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ヴィニャーレス 『実力を発揮できないなら移籍する…』

・ロッシが優勝すると思ってた

今回のセパン戦では、ドライコンディションのFPセッションではずっと好調だったのに(FP3首位、WUP首位)、ウエットの予選では途端に調子を落とし、グリッド11位スタートとなってしまったマーヴェリック・ヴィニャーレス選手…
予選後は、こんな愚痴も飛び出しておりました。

「チームはウェット用のベストマシンを用意してくれないと…でなければ、常に首位と2秒差になってしまうじゃないですか。
リアのグリップがなくて、各コーナーで転倒しそうになってたんですから。
ロッシとザルコはもっと前からのスタートでしょ。だから、言い訳はできないんですよ。
あの2人はウェットで常に前に出てるのに、僕は後ろなんだから。
僕はこれまでウェットでいつも速かったんです。でも、ロレンソがこのマシンに乗ってた時は、ウェットで良かったためしがないじゃないですか。
ところが、今はドゥカティ機で速くなったでしょ。」

で、ヴィニャーレス選手、レース本番では珍しく好スタートを切り、ご本人も「今シーズン1番のスタートだったと思う」と満足しておりました。
順位を上げはしなかったけど、でも、落としもしなかったって。

ただ、その後、ドゥカティ勢の後ろについてしまい、抜くのに四苦八苦してたんですよね。
バウティスタ選手の後ろを4~5周走ることとなってしまい、「あれで表彰台を逃してしまったでしょうね」と。

まぁ、確かに、グリッド11位スタートで最後は4位まで追い上げたんだから、もっと前からスタートして序盤ラップでスイスイ進んで行けてれば優勝争いができるペースは出てましたよね。

と言うわけで、ヴィニャーレス選手、全体的には満足しております。
以前よりコンスタントなセッティングも見つかったそうで…ただし、まだまだ手を入れる必要はあるそうです。

あぁぁ…やっぱり、セッティングなんですね。
ロッシ選手もそう言ってましたもんねぇ。

ちなみに、そのロッシ選手の転倒については、ヴィニャーレス選手、こう言ってました。

「ヴァレンティーノが優勝するもんだって思ってたんですよね。
今週末はずっと、僕ら2人とも似たようなリズムを出していたし、日曜日になるとヴァレはいつもプラスアルファの力を出してくるから。」

さて、次のヴァレンシア最終戦ではロッシ相手に総合3位争いをすることとなったヴィニャーレス選手なんですが…
こんな風に言っております。

「予選に集中していかないと。今のタイヤだと前からスタートして、目の前に障害がない状態で走るのが重要なんです。そう言う状態だと、うちは速いですからね。
誰かの後ろにいるとタイヤがオーバーヒートしてしまい、抜くのが難しくなるんですよ。」

・2019年はエンジンだけを変えたい

あと、最近のヤマハ機の戦闘力の高さについては…
ヴィニャーレス選手、こう言っとります。

「ヤマハ機にとっては良いことですよね。
僕はフィリップアイランドで優勝し、今回だって優勝のチャンスはあったんだから。」

そうそう、ヤマハ機と言えば…
ヴィニャーレス選手は来年に向けて、実に考えがはっきりしてるんです。
こんな感じ。

「2019年版マシンに関しては1点だけ変えたいと思っていて…エンジンなんですよね。
エンジンブレーキを増強したいんです。今はコーナーで膨らんでしまうもんだから。
特に、コーナー進入を改善したいんですよ…アクセルを最初に開いた瞬間について改善していかないと…あれでタイヤを痛めてるんでね。
つまり、フレームの方は実に良く機能してるってことです。マシンの残りの部分は完璧ですから。
エンジンの問題が解決したら、飛躍できると思うんですよね。」

んで、レースの2日後、20~21日はヴァレンシアテストとなるわけですが…
ヴィニャーレス選手、「新エンジンで走れるんですよ」って楽しみにしております。

まぁ、現在のエンジンは低回転域では少し荒々しい感じなんで、もう少しソフトなものになるようなんですが…

・実力を発揮できないなら移籍する…

実は、ヴィニャーレス選手、1日(木)に、こんなことを言ってたんです。

「もちろん、僕はヴァレに反対する気はないです。結局のところ、ヴァレは史上最強ライダーの1人で、去年、ヤマハが彼の経験を重視しようと思ったのは当然ですから。
総合順位でだって僕より上で…つまり、ヤマハ勢トップなんですから。
ただ、操縦の仕方が僕とは違うんですよ。多分、ライディングスタイル自体はそれほど違わないのかもしれないけど、でも、僕の感触としては違うんです。」

と言うわけで…
実はけっこう前からヴィニャーレス選手はヤマハ幹部陣に、自身の実力が発揮できるようロッシ選手とは違うマシンに乗りたいと要請してるんですよ。
しかも、ブリーラム/フィリップアイランドで好リザルトを出してるんで、けっこう強気なんです。
ヴィニャーレス選手、ここまで言っとりました。

「2019年にマシン改善のサポートをしてもらえるようなら、このまま続けていきたいですね。
でも、僕の実力を最大限に活用できないようなら、そうできる所に行った方が良いでしょ。」

う~ん…
ヤマハとしては、25戦もの『優勝なし記録』を打破してくれた選手に移籍なんてされたくないだろうし…
かと言って、今回、転倒したとは言え、大活躍していたベテランライダーを無下にもできないだろうし…

ヤマハ危機一髪か…なんて思ったら…
ロッシ選手は慌てず騒がず、こう言っております。

「来年、僕とマーヴェリックのマシンがかなり違うものになるかどうかは分かりません。
ただ、違ったとしても問題にはならないでしょ。ヤマハはそれぞれの選手に異なるマシンを提供することぐらい、わけないんだから。」

・ロッシもストレスを感じている…

あとねぇ…
リン・ジャーヴィス氏(ヤマハ・マネージングディレクター、写真上)が、ヴィニャーレス選手の意見にあまり賛同してないんですよ。
こう言ってましたから。

「確かに、マーヴェリックはストレスを感じ、(改善を)いくつか求めているようだが…
しかし、ヴァレンティーノだって同じ要求を出したっておかしくないわけですからね。
マーヴェリックだけの問題ではなく、2人の問題なんですよ。
確かに、複数作ることのできないコンポーネントがあって…例えば、エンジンとかね。
これは、変えることはできないものなんですよ。1つしか選べないのだから。
つまり、シーズンの初めに適正なものを選ぶことが大変重要になってくるわけです。
それ以外、大体のものは各選手に合わせて調整・改善できるんですがね。
うちがマーヴェリックの意見を聞かないなどと言う事実はありませんよ。
両選手の意見を聞いているし、両選手ともストレスを感じてるんです。」

まぁ、エンジン以外なら、両選手の好みが一致しなくても大丈夫なわけですが…
万が一、エンジンの選択で対立した場合が問題なのか…

とにかく、来年のヤマハは色々と変化がありまして…
ヴィニャーレス選手のチーフメカニックはエステバン・ガリシア氏(現在、ブラッドリー・スミス担当、写真下)に替わり…
現在、ヴィニャーレス選手についているラモン・フォルカーダ氏(チーフメカニック)とウィルコ・ズィーレンベルグ(コーチ)は、フランコ・モルビデッリ選手を担当することとなります。
あと、テストライダーとしてジョナス・フォルガー元選手が加わり…
イタリア拠点の電制システム部門も設置されるんです。

それから…
リン・ジャーヴィス氏によれば、新しいエンジニアも何名か加わるそうで…ただし、どこの部署に加わるかはまだ秘密だそうです。

う~ん…
来年のヤマハは、上手くいってくれると良いですね!

参照サイト
『SKY』2018年11月1日~11月4日放送分
『SKY』 http://bit.ly/2EKYI9G,
『Gpone』 http://bit.ly/2z4tG7w,
『Motorsport.com』 http://bit.ly/2zMauuM, http://bit.ly/2RQIJJ4, http://bit.ly/2DzNeV3,
『Corse di moto』 http://bit.ly/2DAwnBQ, http://bit.ly/2JWW67L,
『Sport fair』 http://bit.ly/2qGEcNN,
『Marca』 http://bit.ly/2T84oxU,

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