Jリーグマスコット総選挙ってなんなん

「今年もやっとJリーグマスコット総選挙が終わった…。」

と、いきなりネガティブな書き出しをしてしまうのだが
私はマスコット好きなのにJリーグマスコット総選挙が苦手なのだ。
いつもなら"ポジティブに"、"素敵だと思ったものを"発信することを信条にしているが、今回は疑問・悲哀を書き連ねたい。

そもそも総選挙とは何か

前年度Jリーグ王者と天皇杯優勝チームが戦う富士ゼロックススーパーカップ、その中のイベントとしてマスコット大集合が行われるのであるが、ただ各チームのマスコットが集まるだけではなく、2013年からサポーター参加型企画が行われるようになった。それが"Jリーグマスコット総選挙"である。

企画開始当時は人気アイドルグループAKB48の全盛期。
総選挙とは48グループに於いて数多のドラマが生まれる目玉行事だから、Jリーグも"周りを巻き込みながら"注目を集めるような企画をしたいと考えていたところで参考になるイベントだったのだろう。

しかし、巻き込まれた側はえらいこっちゃ、大変なのである。

マスコット総選挙が辛い理由

1.  そもそもマスコットが相対評価の対象ではない
マスコットって単純ではない。造形のかわいさだけでなく、クラブへの熱い気持ちだとか、キャラクターのユニークさだとか多彩なのである。
さらに面白いのが「完璧なダンスが踊れるマスコット」を評価する人もいれば、「手足が短く、踊りについていけないマスコット」に魅力を感じる人もいることだ。同じ項目の出来・不出来でも評価がつけられない!
つまり、絶対評価の存在であるマスコットを相対評価の土俵にあげるのはそもそも適切なのか?という疑問が出てくるのである。

2. しかし勝手に土俵にあげられる
Jリーグが総選挙投票開始の告知をすれば我々は有無を言わさずそのレースに参加させられる競走馬となる。
ボイコットして投票を放棄しようものならば、票が減ってしまうシステムなので、結果的にJリーグにモノ申すどころか推しの泣き顔を見るハメになる。それは絶対に避けなければならない。
本家AKBのように"CDを複数枚買わなければならない"、"選挙が立候補制"といったシステムであればさらに物議を醸していただろうから、そこは誰でも投票できて全員参加が正解なのであるが「反対だから投票しない」が通用しないのは、大げさながら人質を取られているような感覚である。このクレームは秋元康に言っている。

3. 平和の象徴だったはずのマスコット
マスコット好きの集まりって、例えると"ポケモンだいすきクラブ"なのだ。
"ポケモンだいすきクラブ"とは名作ゲームポケットモンスターシリーズに登場する組織の名前で、ここに訪れると主人公は会長が愛してやまないポケモンじまんを延々と聞かされる。 以下がだいすきクラブ会長の自慢の一部だ。

この3点リーダが声に詰まっている様子なのかは不明なのだが、
とにかく私たちは会議室や居酒屋でJリーグマスコットぬいぐるみを抱きしめながら「わしのおきに入りのマリノスケがな…たまらん…くう…」と喋りあっている。それがマスコット会だ。
誰も相手を変だと言わない。下げたりしない。
あなたのお気に入りの子はかわいいね、うちの子のかわいさも見てほしい。みんなそれぞれに魅力的だよね。と肯定しあう集まりだから、人との集まりが苦手な私でも今まで参加が続いている
スポーツ観戦という勝ち負けを決める場に足を運んでも、試合以外の争いを好まない性分だからマスコットの周りの穏やかな空気が心地いい。
ポケモン世界の中でも「外を歩けば対戦を申し込まれてしまうから、ずっとこのだいすきクラブの敷地内にいたい…」と願っていた小学生だったのだ。
しかし総選挙期間中のタイムラインは少し殺伐とする。その空気が苦手だ。

その他、
"上位だけ発表して下位はBリーグマスコット総選挙のように濁して発表でいいのではないか"、
"決めるのは本当にセンターポジションのみで4位以下のマスコットの写真並び順はバラバラなのはどうなんだ問題"、
"マスコット好きが必死に投票を呼び掛けてもお遊びだと思われがちで戦術クラスタやサポーターを巻き込めず病むマスコットクラスタ多数"など問題はいくつでも出てくる。

マスコット総選挙、いいことだってある

しかしマスコット総選挙、悪いことだらけならば今頃敏腕の村井チェアマンがソク・ハンダンし中止になっているはず。いいことも沢山あるのだ。

マスコット自身にスポンサーがつく
以下は名古屋グランパスのグランパスくんの例だ。

昨年1位のマスコットの貫禄!まさかのマスコットスポンサーである。
しかも総選挙期間中に新たなスポンサーまで獲得した。


2年前の今頃はこんなつぶやきをしていたのに…

本件についてはトリマリ!のゆきさん (@yukiqwa) が記事をまとめて下さったのでご一読頂きたい。

記事の通り、マスコットにスポンサーがつくことはかなり大きい。
ネット投票という行為がスポンサーには購買意欲や拡散力の指標として見られるから"スポンサードしがいのあるクラブだ"と思わせられる
また、普段声を枯らして応援している私たちだが、ボールに触ることは出来ないからサポートが結果に結びつかない試合も何度も経験してきた。
でもこの総選挙ではサポーターがダイレクトに票を動かせるのだ。
他のチームに負けていられない!こんな熱い行事はない!
では、この良さを活かしつつ辛さを軽減するにはどうすればいいだろう?

能田達規先生の案「部門賞を設ける」が最適解か

2019年2月9日にLOFT9Shibuyaで「宇都宮徹壱WMプレゼンツ 2019 Jリーグマスコットを語り尽くす!」が開催された。
この会で漫画家の能田達規先生 (@tatsukino)が発言された「総選挙はそのままに、部門賞を設ける」という案、個人的にはこれこそが今の総選挙の魅力をそのままに、でも"相対評価の対象ではない"で述べた通りのバラエティ豊かなマスコットを活かせる方法だと感じた。能田先生一推しのマスコット、伊予柑太が1位になれるのは「夜道で会いたくないマスコット部門」という自虐で締められ、会場は大いに沸く。なんてかわいい部門なのだろう。
また、主催である宇都宮徹壱さん(@tete_room)が以前から述べていらっしゃる通り、毎年恒例のJリーグアウォーズに於いて「ベスト・マスコット賞」を設ける案にも賛成だ。

この記事に「かわいいマスコットをビリにしたくない、全員が1位で手を繋いで徒競走をさせるべきだ」という意図はない。
しかしゼロックスのマスコット大集合の魅力って、普段触れ合わない他チームや他カテゴリのマスコットと初めて会って「この子ってこんなにかわいいんだ!」と知ったりマスコット同士が遊んでいるところを見て関係性を理解する…いわば魅力の発見・再発見にあると考えているのだ。
だからこそ、競争システムでむやみな投票を呼び掛けるよりも、新たな一面を知るゼロックスへの伏線だったり、魅力をよく知ることが出来る企画に参加したいというのが本音だ。

最後になってしまったが…今回1位のグランパスくん!2連覇おめでとう!
総選挙期間だけでなく1年を通してSNSをマメに更新する姿はさすが王者にふさわしい!公約の達成も楽しみですね。他チームもマスコットユニフォーム真似して下さい…!
他のマスコットもみんな、みんなおめでとう。本当によく頑張りました!

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