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日記 ハヌマーンの「若者のすべて」という最高の曲


山田亮一がバンド活動を再開してくれるらしい。メンバーは技量も大事だけど仲間としてちゃんと怒ったり意見を言えたりする人が合格して欲しいと思っている。


それはそれとして、なんと新バンドではハヌマーンの曲を演奏してくれるらしい。なのでハヌマーンの曲の中でもトップレベルに好きな曲の話でもする。

ハヌマーン/若者のすべて

バンドマンとして曲を作るにあたってなるべく避けたいのは曲名が被る事だろう。「東京」とか固有名詞ならまだしも、それ以外で一言一句同じになるのは好ましい事では無い。しかし、この曲のタイトルは「若者のすべて」だ。恐らくこの言葉を聞いたら大多数の人がフジファブリックの方を思い浮かべることだろう。

でも、この曲のタイトルは「若者のすべて」以外あり得ないと思う。

学校のチャイム音のような懐かしさを孕んだ音と共に出だしから人身事故を仄めかすような歌詞で始まるこの曲。青年の命が失われた事実を冷淡に処理される現実を受け止めた上で明日と向き合う所からこの歌は展開される。

考えすぎて馬鹿になって
発狂しすぎて普通になって
So that’s killed me歌うとは
失望の望を怒鳴ることさ

ハヌマーン/若者のすべて

サビの失った望みを怒鳴っていく事が歌を歌う事という歌詞が素晴らしい。歌を歌ってる時くらい自分に酔っても良いと言ってくれている気がする。

お母さんが笑った顔
お姉ちゃんが弾くピアノ
月の砂塵が目に入って
涙が一筋

結局捨てれんかった
恥やら外聞も人間だもんね
しょうがないや

ハヌマーン/若者のすべて

ハヌマーンの中でも特に好きな一節だ。人間の性が端的に纏っていて叙情的で美しい。もう会えない誰かを思いながら日々を過ごして行く毎日。あの青年は若くして電車に轢かれて生きるという醜い行為から離脱した。そんな卑しさや恥から解放された青年にほのかな憧れのような物を持つ自分を止めるように待ち構える明日。結局、生きていくのならば目を背ける事が出来ないのがこの曲のタイトルにもなっている言葉だ。

若者のすべて=自分の醜態や哀しさを飲み込んだ上で明日を生きていくことなのだ。

だからこそ、この曲のタイトルは「若者のすべて」以外あり得ない。この言葉程この曲を示した言葉は見当たらないのだ。

青年が見る事が出来なかった未来を振り返って懐かしさを覚えるようになった時に若者のすべての完成形が現れる。それまでは自分を酔わせてでも進むのだ。ぎぁー!!

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