見出し画像

上手に乗り切ろう更年期③~漢方薬~

先日、私の子ども会仲間が薬局に処方箋を持ってきてくれましたが、私と同世代なため、お年頃でいろいろ症状がでている模様。妹も、「わたしは軽いから」と言っていましたが、こちらも同じく更年期症状だと気付いていませんでした。
更年期症状、いろいろあります。

ホルモン補充療法、エクオールもありますが、実際に更年期症状への対策として、まず思いつくのは、漢方薬ではないでしょうか?

漢方と更年期症状は相性が良いです。検査では異常がないが、本人はツライ症状があることを不定愁訴というのですが、その治療は、漢方薬が適していると思われます。
独特の考え「気・血・水(き・けつ・すい)」から不調を探ります。「気」は、生命活動の原動力、「血」と血液は、ほぼ同じ概念で、栄養素を全身に巡らせるはたらきがあります。「水」はリンパ液や汗、鼻水など管外の体液のことです。

さらに証という体質部分の考え方を加えて、漢方薬が処方されます。虚証は、体力がなく、風邪をひいても長引く人、実証は体力があって、かぜをひいてもすぐ治る人、その中間が、中間証です。
漢方薬は、歴史があり、副作用が少ないお薬ですが、すぐには効かないものが多く、体質によって同じ症状でも効く効かないがわかれます。

婦人科系では、三大漢方薬といって、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」があります。

「血(けつ)」の量が少ない、もしくは薄い人は体のすみずみまで栄養素や熱が行き届きません。その結果、冷えや生理が遅れるなどの症状が現れます。また、大切な「血(けつ)」がうまく体中をめぐらなくなると、水分代謝も悪くなり、体の余分なところに水分がたまり、その水分が体を冷やして冷えを引き起こします。

当帰芍薬散は、全身に大切な栄養素を与え、血行を良くするのと同時に、水分代謝を整えることで余分な水分を体からとり除いて、足腰の冷え症や生理不順を改善します。

体質的には、虚弱体質の方向けの漢方薬です。下半身が冷え、頭痛やめまい、肩こりがある方におススメです。

加味逍遙散は、「血(けつ)」の不足から「気」が余り、たまった「気」が熱に変わってさまざまな症状を引き起こしている方に向いている処方です。
気」が熱に変わると、暖房で暖められた空気と同じように、体の上に上がっていきます。「加味逍遙散」は、この上昇した「気」を下に降ろして全身にめぐらせるとともに、たまった熱を冷やし、さらに、不足している「血(けつ)」を補うことで、体のバランスを整える漢方処方です。とくに、「肝」に異常があり、交感神経が興奮したことによるイライラ、不眠症などの中高年女性の方の神経症状によく用いられます。また、自律神経を調整し、イライラやのぼせを鎮めて、血行も促進します。

やや虚証からやや実証までの幅広い層に効果があります。なかなか寝付けない、眠りが浅い方に、特におススメです。

「桂枝茯苓丸」は、滞った「血(けつ)」のめぐりを良くすることで、のぼせや足冷えなどを感じる方の生理痛、月経不順、月経異常、血の道症などを改善する作用のある医薬品です。

漢方の考え方では、「気」と「血(けつ)」は常に体をめぐり、バランスを調整しています。しかし、「血(けつ)」の流れが滞ると、めぐりがかたよってしまうため注意が必要です。「血(けつ)」によって滞ったものは、温かければ上へ昇り、冷たければ下へ降りる性質があるため、上半身はのぼせ、下半身は冷えるという、いわゆる「冷えのぼせ」の状態になるのです。また、体の「血(けつ)」の流れが滞っているため、生理痛が重いなどの症状が現れます。

体質的には、中間証から実証で、体力がある方向けです。血圧が高めの方におススメです。

ホルモン補充療法、エクオール、漢方薬。ご自身にあったものを取り入れて、更年期を乗り越えましょう。

参考:クラシエHP 漢方セラピー
   女性の更年期障害を知る 監修 寺内公一(東京医科歯科大学大学院 教授)ファーマスタイル No.31,2023年4月
   社内資料より

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?