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この不安は利己的で。

彼氏の寝顔を見て、泣いてしまうことがある。

スゥスゥ寝息を立てて、なんの不安もなく、私の横で安心しきったようなその寝顔を見ていると、

「この寝顔を守らなくては」と思い、

そして、それと同時に「いつかこの寝顔も見られなくなる」という事実に直面して、泣いてしまう。

だんだん報じられる時間が短くなってきているけれど確実に戦争はまだ続いていて、

こんなふうに、愛する人の寝顔を静かに眺めることもままならない人がいるかもしれないこの世界で、

私はこうしてただ静かに彼の顔を眺め、その彼も、眉間のシワひとつなく幸せそうな顔をして寝ていられる。

そのことの重大さと惰弱さに、不安になってしまうのだ。

そして、「守らなくては」と勇むけれども、なんにもできずただ眺めているだけの自分に虚しくもなる。

結局悲しくなって泣くしかできないのである。


大切なものがあればあるほど、つらい思いをしてしまう。
考えすぎ&ネガティブな私の性格の性だと思う。

昔からそうだった。

一時期、悩んでしまって、もういっそ大切なものなんてなくしてしまえば楽になるだろうに、なんて思ったことがあった。
でもできなかった。

大切なものをなくしてしまうと、カルシファーをなくすとハウルのお城が崩れてしまうように、私自身が崩れていってしまう気がしたからだ。

大切なものに悲しまされてもなお大切にしたいと思える。

私は今日も心をズタズタにしながら、大切なものたちを背に、見えない得体の知れぬ敵に、泣きながら立ちはだかるのだ。

誰に頼まれたでもなく、利己的な理由で。

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忘れられない恋物語

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