ジャズピアノアドリブ演奏の教科書 第2回
1回目の練習をしっかり取り組んだ後、進んでください。経験的に1か月はかかるはずです。急いで先に進んでも進歩はないので注意。
1 少しずつ練習が変わります
前回は、右手だけでソを弾く練習
目的は
1 聴く(聞こえるでなく、弾きたい音か区別できる)
2 テヌートを感じる
の2点でした。
別の言い方は
♪ ゆっくりな感じで聞いていて、気持ちよくなる
♪ スイングのリズムで、自然と体が揺れる
となります。
今回は、ソだけでなく、コードのルートを弾く練習です。
前回の最後に以下の表を示しました。
それぞれのコードに対して、一番左側の構成音がルートです
Cm7 なら C(ド)
D7 なら F(ファ)
コードのルートを使って以下の楽譜練習をしてみましょう。
左手はなくてかまいません。メトロノームを利用しながら、60の速度です。ゆっくりのスピードで
テヌートで弾いているかを、確認しましょう。
また、弾いている音(ルート)の響きを肌で感じましょう。
※「肌で感じる」って抽象的ですね
今後アドリブで、音を乗っけていくにはルートの音にどの音を乗っけるかが大事になります。具体的にはルートと乗っける音のハーモニーがいい音か悪い音かに分かれるのです。
左手で、低い音のドを押し続けて、右手で ミ ソ などはいい響き、その他いろいろな音符を鳴らしてみてどんな響きになるか試してみましょう。詳しくは、3か月目でトレーニングします。その土台がルートの音なのです。
「今私はルートの〇を弾いているんだ」と言うのを肌で感じてみましょう。
メトロノームを鳴らしながら、最低30分は練習してみましょう。
「音と音の間に空間ないかな???」
「全部の音の大きさ一緒かな???」
じっくり聴きながら練習しましょう。
2 練習と並行して理論 コードの構成音
以下のコードの構成音の度数は分かるでしょうか
C7 1 3 5 ♭7
Cm7 1 ♭3 5 ♭7
CM7 1 3 5 7
CmM7 1 ♭3 5 7
Cm7♭5 1 ♭3 ♭5 ♭7
Cdim 1 ♭3 ♭5 6
よく出てくるこのコードについては理解しておきましょう
なおセッションなどの会話では♭は省略することが多いです
例
C7の7度 と言ったら♭7
(正確には C7の♭7度)
Cm7の3度 と言ったら♭3
(正確には Cm7の♭3度)
以下の説明では♭○度の♭は省略してます
3 ルートで弾いていた練習を 3度で練習します
大切なことは指の練習ではなく
響きを感じる練習
です
私は今〇度を弾いているんだ
○度はこんな響きなんだ
を感じましょう
毎度の事ですが
メトロノームを鳴らしながら、最低30分は練習してみましょう。
「音と音の間に空間ないかな???」
「全部の音の大きさ一緒かな???」
じっくり聴きながら練習しましょう。
中級になると、続けて弾く2つの音の繋がりも感じて欲しいのですが、今は弾いた一つ一つの音の響き(音のカラー)を意識して下さい
4 更に 5度 7度の練習も
(Gmは7度はないので、練習のためにGm7の7度を入れてます)
5 最初にルートの音、続いて3 5 7の音が続いてます
これは大事な練習です
以下の説明を読んで取り組みましょう
毎度の事ですが
メトロノームを鳴らしながら、最低30分は練習してみましょう。
「音と音の間に空間ないかな???」
「全部の音の大きさ一緒かな???」
じっくり聴きながら練習しましょう。
6 大事なことがあるんです
楽器店でアドリブ入門書を見ると上の練習をひたすらやるテキストがあります。大変大事なことですが、目的は何でしょう。
入門書によっては、 1度3度5度7度 の次は 3度5度7度1度 のようになってたりして、指の練習になっています。大事とは思いますが、もっと大事なことはなぜこの練習をやっているのか?
目的が分からないと、練習になりません。