マリノスのマスコットツアー14500円がお値段以上だった件

いやーーー、試合は引分けだったけど人生で経験したサッカー観戦の中で一番面白かった。

Jリーグチームの横浜F・マリノスが公式マスコットの「マリノスケと回るスタジアムツアー」を企画、私はそれに参加してきたのだ。
これは2019/4/13に行われた名古屋グランパス戦での企画チケットである。

通常のサポーターズシートが2700円という相場を踏まえると思い切った価格のチケットであるが、私はマスコットが好きなので迷わず購入。
正直に言うとスタジアムの裏側にはそこまで興味がないのだが、一応好きなチームの提供するコンテンツは見ておこう…程度に考えていた。
しかし、これが期待以上に面白い企画だったのである。

裏話があまりに貴重すぎる内容

ツアー自体は長年マリノススタッフを務められている森川さんという男性が案内して下さった。
森川さんはマリノスのスタッフ経験のみにとどまらず、サッカー日本代表チームのスタッフとして海外遠征にも帯同したことがあり、日韓W杯の決勝が行われた日産スタジアムのモニュメントについての説明も裏話を交えて説明して下さるのだ。もうこれだけで貴重な経験である。

移動しながら施設の説明はもちろん、会見場で次の会場準備が整うまでの間にマリノスの裏話も沢山話して下さった。

ACLの遠征先でホテルの周りにレストランがなく、当時の岡田監督がたまらずマクドナルドを注文した話や、2013年の優勝争いのエピソード、オフレコの話、どれも興味深かった。
また、質疑応答にも応じて下さる。森川さんに限らず、マリノスのスタッフの方々はイベントの時も質問に誠実に答えて下さるのだ。

実はこのツアーの2ヶ月前に私はイギリス・リヴァプールでのアンフィールドスタジアムツアーに参加したのだが、ここまで親切な印象ではなかった。
試合日当日のツアーということもあって厳戒態勢なのは当然なのだが、歩くのが少しでも遅れれば大きな声で注意され、旅疲れなどお構いなしにサディオ・マネ並みの早足でスタジアムを巡るようなスピード感あるツアーだったのだ。だから写真を撮ってモタモタしてもニコニコスタッフが待ってくれるこのツアーはそれだけで天国のように感じた。
世界的ビッククラブだからこそ過去に観光客が羽目を外した経験からの厳重注意や、言葉が満足に通じない私の受け取り方など色々重なってのことなのでリヴァプールは悪くないし、好きなクラブには変わりないのだが、スタジアムツアーの雰囲気がクラブによって様々なのも分かった。
ちなみにリヴァプールもマスコットと一緒に回るスタジアムツアーを企画しているので、いつか参加してみたい。

スタッフのマリノスケ愛がすごい!

今回のツアー、とにかくこの一言に尽きるだろう。
随所にこれでもか!と溢れるマリノスケ愛。
正直マスコット好きの私でも適わないレベルの愛だった。

例えば登場シーン。
集合場所の西ゲートにマリノスケはいなかった。
30分前に長時間のマスコットグリーティングがあったので(体力的にも負担がかかるし最後に一瞬だけ出てくるのかな…。)と考えていたら…

ちょっと歩いてすぐのところに隠れていた。

"いたずらっ子"、"小学生男子"のマリノスケらしくてかわいい。
普段のグリーティングでもたまにこういう動きをしてくれるが、彼の性格が垣間見えるような登場である。
もう少し踏み込んで予想すると、ツアー集合場所で偶然マリノスケを見つけグリーティングを求める人たちの混乱が起きないようにする対策だと思うが何とも自然で楽しい演出であった。

ポイントは
 ・マスコットの体力負担を考え周囲のパニックを未然に防止
 ・マスコットのキャラクター性を大事にした演出
 ・ツアー参加者以外の好感度が下がらないよう配慮している
 ・ツアー参加者の満足度も上がる演出と帯同時間

登場だけで上記を叶えている。先読みする力と配慮がすごい

また、特別観覧席に案内されてからのテーブル演出も素晴らしかった。
ランチョンマットに名札。たかが紙、と思われるかもしれないがこの日だけの為に作られたマスコットグッズだからファンにとってはたまらない。

しかもイラストの服装はシェフ姿。
提供された軽食は日産スタジアム内レストラン"スマイルテーブル"のステーキ弁当だったが、このイラストのおかげで
"マリノス君とマリノスケが作ったステーキ弁当"という設定になるのだ。
有難さのあまり私は泣きながら食べた。

極めつけはハーフタイムに配られたマリノグラス。
日産スタジアム6階のMcafeで販売している人気メニューのフラペチーノである。おなじみのアフォガート味でも踊るほど嬉しいのに、なんと…
マリノスケツアー限定のオレンジジュース味!!!

もちろんマリノスケの大好物がオレンジジュースという設定由来である。
思わずスタッフの方に「こんなに素敵なものを用意して頂いて…」と伝えると、間髪入れずに
「いえ、これはサプライズ好きのマリノスケが用意していました」と…。

オリエンタルランドか!!最高の世界観と返答に悶えるので精一杯だった。

この日のMcafeでこの味は販売されていないので、本当に参加者分の20個だけを作ったことになる。最低仕入れ数などを考えるとかなり頑張ったものと推察するが、オレンジの果肉もぎっしり、トッピングのマリノスケアートも手間がかかっていて可愛い。満足度は最高だ。

RPGのように随所で現れるゲストが豪華

このツアー、マリノスケだけで大満足なのにゲストがとにかく沢山登場した。スタート地点ではサプライズでGKの原田岳選手が登場。

ロッカールームや室内練習場などを巡ってピッチへ!
すると今度は元マリノスのDFで今はアンバサダーの波戸康弘氏も登場!

移動しながら要所要所でキー人物が登場して下さるのはなんだかRPGゲームみたいでワクワクしてしまう。

また、これも偶然だったのだがちょうど引き上げようとしたタイミングでベンチに来たピーター・クラモフスキーコーチともお話することが出来た。
素晴らしいお人柄でまだ試合も見ていないのに、この時点で目がウルウルするほど感激している。マリノス、誰もが最高かよ~~!大好き!神クラブ!

マスコットにもストーリーが必要

実はゲストは彼らだけではなかった。
館内入ってすぐのところで現れたのは…
なんと名古屋グランパスのマスコット王、グランパスくん!!!

マリノスケだけでも幸せなのに贅沢すぎやしないか…。
マスコット好き以外の方にこの状況が伝わるよう説明すると、小林幸子のバスツアーに参加したらバスガイドが美川憲一だったような豪華さである。

普段、神奈川skyシリーズ以外では他チームマスコットを呼ばないのにどうしてこの日はグランパスくんを呼んだのだろう?と考えていたら、このツアーの為もあったようだ。
グランパスくん好きの方は(最初からこのイベントを知っていたら申し込んだのに…)と悲しまれているかもしれないので補足するが、私の推測だと当初グランパスくんは一緒に回る予定はなく、最後のピッチでの写真撮影がメインイベントだったので、偶然合流したタイミングから体力負担がありながらもずっと一緒に回ってくれた好意だったのだろう。段差だって多いコースだったろうし、休んでいても良かったのにありがたい…。

このゲストを呼んだ配慮、ただ「マスコットが増えて嬉しい!」だけではないのだ。
私たちはいつもマリノス君と一緒のマリノスケしか見ていないから、他のマスコットとどう"お話"するのか?本当はどんな性格なのか?など色々気になっている。
サッカー選手のプレーを見るだけではなく、幼少期の努力や高校時代の奮闘も知って愛着が湧くように、マスコットにだってストーリーが必要なのだ。

そこで他チームのマスコットとの関係性がキーになってくる。
敵チームのマスコットと対峙した時、闘志をむき出しにするのか、仲良くするのかもわからない。グランパスくんと会ったマリノスケは……

大はしゃぎである。 されるがままのグランパスくんもかわいすぎる…。

そもそもこの2人のやり取りはTwitterでも伏線があり、

電話でやり取りするんだ…スタッフを通じずにマスコット同士でしゃべるんだ…しもしも~って言うんだ…ワルノスクイーン好きなんだ…と様々な学びがあったのが素晴らしかった。これでまたマスコットをより深く愛せる。

グランパスくんはご存知の通り、マスコット総選挙で2年連続1位。
Twitterでも動画や画像を駆使した納得の発信力があり、日産スタジアムの様子を"でら"しっかり世界中に伝えてくれた。

また、名古屋グランパスのアテンドスタッフさんのお写真捌きも大変エレガントだったので他チームと平和的に交流する機会は増やして欲しいと痛感。

アテンドさんとは別にSNS用写真のカメラマンがいたことにも驚いた。
その方に撮って頂いたのが上記のお写真。
なぜか名古屋グランパス公式をジャックしてしまった。

圧倒的体力負担の少なさで快適そのもの

そして試合観戦だ。まずはグルメ
提供頂いたステーキ弁当も机で食べられる。
普段、広場で食べるスタグルもお祭り気分で大好きなのだが、机で食事を摂るのはこんなにもおいしくて落ち着くのか!と新鮮な発見があった。
しかも私は食べるのが遅い。
それでもキックオフに間に合わせなきゃ!という焦燥感なく、自分のペースでいられたことで自己肯定感がグングン上がってしまった。
お陰様でこの日の私はハチャメチャに機嫌よく過ごしていた。

しかもビールにソフトドリンクが飲み放題の天国のような席なのだ。
お財布の中を気にすることなく、お化粧室も行きやすい。
こっそりジャンボマリノス君とマリノスケもいるからマリノスがピンチになった時に抱きしめて癒されることも出来るのが最高だ。

そして気温
暖かい日ではあったが、やはり夜になると冷え込む。
でもこの席はガラスに覆われて、暖かい室内でゆったりと観戦できるのだ。
試合後、体力の残り方に驚いてしまった。
いつも勝ち試合でもなぜかぐったりしていた私だが、おそらく体温調節で知らず知らず体力ゲージを削っていたのだと思う。
ドーム型でないスタジアムだからこそ、晴れた日のビールが最高なのであるが、自分の体力のウィークポイントを知れたことも良かった。

そしてメンタル
この日の試合では相手・味方チームともにGKが負傷。
途中交代や後日負傷のお知らせが出る事態となってしまった。
対戦中は気が立つからか、お互いのサポーターがブーイングをしたかしないかで一部争いまではいかないが、言い合いが起きてしまった。

そこでこのガラス張りの日本代表監督席である。
文字通り高みからの見物なのであるが、揉めている様子に対してハラハラしたり、一緒になって怒る気も起きず、ただ穏やかに(思いやりです…愛を持ち合うのです…スポーツマンシップです…)と達観してしまっていた。
代表監督?天皇陛下?中国皇帝…にしては穏やかだった。でもとにかく高貴な気分でいられたのは間違いない。
いつもなら心乱されやすい私がこうしていられるのだから、身を置く場所の大事さが分かる。2階席とも違う感覚だったから不思議なものだ。

初心者誘致にも応用できる"サポーターが本当に求めていること"

冒頭にも書いた通り、試合結果は奮うものではなかった。
しかしそれでもこれだけ満足できるのだ。
ポイントは
  ・マスコットに対しての真摯な愛

  ・値段相応のサービス
  ・快適な環境
と言えるだろう。
数年来マリノスを応援している身だが、初心者向けの誘致にもこのポイントを抑えるのは大事だと感じた。(その場合マスコットだけでなく、スポーツや観客に対しての真摯な愛と言い換えても良い。)

Jリーグを追いかけていると、稀に"マスコットを呼べば集客できる"とか"金儲けコンテンツ"なんて考えが透けて見えるイベントに出会ってしまうことがあるのだが、そんな雰囲気は一切感じなかった。
スタッフ自ら楽しんでマリノスケの魅力を伝えようとしてくれたのが分かるからマスコットのこともクラブのこともより一層信頼し、愛が深まった
チケット料金設定が高い分、しっかり満足して帰ってもらえるよう労を惜しまなかったのが伝わってくる。

この日の詳細なリポートはリーボYFMさんのマリノスケラー日記が素晴らしいのでぜひご一読頂きたい。

素晴らしい企画を叶えて下さったマリノスのチケット担当、及び関わったスタッフの皆様にお礼申し上げたい。
いや~マリノスケって本当にかわいくて最高ですね!


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