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ジェネリック医薬品が足りません~私の研究テーマの動機~

先日、私が在籍する大学院のM2の先輩方の研究発表会がオンラインで行われ、心身相関をテーマとした多様な分野の研究を拝聴することが出来ました。
社会貢献の側面がある研究も多く、非常に感銘を受けました。
来年、自分はあの場で、研究を発表できるのかなぁ???不安でしかありません。

私の修士論文のテーマは、医薬品卸売会社の営業担当、MS(Marketing Specialist)の職業性ストレスが及ぼす心身への影響~脳腸相関に着目して~というぱっと見、難しそうなタイトルですが、要はMSのストレスと腸内環境を調べようというものです。

なぜこのテーマにしようと思ったのか?

かれこれ1年以上、ジェネリック医薬品は供給不安状態であり、常に薬局でも、なにかしら欠品している状況が続いています。医薬品を医療機関へ迅速に手配し、供給する役割を担っているMSは、欠品しているジェネリック医薬品の代替え手配などの業務に追われており、薬局担当者によると、業務が増え、疲労感を訴えるMSも増えているとのことでした。

文献を調べたところ、MR(製薬メーカー営業 Medical Representative)の職業性ストレスの研究はあったのですが、MSはありませんでした。
また、脳と腸は、自律神経系やホルモン、サイトカインなどを通じて、密接に、相互に関係しています。ストレスで、腸内フローラのバランスが崩れる報告もあります。このことから、腸内環境を調べてみようと思い立ちました。

ジェネリック医薬品の欠品が続く状況の発端となったのは、小林化工の不祥事です。

水虫の薬に睡眠導入薬が混入し、200人以上に健康被害を及ぼし、2名がお亡くなりになりました。
小林化工は、国が承認していない製造工程で、長年、不正を行っていたことが判明したため、他のメーカーも自主点検を実施したところ、ジェネリック医薬品メーカーの大手、「日医工」をはじめとする複数メーカーで、製造工程での問題が発覚し、業務停止命令が出され、次々とジェネリック医薬品の出荷が止まりました。
ひとつのメーカーの医薬品の製造が止まった場合、別メーカーの同じ成分の医薬品を代替えとするため、注文が殺到します。
また、ジェネリック医薬品は、原価を抑えるため、お薬の原材料を中国やインドなどに頼っており、コロナ禍の航空便の規制で、さらに事態が悪化しました。

発端は、製薬メーカーの不祥事ですが、ジェネリック医薬品は、薬価が安く、メーカーにとっては薄利商品です。しかも、原油は値上がりしているのに、薬価は下がるばかり。ジェネリック医薬品メーカーは、欧米と比較すると、小規模のメーカーも多いことから、いつこのような状況が起きてもおかしくなかったのではないかと思います。

薬局で、お薬の変更をお願いされることも多いと思います

ものによっては、飲み方や飲む量も変わることがありますので、薬局で渡された説明書を良く読んで、服用しましょう。
また、効果、副作用なども、成分は同じですが、添加物の違いなどから、従来のものと違ってくる方もまれにいらっしゃいます。ご自身のカラダの状態をよく観察するようにしましょう。

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