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わたしの彼を奪い返すまで

フォートナム&メイソンのカフェで、お客様と打ち合わせをした。
個室のような席に通されたことと、お互いの共通点が多すぎることから、話が弾み過ぎてしまい、何時間も居座ってしまった(お店にはかなり迷惑だったことでしょう)。

お店はこんな感じのマダム御用達なテイストで、お客さまもはやり女性が多く、誰もが数千円のアフタヌーンティーを楽しんでらっしゃいました。

※私たちの通された席は奥の茶色い壁の裏のひっそりとした絶好の席。

このような浮世離れした雰囲気の中、お仕事の話もあるので、場違いな感じだけど、Macbookを出して、資料をご覧頂いたりしたのですが、何時間も対座して頭がのぼせたせいか、椅子の脇の荷物おきのカゴにMacbookを忘れてきてしまったようなのです。

それが先週の金曜日のこと。私は普段、家ではVAIOを使っているので、Macが不在でも気づかないのです。今日は朝から打ち合わせがあり、そのあと、外で仕事をしたかったので、Mac同伴で外出…のつもりが、彼はどこにもいなに。

時々、息子が持って行ってしまい、元の場所に戻さないことがあるので、容疑は一気に彼へ向けられました。ったくもぉ、と勝手にムカつく。
…にしても、人の机の引き出し(Macの置き場所)を勝手に開けたりするだろうか? と若干の違和感を感じながらも、「返して」とメールをすると、「持ってってないよ」との返事。

はて‥‥。私のMacどこいった?

そういえば、先週は六本木ヒルズ蔦屋のスタバへ2回も行った。
パソコンとスマホのバッテリーが切れそうで、この席には電源ないよね…とよく通っている友だちにメッセージしてみると、「机の下の棚のところにコッソリある」と教えてくれたので、机の下の妙な位置にMacbookを置いて充電したんだった…。
そのあと夢中で刺し子(最近凝っている刺繍みたいなもの)をしたから、Mac置いて帰ってきちゃったのかな?!

いや~、あんなところにMacbook忘れったら、いくら呑気な日本と言えど、二度と出てこないぞ…と、お先真っ暗、絶望的になる。

いやいや、先週は近所のネイバーフッドカフェにも行った…。
クソ暑い酷暑に負けないように、洒落たところに身を置いて、自分を律していたのだ。「暑い暑い」と嘆かずに、1人こっそりスタバで修業をしていたのだ。もちろん刺し子を持ってね。

何はさておき、とりあえずMacbookを見つけなくては…というわけで、2回行ったヒルズのスタバへ電話。「パソコン? ああ! …でも、金曜ですか? 金曜は…ないですね」という微妙な返答。「金曜は届いてないけれど、曜日を間違っていませんか? 他の日ならMacbookの忘れ物ありますよ!」くらい言ってくれてもいいんじゃないか、イタリア人やアメリカ人ならそれくらいの配慮してくれるよね…と訳のわからない理屈を頭の中でめぐらし、「ちょっと曜日が定かではありませんが、夜中に2回2階の(お、韻をふんだ)同じ席に座ったんです」と希望を託してみた。…でも、パソコンは届いていないようでした。

ネイバーフッドには忘れるはずがないとなんとなく確信があったので、気を取り直して、次はフォートナム&メイスンへ電話だ。

すると、ありました! ノートパソコンの忘れ物が!

ああ、よかった、あった~涙 ということで、すぐさまカフェに行こうとすると、テナントの入っているデパートの遺失物係に届けてありますとのこと。どちらにしろ、自宅からすぐなので、自転車でデパートへ速攻向かう。

地下の入り組んだ通路を奥に進み、人気のないあたりに「遺失物係」がありました。なんだか後ろめたい雰囲気と共に、なぜかイヤな予感がよぎる。こういう勘にかけては自信があるので、かなりイヤな予感。

するとですね。

ああ、今しがた、T警察の方へ移動になりました。

‥‥えぇぇぇぇ~💧
あの駅から遠い、坂を延々と上った先にあるT警察署…。
私の彼(MacBook)ったら、どこまで行っちゃうの…。
気が遠くなりながら、炎天下の中、T警察へ向かいました。
そして‥‥やっと彼と再会できたのですが、立ち会った婦人警官が

「ロックを解除できるか、パスワードを目の前で入れてみてください」
と言うのです。私にはその言葉は

「本当にあなたの彼かどうか、目の前でキスをしてみてください」
と聞こえたような気がしました…(ばか)。

ちょちょちょい…とロック解除すると、いつものクロム画面がヒュッと出てきました。「ほらね、私の彼でしょ?」とウィンクしなかったのは言うまでもありませんが、アメリカかイタリアだったら、してたかもね笑。

思いもかけずに長旅になった1日だったけど、彼ったら、ちゃんと私のところに戻ってきた。今日はたっぷり充電してあげよう。

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