見出し画像

大麻について正しい知識を持とう

イケメン俳優の永山絢斗さんが、大麻取締法違法で逮捕されました。NHKのドラマなどで、爽やかな好青年というイメージだったので、非常に残念です。

大麻は中毒性が低いと報告され、海外では医療大麻としてあるいは嗜好品として合法化されています。そのため、大麻使用に対して安全だという間違った認識が広がっています。このような大麻に関して誤った知識が拡大する要因として, 大麻の薬理作用が多様であり、いまだに全容が解明されていないことが背景にあるようです。

嗜好品としても合法化されているのは、カナダやウルグアイ、アメリカの一部の州ですが、いずれも、蔓延化し、規制が難しくなっています。
合法化して大麻を政府の管理下に置くことで、購入者の年齢確認を行い、未成年者の利用を防止することができます。違法な流通の場合は、犯罪組織の資金源となりえますが、合法化すれば、大麻にかかる税金が、収入となります。「安全だから」という理由ではありません。

世界保健機関(WHO)は大麻を精神毒性、依存症がある有害なものとして評価しており、国際条約上も大麻はヘロインと同様の最も厳しい規制がかけられています。

大麻に含まれる代表的な成分は、高揚感や意識の変容を引き起こすTHC、精神作用を示さない CBDです。 CBDは、アメリカでは、希少な小児てんかんへの適応が承認されたため、医療への応用につ いての関心が高まっています。
つまり、医療用というのは、大麻そのものではなく、大麻の中で精神作用を示さない成分、CBDのことなのです。

大麻事犯の検挙人員 厚生労働省HPより

現在、30歳未満の若い世代の大麻の検挙率が半数を超えています。
しかし、若い世代ほど、大麻は、悪影響を及ぼします。

25歳頃までは脳が発達するため、大麻の害を受ける可能性が高いとされています。10代で大麻を使用しはじめ、定期的に長期間使用すると中毒になりやすく、メンタルヘルスに害を及ぼします。大麻を頻繁に使用する10~20代の若者は勉強が困難となり、高校や大学を中退する可能性が高いことが研究で分かっています。

合法とされているカナダでも、未成年では禁止されています。

また、「合法の国に行って大麻を使用すればよい」という声もありますが、
日本人は海外においても日本の法律が適用されます。日本の大麻取締法は、国外においても大麻を栽培、所持、譲受(購入を含む)を行うことは違法であり、処罰の対象となる規定があります。

麻薬などの薬物を取り締まる「マトリ」
薬剤師が多いということをご存じですか?

私たち薬剤師は、薬物についても、正しい知識を広めていかねばならないと思っております。

参考:
厚生労働省HP
カナダジャーナル 大麻(マリファナ)が合法のカナダで日本人留学生が知っておくべきこと
三 島 健 一、入江圭一:Symposium Review 大麻成分の中枢効果 有用性と危険性 薬学雑誌 140 193-204 (2020)
  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?