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【検証】高い馬ほど稼ぐのか?/億越え馬達の賞金

先日のセレクトセールにて5億2000万円で落札された馬がいた。
高額馬ということで注目度は高いことだろう。
では、過去の高額馬は金額に見合う活躍をしているのだろうか?
現役で高額なドーブネ(4億7000万)、アドマイヤビルゴ(5億8000万)などは重賞に出れる程度に活躍はできているが、勝つことはできていない。

そこで、高額馬が活躍するか疑問を持ち、JRAVANで収得賞金と取引価格の関係を調べてみた。(2012以降に誕生した馬のみ。)

※収得賞金は1着の馬が獲得する賞金。重賞のみ2着馬も獲得可能。
掲示板内の馬が貰える獲得賞金より低い値となる。未出走の馬は消去。
※取引価格はセリ価格が公開されている馬のみ。クラブ馬のデータは無い(JRAVANに書いてないため)。価格の無い馬はデータに含まない。

取引価格VS収得賞金


取引価格VS収得賞金

プロットして傾向を確認すると、取引価格が高い馬があまり活躍していないのが分かる。特に、3億(30,000万)円超えの馬で1億以上稼いだ馬は未だいない。
2つの関係性を数値化する相関係数(R2)も0.03と非常に低く、相関なんてないようなもの。

1億以上稼いだ馬たち

とりあえず、1億稼げば一流馬と考えるとする。
先ほどのグラフのデータ数は14460で、そのうち1億以上稼いだ馬の頭数は、145頭。おおよそ、1%の確率。

そして、この145頭のうち、取引価格が億越えの馬の頭数は・・・以下のグラフを参照してください。

取引価格と収得賞金が億越えの馬

簡単にグラフから計算可能で、その頭数はわずか10頭。
取引価格が億越えの馬は287頭いるので、そのうちたった10頭しか億以上稼げていない。確率にすると3.5%となる。
つまり、購入価格が億越えの馬は一億稼ぐ確率がそうでない馬の3.5倍になるというわけである。高い方が結果を出しやすいと言えるが、価格に見合っているかは分からない。
ちなみに億越えの馬で最も稼いでいるのはラヴズオンリーユー。

2023春G1の勝者たちの価格

億越えの馬が活躍する可能性はそうでない馬より高いというデータは一応出たところで、今年のG1馬たちの価格を振り返る。

先ほどのグラフにクラブ所有の馬(セリに出ない)は入っていなかったので募集総額を取引価格とする。

2023春G1勝者たち

ジャスティンパレス以外の馬は1億以下どころか、高くてソールオリエンスの6000万円。
億越えの馬が勝つ確率は1/12となる。純粋に頭数が少ないのが原因な気がするが。

ちなみに昨年のG1馬たちを数頭抜粋すると、
タイトルホルダーはセリ価格2000万円。
アスクビクターモアはセリ価格1億8700万円
スターズオンアースは募集価格2800万円
ヴェラアズールはセリ価格1600万円。
ドウデュースは不明。

結論

高額馬は安い馬より活躍する可能性は高いが、価格に見合った活躍ができるかは怪しい。
G1馬たちの多くは1億以下の馬だが、安い馬の方が数が多いのでその分活躍馬を輩出しやすいだけな気がする。

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