計画性がない私でもカンプノウでメッシを見られた話

"その場の思いつき"で1人海外サッカースタジアムに行ってきた。
私は計画性とは無縁の人間で、予定通りに行動するのがすごく苦手だ。
街を歩けば魅力的なもので溢れているから寄り道をしたくなるし、疲れたら思いつきでカフェに飛び込んで休みたい。
綿密な計画を立てて旅行するのは理想だけれど、予約時間が迫っているだけでプレッシャーになるから飛行機の集合時間でさえも苦手なのだ。

それなのに海外旅行好きなのである。
今年の9月はポルトガル・スペイン・ドバイの3ヵ国を巡った。
その中でも思い出深いのはバルセロナでのサッカー観戦だ。

W杯やACLの時期になるとサッカー好きは遠征の計画を立てるが、そういう旅が出来る人はみんな頭を使って「航空券代を抑えるために列車を使う」とか「チケットを確保するために時差を計算して起きる」と頑張っている。
私には無理だ。海外でサッカー観戦なんて夢のまた夢だと思っていた。
……だが、努力しなくても出来たのである。
世の中には旅の計画が苦手なサッカー好きもいるだろう。
そんな仲間がかつての私と同じように海外でのサッカー観戦を諦めているとしたら、それは重大な機会損失かもしれない。
自信を持って勧められるような内容ではないが、少しでも励みになるならここに情報を残しておこう。

その日はレストランで食事をしていた。
同行していた友人が夕方以降は自由行動にしようと提案してくれたので、夜に行われるCLのパリサンジェルマンvsリヴァプールの中継を見る為に市内のスポーツバーを探していたのだが、同じ日にバルセロナでもCLが開催されることが分かった。
自分がその土地にいる日にサッカーの大きな試合が行われるなんて奇跡だ。
Twitterのフォロワーさんから「せっかくだから行っておいで」「チケットまだ余ってるみたいだよ」など、絶妙に欲しい言葉を頂いたのでまんまと乗せられその気になったのである。

レストランを出てすぐUberを呼んだ。
タクシーでも良かったのだが、両替をしておらず多分7ユーロくらいしか持ち合わせていない。その手持ち金額で初めての土地を行動しようとするのがそもそもおかしいのだが、両替所を探していたら試合がはじまってしまう。
そして実は試合が何時開始なのかも調べていない。だからとりあえずカード引き落としが出来るUberでスタジアムに向かった。

噂通り、試合前からスタジアムに行く道すがらサポーターがチャントを歌っている。
男性数名が集まってそこかしこで飛び跳ねながら大声を出しているのは少し怖さもあったが、車内から見られたので心の準備も出来た。

カンプノウ到着。ここでチケットを取る。
確実に車内でチケットを取るべきだったが、バルセロナについたばかりでつい街並みに見入ってしまった。ここでも注意散漫だ。
一応、レストランにいる間にBrauGranaというサイトで座席については調べている。その日は雨が降っていたので屋根がある2階のスタンドが良さそうだ。

スタジアムの外で立っているとダフ屋に声をかけられる。
特にアジア系であれば恰好のカモに見られやすい。
あくまでも”待ち合わせの為に携帯を持っている”という体を装いながらチケットはいらないと跳ねのけた。
そもそもダフ屋のフリをしたスリかもしれないので、近くに人を寄せ付けたくないのだが、客よりダフ屋の方が多いくらいだった。武道館前のダフ屋より人数がいたと言えばわかりやすいだろうか。

こんな場所に長くはいたくないのだが、クレジットカードが決済出来ない。
これは帰国後に分かったのだが、海外でのチケット購入は不正利用と見なされ、セキュリティがかかってしまうことも多いようだ。

ダイナース、マスターカードと決済できず、3枚目のVISAでやっと買えた。
クレジットカードは複数持っているのが正解である。

もちろん、窓口もあるので窓口でチケット購入するのも正しい選択だろう。

ゲートを通って荷物検査を受ける。
このスタジアムはペットボトルのフタを取られる方式で、ボディチェックもあった。パリや鹿島ほど時間はかからずスムーズだ。

座席の最寄りゲートもあっさり見つかり、かなり順調である。
しかし、座席が分からない。
チケットにはアルファベット列が書いてあるのに、実際の列は数字表記なのだ。
近くの警備員に席を聞くが分からないと諦められる。
それならば、とスタジアムに通っているだろう観客に聞いてみるが彼らもフランスから来たツーリストで一緒に悩んでくれたものの解決できない。
地元のサポーターに聞いても不明。
適当な席に座ってトラブルになってもいけないので、一旦ゲートに戻り係員に確認すると席が分かる女性係員を探し出してくれた。
このスタジアムでは案内係が何人もいるが、その中でも席が分かるのは一握りらしい。

結局このアルファベットの席はスタジアム10列目くらいの出島のように囲われた席だったので数字表記でなかったようだ。
ピ、ピッチが近い…!
チケット購入画面で1階前方席と選択はしたが、まさかこんなに良い席だとは思わなかった。試合を俯瞰するよりは臨場感のある席の方が嬉しいタイプなので都合がいい。日産スタジアムに慣れている私には信じられない席だ。
……そして皆さんお気づきであろうか。
雨だから2階席を取ろうとしていたのに、クレジットカードをはねられただけですっかりその考えが飛んでしまい、1階席を取っていることに…。
運よくこの頃には雨もあがっていたので結果オーライであるが、やはりチケットを取るだけのことすらまともに出来ない。

ここで、メインスタンド側を選んで良かったことを書いていこう。
1つ目は服装。サッカーに行く予定がないどころか、星付きレストランに行く恰好だったのでゴール裏は難しかった。
しかし、メイン側はスポンサー席やメディア関係者も多く、かっちりした格好の人が多く浮かずに済んだ。また、客層もかなり落ち着いている。
海外サッカーの雰囲気に慣れていない場合は現地での”暗黙の了解”が分からない場合も多いのでメイン側が良いだろう。
(男性連れの)女性観戦も多く見られた。1人でも治安面にさえ注意を払えば問題はなかったし、女性同士も歓迎されるはずだ。

VIPの対応に追われて座席の案内係がまともに機能していなかったようにも思えるが、根気よく色んなスタッフに声をかけて席を見つけて欲しい。

2つ目はお手洗いがキレイだったこと

リプライをもらって知ったのだが、お手洗いがきれいなのはメインスタンド側だけらしい。ヨーロッパで便座のあるお手洗いに巡り合うのは貴重だ。

3つ目はコンコースが空いていたこと

一通り料理を食べた後だったのでスタグルを買うことが出来なかったのは心残りだが、グッズショップではタオルマフラーもゆっくり選ぶことが出来た。(品数は少ないので多くから選びたい人はスタジアム内のメガストアへ)
トイレも1人も並んでいなかったし、マイペースに行動するにはうってつけのエリアだった。

そうして30分ほど散策をし、落ち着いた状態で試合を迎えられた。
憧れのチャンピオンズリーグアンセムが流れる。

この日のバルセロナのメンバーはガチだった。
メッシにスアレス、ピケとブスケツもすごい選手だ。デンベレとウンティティはW杯で本物を見る予定だったが、それより早く叶ってしまった。
嘘みたいに豪華な選手が目の前にいる。
私は急にチケット代が怖くなった。こんなにすごい選手を119ユーロで見られるはずがない、と…。119万の間違いなんじゃないか。
自分のポンコツっぷりならそれくらいの見間違いはやりそうだ。
でももし119万だったとしてもこの体験ができるなら喜んで払う。
懐に余裕はないけれどそれほどに価値を感じてしまっていた。

なんかもう笑っちゃうくらいに近い。
つい先日関ジャニ∞のコンサートに行って結構いい席だったけれどそれより近かった。村上くんに手は届かないけれど、メッシは目の前。

この日は平日だったけれど7万人以上が集まったらしい。

ゴール決めただけで嬉しいのにこんなに目の前って…。

コーナーキックはメッシが蹴ることをここで初めて知った。
リーガを元々見ないのもあるけれど、バルセロナの試合を全然見ていなかったのだ。あまのじゃくだから、有名なチームを避けてしまっていたし、ハマのメッシが移籍した心の傷が癒えていなくて、メッシ~?大したことなくない~?なんて彼自身を知ろうとしていなかったことを反省する。
でもこの日の彼はすごかった!
今更メッシにかける言葉じゃないけれどサッカー上手いなぁ。
実は私と同い年だそうだ。 かたや注意散漫、かたや大スター…。

結局この日は4-0でバルセロナの大勝。
うち3ゴールはメッシのハットトリックだった。

この後はお目当てのパリ戦の中継が始まってしまうので一刻も早くスタジアムを出る必要があったが、どうもスタジアム内のメガストアはかなりすごいらしいので5分だけ立ち寄ることにした。

地下1階、地上2階の3階建て。LEDの画面と大階段が印象的なメガストアだった。品揃えはオシャレな普段使いよりもトレーニングウェア中心だったが、それでもファクトリー仕立てのマーキングエリアがあったり、正攻法で勝負して十分採算が取れている印象だ。立ち寄って良かった。

その後向かう予定のスポーツバーはハーフタイムに調べていた。
Footballarium Barcelonaというカンプノウから至近の店だ。
しかし地図で見るよりも道幅が狭く、暗い道に位置している。
時間は21:00過ぎ、観光地とはいえ女性1人で歩く時間ではない。
スペインの治安にも慣れていないから諦めて別の店を探す。

顔を横に向けるとガラス張りのカフェバーでCL放送しているのが見えた。
内容もお目当てのパリ戦だ。

ここはホテルの中のカフェであった。
Madanis Apartments
本場のスポーツバーも体感してみたいが、お酒の場も元々苦手だし、これくらいの明るさで雰囲気が落ち着いた空間の方がトラブルは回避できる。
慣れてきた頃なので、改めて面白さよりも安全を優先してみた。
地図で見ればカンプノウからの距離はスポーツバーと変わらないのだが

画像の通り道幅が全然違うのだ。これは実際に行ってみないと分からない。

軽いお茶だけ、と思ったのだがコースでないといけないと言う。
時間も遅いので軽めにガスパチョ、サーモングリル、フランを注文した。

デザートはいらないと伝えたが、コースに含まれているらしい。
「旅行だからスペインっぽいデザートが良い」と伝えるとこれが出てきた。

客層は9割がカンプノウ帰りのバルセロナファンだ。
そしてそのうちほぼ全員がリヴァプールを応援していた。
パリにはネイマールがいるから因縁が残っているのだろうか?
でもそれを感じさせないくらいダーティな応援などはなく静かに応援、良いプレーには拍手をしたり、居心地が良かった。

旅行中ハマってしまったスモ・デ・ナランハ。
オレンジジュースなのだが酸味がなくパルプもぎっしりでおいしい!

残念ながら応援しているパリは惜敗だったが、リヴァプールも素晴らしいチームなので良い気分だ。またホームで戦えるのが楽しみになった。

ホテル内カフェで観戦というのは帰りにタクシーを呼んでもらえる安心感もあった。この時間、流しのタクシーを捕まえるのは結構勇気がいる。
結局、宿泊先が説明の難しいホテルだった為に再度Uberを捕まえたのだが、ホテルの車寄せがあるのも安心だったし、待ち時間に隣の小さなコンビニで水を調達してから帰れたのも良かった。
カンプノウ周辺にホテルを取りたい人は深夜0:00過ぎまで空いているコンビニが隣接したこの宿も選択肢に入れてみてはどうだろうか。

自分の元来の性格さえしっかりしていれば何も問題なく行かれる場所なのであるが、どうしてもこればかりは治せない。
アドバイスなんて出せる立場ではないのだが、早割とか節約を諦めてお金を出せば移動もチケットもなんとかなるし、手持ちが7ユーロでもこれだけ動けるからクレジットカードとUberに頼れば大丈夫だ。
(Uberも治安面がパーフェクトではないので運になってしまうのだが…。)

海外サッカー観戦はハードル高く感じるかもしれないが
意識低く、準備なしでもなんとか行けることは分かって頂けたと思う。
もし旅行先で偶然試合がやっていたら飛び込んでいくのもオススメだ。

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ささゆか

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