒例のモトGPこぼれ話でしたね、はいはい。
今回は、ロッシ選手がマルケス選手の握手を拒否した件について、その後の諸々をまとめてみました。
実は、けっこう長いんですよ。
なぜならば、当初、『こぼれ話』ではなく『本文』として書いてたもんですから。
ところが、『フェナーティ事件まとめ』がけっこうなボリュームになってしまったもんですから、急遽、大サービスで『こぼれ話』にしてしまいました!

んでは、どうぞ。

ロッシvsマルケス握手問題まとめ

・ロッシ「マルケスはローマ法王と謁見したせいで、あんな気分になった」
さてさてさてさて…
今回のミザノGPでは、いきなり起きてしまったマルケスvsロッシ握手問題…

(ブログ関連記事:ロッシ、マルケス握手を拒絶:2018ミザノGP

まず、なぜ握手を拒否したのかと言う点について、会見後、ロッシ選手がこう説明してました。

「僕らの間に問題はないんだから、握手をする必要などないでしょう。
なんだか残念な状況になってしまって…
ちょっと『ブルース・ブラザーズ』のジョン・ベルーシみたいな感じがしましたね…教会の中に入っていったら、光が差し込んでいるのが見えた…みたいな。

もしかしたら、マルクはローマ法王と謁見したせいで、そう言う気分になったのかなぁ。
まぁ、(マルケスには)気の毒ですけどね。でも、僕にも選ぶ権利があるから。
重要なことであるべきではないんですよ。僕らの個人的な関係は、他の人間の興味の対象になる必要はないんです。僕ら2人にとってのみ重要なことなんだから。
僕らにとって、唯一、重要なのはプロフェッショナルとしての関係だけだと思うんです。
2人とも2輪レーサーで、レースで一緒に走るわけだから、重要なのはトラックに出た時に平静でいられるかどうかでしょ。
そう言った意味では、僕は(マルケスに対し)何の問題もありません。
それ以外のことを話題にするのは時間の無駄だから。
AとではなくBと一緒に晩飯に行くべきだなんて、どこにも書いてないでしょ。皆、同じなんだから。」

・マルケス「ロッシは握手してくれると思った…」

と言うわけで…
せっかく差し出した手を拒否されてしまったマルケス選手なんですが…
会見の後、それほど動揺している風もなく、こう言ってました。

「(会見で関係修復や握手について)質問された時、(ロッシは)OKしてくれるって思ったんですけどねぇ。
残念です。でも、まぁ、これで良かったんじゃないんですか。
もう一度言いますが、アルゼンチンの件は僕のミスだったときちんと言っているし、謝罪もしました。
まぁ、これで人生終わりってわけじゃないから。
タイトル争いでは順調だし、総合首位を固持しつつミザノ戦を迎えることができ、現在、僕自身も好調ですしね。
ブーイングされてしまったら『アーメン』って感じですよ。ここはそれなりの雰囲気だってことは分かってるんで、覚悟してます。」

ちなみに、この一件についてロレンソ選手が、「ロッシもマルケスもどちらも間違っている」って言ってたじゃないですか。

(ブログ関連記事:ロレンソ『ロッシもマルケスもどちらも間違っている』2018ミザノGP

一応、ロレンソ選手の同コメント、もう一度書きますね。
こちら。

「僕としては、2人とも間違ってると思います。
ヴァレンティーノは握手しなかったことが間違いでしょう。プライドが高すぎるんだと思うんですよね。あれじゃあ、子供みたいでしょ。
特に、自分のファンに向けて『表彰台やサーキットでライバル選手にブーイングをしないように。誰もブーイングされるようなことはしてないのだから』と言う機会を逸したと言うのが間違いですよ。
マルケスが間違っている点は、ヴァレンティーノの行動に振り回されすぎてるってところでしょう。己の道を貫き、進んで行くべきなんですよ。
挨拶したくないとか、握手したくないって言うなら、それで良いじゃないですか。よくあることなんだし、己の道を進むべきなんですよ。そう言う意味において、間違ってるんでしょうね。
でも、あくまでも僕の個人的な意見だから。それぞれ、何をすべきかは自分で決めることだし。」

で、これに対して、マルケス選手、早速、返答しておりました。
こう。

「そう言うことばかり考えて時間を無駄にはしていないので、(ロレンソに)心配してもらわなくて大丈夫です。」

そして、こんなゴタゴタがあったにも関わらず、結局、2位を獲得したマルケス選手…
レース後、こう言ってました。

「影響ないですね。2015年に、もう色々なことを乗り越えてきてるんで何の影響もないです。
むしろ、その反対にモチベーションが上がるぐらいで…今週末もそうだったでしょ。かつてないぐらい集中できていたし、良いレースをしてたじゃないですか。」

・2013年のロレンソはマルケスとすぐ握手した
ちなみに、6日の木曜会見の後、スペインサイト『AS』に早速、
『ロレンソは2013年ヘレス戦の事故後、マルケスと握手していた』って記事が出てました。

あぁぁ~はいはい…
マルケス選手がまだルーキ選手だった時、5月5日のヘレス決勝戦の最終コーナーでロレンソ選手を抜い際に接触し、コースアウトさせてしまったって件ですね。
しかも、その最終コーナーって言うのが、ちょうど、このヘレス戦直前に『ホルヘ・ロレンソコーナー』と命名されてたんですよねぇ。

で、結局、この時は1位ペドロサ、2位マルケス、3位ロレンソ選手だったんですが…
ロレンソ選手はパルクフェルメでも表彰台でもマルケス選手のことを無視し続けたんですよ。
もちろん、マルケス選手はヘレス戦の後すぐにロレンソ選手と和解しようとしたんですが、結局、ロレンソ選手の怒りは収まらず…

でも、その次のル・マンGPの会見では仲直りの握手をしたわけです。

で、同記事には《1戦後に握手するロレンソに、3年経ってもしないロッシ…》って書かれておりました。

・偽りの友情より真の敵意の方がマシ
で、イタリアメディアの方にはそう言う記事は出てなかったんですが…

この道20年のザマーニ記者なんかは、ロッシ選手は握手しなくて正解…と書いてました。
こちら。

《個人的には、120%ロッシの意見に賛成である。
トラックで互いに配慮すれば良いと言うのは正しいだろう。重要なのはそこであり、それ以外は2人だけの問題なのだ。
良くも悪くも、ロッシはマルケスから大きな被害を被ったと認識してしまったのだ(いまさら蒸し返しても無意味な話だが)。
ロッシの意見の是非については、それぞれの考えがあると思うが、私としては握手をする必要はなかったと思う。
2016年バルセロナ戦であの2人の間に生じた、ある種の和解に反することなのかもしれないが、しかし、あの時の握手はルイス・サロムの死があったからこそ生じたものであり、あの2人が根本的に歩み寄ったからではないのだ。
2015年の一件以来、ロッシはマルケスに対する意見を変えてはいないし、今年のアルゼンチンでの一件のせいで2人の間にはまた距離ができてしまった。
あの会見でマルケスと握手するのは偽善的であり、TV映えするだけの話だっただろう。
偽りの友情よりも、真の敵意の方がマシではないか。》

ちなみにロッシ選手…
かつての宿敵マックス・ビアッジ元選手に対しては、ちょこちょこ握手してるんですよね。
例えば、こちらの写真は2000年のバルセロナ戦の表彰台です。

ただし、当時から両者とも『心のこもった握手』ではないと見なされてきたんですけどね。

で、ロッシ選手…
マルケス選手に対しては別の姿勢を貫くことにしたようだと言われております。

んで、このロッシ選手の握手拒否により、両選手の対立は公のものとなった…なんて、某イタリアサイトが書いてました。
ちなみに、あの会見で握手するよう促していたのって、スペイン人記者さんなんですって。

・レッジャーニ「マルケスは2015年の一件について謝罪すべき」
さて、ローリス・レッジャーニ元選手がこの握手問題について一家言をもっております。
え~と…
同問題が起きた直後に発言したものですね。

じゃあ、質疑応答形式で行ってみますか。
ほい。

【今回の握手問題については?】
「ロッシとの関係を修復する前に、マルケスは2015年の一件について、全世界の2輪レースファンとの関係を修復すべきでしょう。
まずは、あの時の行いを謝罪すべきなんですよ。ファンは今週末、ミザノにブーイングしに行くだろうけど、ただ、いまや世界中のサーキットでブーイングされてるわけでしょ…オーストラリアでまでね。」

【ロッシvsマルケス選手の対立の始まりは…】
「2015年のオーストラリア決勝戦で、当初、私はマルケスがロッシ相手に走ってるなんて信じませんでしたよ。
ところが、タイム表をじっくり見返してみたら疑いようがなかったですね。
マルケスは集団戦になるよう減速して走ってたんです。
結局、総合優勝したのはロレンソで…まぁ、タイトルって言うのは空から降ってくるものじゃないから。
とにかく、あのレースでロッシは10ポイントロスしてしまったんですよ。ロレンソよりも7ポイント下でしたから(※同戦ではロレンソ2位で20ポイント、ロッシ4位で13ポイント)。
ロッシにしたらマルケスやイアンノーネの後ろで3位でも(ポイントとしては)OKだったのに、(マルケスは)自分の後ろに3人割り込ませてロッシを3位から4位にしたって話なんじゃないんですか。
そして、その後のセパンでの一件は世界中が見ていたわけで…ロッシが木曜会見で言ったことを別にしてもね。
最後のヴァレンシア決勝戦では、マルケスはロレンソを一度も攻めることなく、モトGP参戦以来初めて自分のラインだけをひたすら走り続けたわけだ。」

【もしそうだとしても、なぜマルケス選手はそんなことをしたと思う?】
「ロッシが10回目タイトルを取ったら、将来的にマルケスが記録を更新するのが厄介だからって説はないでしょう。
私は、アルゼンチンとアッセンでの件に対する報復としてやったんだと思いますね。
アルゼンチンでの転倒はロッシのせいだと思っているわけだし、アッセンではロッシに優勝をさらわれたと思ってるんだから。」

あぁぁ…
これだけ話が遡ると、さらに複雑になってしまいそうですねぇ…

おっと、長い長い『こぼれ話』になってしまいましたねぇ。
そろそろ、『ミザノGPまとめ その2』に行きましょうか!
今回はヤマハと…
例のロマーノ・フェナーティ選手のブレーキ事件をねっとりまとめてみました。
まぁ、どうぞ、どうぞ。

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