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2018セパンテストまとめ2 ヤマハ[ 2018年2月15日 発行 Vol. 175 ]

コンテンツ目次

【イタたわGPまくら話】
●ジョナス・フォルガー、レーサーをやるにはメンタルが弱すぎた

・セパンが『審判の日』になるはずだった…
・才能だけでは駄目

【2018セパンテストまとめ2 ヤマハ】
●最終日、謎の失速の原因は?

・マシンの戦闘力は高く、ライダーも満足しているが…
・エンジニア推論「暖め直しはヤマハに向かない」

●謎の失速、電制システムが原因かも?

●フレームは2016年版に戻したのか?
・結局、2種類のフレームを試し、好調!
・フレームは完全に2016年版と同じなの?

●ヤマハのウィングが一番抜け目ない
・ヴァレンシアテストのヤマハウィングは規則違反
・ヤマハ最新ウィングは認可されるのか?

●エンジン一歩前進

●ブリーラムテストについて
・意味のないテストになるかも…

●テック3、セパンテストまとめ
・エルナンデスはどうだった?
・なぜザルコは2016年版フレームに戻したのか?
・テック3初、ファクトリーと同じウィング!

【イタたわGPまくら話】

皆さん、こんにちは。
隣家の大々的な改装工事は相変わらず続いていて、少し慣れてきたかもしれない管理人のラ・キリコです。

いや、でも、もちろん、静かな方が良いんですが…
ただね、イタリアの条例により工事開始は朝8時からって決まってるもんですから…
昨年のアジア/オセアニア戦以来、すっかり昼夜逆転してしまっていたので、これでまた朝型に戻れるんじゃないかなって期待もしてるんですよ。

おっと、枕話恒例のモトGPこぼれ話でしたね、はいはい。

ジョナス・フォルガー、レーサーをやるにはメンタルが弱すぎた

・セパンが『審判の日』になるはずだった…

さて、今回の本文はセパンテストでのヤマハ特集ってことで…
テック3についても、色々と書いておきました。

まぁ、テック3の話題と言えば、まずはジョナス・フォルガー選手ですかね。

セパンテストの3週間ほど前、フォルガー選手はエルヴェー・ポンシャラル氏(ヤマハテック3チームマネージャー)と電話で話し、「体調も良いし、スポーツも色々とやっている。早くマシンに乗りたくてウズウズしている」って言っていたそうなんです。

ところが、その1週間後、ポンシャラルマネージャーはボブ・ブーム氏(フォルガー選手のマネージャー)から、フォルガー選手の2018年シーズン完全欠場を告げられるわけですね。

理由については、その後、フォルガー選手がこんな声明を出してました。

「期待していたような回復が望めませんでした。モトGP機で限界ギリギリの操縦ができる状態だとは思えません。」

フォルガー選手がギルバート症候群を患い、身体に力が入らず苦しんでいたのは周知の事実なんですが…

(ブログ関連記事:ジョナス・フォルガー診断、ジルベール症候群  )

ただ、完全欠場を決めたのは体調面による理由と言うよりは、むしろ、精神面の方なんじゃないかって意見も出てまして…
フォルガー選手のチーフメカニック、ニコラス・ゴヨン氏が、こんなことを言ってるんですね。

「ジョナスは精神面でかなり大きな問題を抱えていたんです。
何年も前からのことなんですが、昨シーズンはどんどん問題が大きくなってしまって。
それでも、私達全員、必ず良くなってくれるって思ってたんですけどね。
カウンセラーにも話を聞いてもらっていたし、メンタルトレーナーを付けてみることにもしたんですから。
だから、そう言った治療が始まってからは、きっと良くなってくれるだろうって思ってたんですよ。
実際、私達はセパンテストを心待ちにしてたんです。
昨年秋の茂木戦以降、欠場するようになり、今回のセパンはいわゆる『審判の日』になると思ってたわけですから。
ところが、そのセパンテストの前に崩れてしまったと言うわけですよ。」

・才能だけでは駄目

ちなみに、フォルガー選手と言うのは、2009年に15才で125ccクラスデビューを果たし、わずか4戦目で表彰台を獲得(ル・マン、2位)…
結局、総合12位となり、『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』に輝く期待の新人だったんです。

ただ、やけに浮き沈みがあり、なかなか順調に結果を出しては行けず…
一緒に働いた人達の多くが、「プロレーサーをやるにはメンタルが弱すぎる」と評していたんだとか。

しかも、その後、両親は離婚するは、19才で知らないうちに父親になってしまうは…
落ち着いて、コンスタントにリザルトを出して行けるような状況にはなかなかならず…
フォルガー自身が、自分のことを信じきれない…と言う状況になってしまってたんだとか。

ゴヨンチーフメカニックが、こんな話もしてました。

「去年、ザクセンリンクで表彰台を獲得しても、ジョナスはふっ切れなかったんです。
ふっ切れないどころか、今度は自分で自分にプレッシャーをかけてしまってね。
もしかしたら、こう言う好成績を取るにはあまりに早すぎたのかもしれません。
それ以降、ジョナスの調子はガクッと落ちてしまったんですから。
まるで、モトGPのトップ選手らを倒す力があるなんて信じたくないとでも言った感じでした。
ロッシやマルケスの間近で走るなんて、ジョナスにとってはクリスマスのおとぎ話みたいなものだったんです。
闘士スピリットなんて持ち合わせてなかったですね。ザルコがすぐに見せつけていた、あの闘士スピリットなんてねぇ。
こう言うレベルまでくると、もう才能だけでは駄目なんですよ。」

と言うわけで…
ポンシャラルマネージャーはフォルガー後任探しに奔走し、セパンテストはザルコ選手のみでやるか、もしくは、ヤマハの日本人テストライダーを出すかで思い悩み…
結局、ジョニー・エルナンデス選手を参加させたと言うわけです。

まぁ、エルナンデス選手ならモトGPの経験もあるし、まだその時点ではSBKの『Kawasaki Pedercini』チームとの正式契約も交わしてなかったし…

おっと、そろそろ本文の方を始めますか!
今回は、セパンテストのまとめ『その2』ってことで…
ヤマハについて、ねっとりまとめてみました。
最終日の謎の失速の原因は何だったのか?
新ウィングは承認されるのか?

んでは、どうぞ!

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