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津軽海峡をはさんで(2022.10.14-17)①

行き先は札幌だと思い込んでいた北海道出張が函館だった。

6月に札幌の良さを再発見してすっかりファンになってしまっていたわたしは、また札幌で飲めるとばかり思っていたので慌てた。
慌てたけど、それは一瞬で、「函館!楽しみ」と、これまた5年振りの機会に早くも胸を躍らせていた。


余談だけど函館公園の説明にグッときた。
ユースデンさん…

そうとわかれば仕事の後はどこに行こうか。
北海道は8月にいろいろと回ったばかりで、そんなに行き残した気分のところもない。
地図を見ていたわたしの目が(いつもGoogleマップを見ながら旅程を立てる)函館港から弧を描いて伸びる線を捉えた。船がある。函館港から津軽海峡を渡って、青森県に行くフェリーが出ているのだ。

函館→青森→弘前→秋田→角館→盛岡→八戸→帰宅、という元気一杯な予定を立てたわたしは、今回は空を飛ばない旅にしよう、と決めた。
ひとつはJR東日本が鉄道150周年記念で打ち出していた「新幹線も含めJR東日本全線乗り放題パス」の存在があった。
たった2週間の利用可能期間の中にわたしの4連休がすっぽりと被っていたのである。これは神託である。フェリーで青森に渡ってしまえば、あとはこの切符で効率よく各都市を回ることができる。

そしてもう一つは、「北海道新幹線に乗ってみたい」であった。偶然、北海道新幹線開通日に先輩Kさんと連れ立って東京駅の入場券を買い、入線した「はやぶさ」を写真に収めて新聞の号外もゲットした身としては、いまだに未乗車であることがずっと気がかりであった。

念願の…!

こうして、わたしにしてはめずらしく(大阪ですら飛行機で行きがち)、行きも帰りも新幹線という旅の(否、前半は出張!)ルートができ上がった。

〜前編〜(一応、オンの日)

金曜日の昼頃大宮駅から新幹線に乗り込むと、思った以上に車内は混雑していて驚いた。基本的に隣の席というのは空席であって、時間はかかるけど広々乗れるのが新幹線のいいところ、、、

とすっかりコロナ禍モードで近頃思っていたものであったから、新青森までずっと隣人がいたことに驚いた。
仙台、盛岡と降車するたびに乗車があり、案外入れ替わりが激しいという東北新幹線の乗り降り事情もなんとなくわかっておもしろかった。しかし新青森でほとんどの乗客が降りてしまい、「北海道新幹線」はここからなのに!という気持ちでいっぱいである。

急にガラガラ

4時間ほどが経過し、仕事しながらとはいえ、長すぎる乗車に少し飽きてきた節もある…。
そんな中、青函トンネル間近で車掌さんからのアナウンス。
これから青函トンネルに入る旨、青函トンネルの概要や歴史など。観光バスのように流ちょうな説明に、私のテンションが急に復活した。これが聞けただけでもずっと頑張って乗ってきた甲斐はあるように思う!

函館新北斗駅で在来線に乗り換え、函館駅に降り立つ。
あれ?駅前ってこんなだったっけ、とまったく記憶がない。電車でアクセスしたのは初めてなのかもしれない。今までの函館の記憶をさかのぼってみようとするも曖昧で、今回初めてきちんと自分で函館に「着地」した気がした。

ホテルは函館駅近くだったので、荷物を置いてオンラインで結婚式の打ち合わせを1時間した後(ここしか時間がなかったのだ…今函館ですと言ったら、プランナーさんにびっくりされた)、繁華街方面へ歩いて、決めておいた2軒をはしごすることにした。

 1軒目は屋台村みたいな一角の中にある小さな炉端焼き屋さん。

もうちょっとしっぽりしたエリアかと思っていたらいかにもな屋台村で一瞬「あれ〜こんなはずじゃなかった」と思ったが、入ってみたらいいお店だった。

4,50代くらいの女性がふたりで焼きをしており、飲んでいる方もお酒が好きそうな方ばかり。昆布焼きや塩辛、刺身を当てにまずは余市のハイボール、それから函館の日本酒。
となりの男性が「タバコいいですか」とことわる。「いいですよ」を皮切りに、「こちらの方ですか?」と会話が始まる。

男性は地元の方だそうで、こういう場所に地元の方も来るのだなと意外だった。食品ロボットの会社を経営されているらしく、お仕事の話をしばらくへえ〜と聞く。
こういう時に聞く仕事の話は大抵初めて聞く内容のことばかりで、いつも楽しく聞いている。そしてしみじみと昆布をかじる。

立派な昆布をただ焼いただけというこのつまみ、渋い!そして旨味たっぷりでおいしい。

2軒目は北海道ワインを飲みに。
前回北海道に行った時にも、つくづく北海道ワインについて不勉強だなと実感したもので、酒屋さんがやっているおしゃれ角打ちみたいなお店へ。泡、白、赤と3杯飲んで、お店の人に北海道のワイン地図を見せてもらうなどして少し学習。

「こっちの地図と、こっちの地図、数年違うだけでこんなにワイナリーが増えているんですよ」と見せてもらったのは同じデザインの2枚のパンフレット。確かに全然数が違う…!
いつか北海道ワインをめぐる旅もゆっくりしてみたいなと思うのであった。

つづく。

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