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日記 The birthdayの「April」

・今日はThe birthday、最後のリリースとなるであろう「April」を聞いていた。

「April」

そうだもうカレンダーに書かれている数字は4月になってしまったんだ。去年の12月、信じられないニュースが届いた日。あれからもう既に四ヶ月も時間が経ったという事だ。素直に信じられないな。四ヶ月も時間があれば少しは想う形も変化していく物だとばかり思っていたけど、結局あの日から今でも変わらずチバユウスケという一人のただ大きくてカッコいい嘘みたいな存在が忘れられないままだったし、それに何よりもまだ彼の死を受け入れられない自分が居た。

こんなに当たり前に過ぎゆく時間の中で揺るがない事実として彼がこの世界に存在しないなんて事がただ不思議だった。私にとって彼がくれた沢山の時間はあの日からピタリと止まってしまったまま二度と動かない気も何処かではしていた。

だからこそ、正直に言って最後のリリースとなるこの「April」を聴くのは怖い気持ちもあった。だってこの曲を聴き終えてしまったらもう次はない。本当に全て終わってしまう。受け入れる気の無い終わりを突きつけられる。それは嫌だった。私にとってチバユウスケは永遠であって欲しい。止まった時間に手を加える様なマネはしたくない。

でも、病と闘いながら録音してくれていたであろう彼が吹き込んだ最後の魂を受け取らないままってのはファンとしてあり得ないだろうと結論を出し数時間思慮した上で曲を再生をした。

「なんだ、クソかっこいいじゃん」何よりも早くそう思ったと同時に聴く前に感じていた些細な不安は全部ぶっ飛んでいった。そう言えばずっと落ち込んだままだったから忘れていたけど、いつもそうだったじゃないか。彼の作った音楽を聴けば暗い気持ちはいとも簡単に消え去ってそれでいて気づいたら夢中になっている。曲が進むにつれて止まっていた時間が音を立てて加速していく。

チバユウスケは本当にずるい人だと思う。いつまでも背中を見せたまま振り返ったりしないでその瞬間、一秒、一秒を全速力でがなり散らかしていく。まさにロックンロールスターという言葉が相応しい最強の人だった。カッコいいよ、本当に。

聴き終わった後、涙よりも先に笑みが溢れた。

彼の残した最後の音楽を聞いて感じたのは終わりではなく続いていく事の様な気がした。それはもうずっとなんてもんじゃ無く、それこそ言葉にできない程漠然としているように。

私にとってのチバユウスケはずっと永遠のままだった。これまでもこれからも。

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