ダークサイド

ある夜のこと、「男は色々大変なんだよ、それを口に出せる場所もないしね」と彼がボソリと言うので、自分がそんな場所になれたらなと、ハイハイハイ!と立候補したくなった。大変なことを聞いてあげられたら、絶対にいっつも帰って来ると思ったから。

そしたら「聞いてくれる人がいても言わない。口に出した瞬間にさ、崩れるよ。男はサメみたいなもので、止まったら沈んで終わりなんだ」なんて言う。

口に出せる場所はない、あっても出さないと言いながら、半分喋っちゃってるようなものじゃないの…と疑問に思いながらも、私は意味もなく天井の一点を見つめている。スマートフォンの進歩のおかげで、受話器を耳に当てなくても通話ができるご時世だ。黒電話を耳に当てすぎると痛くなるのを経験している世代の私は、便利になったもんだと、枕の横にスマホを置いてベッドに寝転んでいる。

ボソボソと呟くような話し方の彼をさえぎるように、いたずらっ子みたいに明るく話しかけてみる。「話したら楽になるかもよ? 私がその話聞いてあげよっか。心が溶けちゃうかもよ?」

そして返ってきた言葉に私は絶句した。こんなことを告白された場合、どんなコメントを残せばいいのだろう?どんな言葉を返したら、彼に気持ちを少しでも和らげることができるのだろう?

「僕の心を溶かせる人は、きっとこの世の中にはいない。結構根が深いんだ…。自分が誰かを守っている以上は、それは無理なんだ。生きていてさ、気が抜ける時がないんだよ。常に断崖絶壁の崖のところに、爪先だけかけて立ってる感じだよ。もう30年以上、ずっとね。気を抜いた瞬間には、たぶん死んでると思う。その時以外はないと感じてる。そういう環境にいつも置かれているんだ。だから自分が気持ちよくなるより、他人を気持ちよくさせたい。それが僕の人生に置かれた宿命。自分でそれを認識しているから、毎日この時間まででも仕事できるのさ」。

時刻は深夜の3時です。あなたが女性だとしたら、この彼にどんな言葉をかけてあげますか? 本気で知りたいのです。コメント欄にメッセージをお待ちしています。男性からのご意見も大歓迎です。




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ありがとうございます。ご飯の会など開いて、皆でワイワイおにぎりや鍋やら食べたいです。

わぉ、さんきゅう♡
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杉本 ゆみ

つれづれ

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