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愛されたことを、それとも愛したことを

「サヨナライツカ」という少し前の小説の中にこんな文章が登場する。

「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトとにわかれる。
私はきっと愛したことを思い出す。」

これを読んだ時に、わたしはどちらだろうか、と考えた。

人は、愛されたほうが幸せだと言う。
世界は「愛されたい」と大きな声で叫びたいけれど、でもそんなことはできなくて、平気な顔して歩いている人たちの集合体だ。

でも、とわたしは思うのだ。

自分の命が尽きるその瞬間に、
「あぁ、わたしはあの人を心の底から愛していた」と思えたら
それはどんなに幸せなことだろうか、と。

それがどんなに苦しくても、辛くても、
誰かを愛し抜いたという記憶は何にも代えがたい美しいものだ。

人は結局、与えることでしか幸せになれないのではないだろうか。

勿論誰かに愛されることもとても幸せなことだし、尊いものだけれど
わたしは死ぬ間際に「愛したことを思い出す」人生を歩めたらいいなと思う。


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