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夢飛行

【療養日記2024 4月24日(水)☁️|☂️】

 梅雨の走りのような天気が続いていて、朝もちょうど雨が止んでいたのでウォーキングに出たが途中で降られてしまう。帰ってきてからは気圧が下がっているのか身体がどうにも重たかった。

 横になって微睡んでいるときに夢を見る。これまでに見たこともない夢。自分が老いていくよりも早く身体が動かなくなり、いろんな事を諦める事になれてきた夢だ。したかったことを次々と諦めてはその度いつかまたという事は二度とは来ないと自分の気を紛らわすだけ。

 目が覚めても安心するどころか、これは目前に迫った自分の近い将来のような気がしてならなかった。外を見ると雨が降っている。

 中学生のころとても好きだった山口美央子というアーティストが今日かつてのアルバムのアナログ盤を発売し、渋谷のHMVでインストアライブをするという情報を得た。これに自分は行くものだとばかり思っていた。

 山口美央子はかなりマイナーではあるが80年代初頭からテクノとオリエンタルな雰囲気が融合したちょっと時代が早いなと思うアーティストだった。そのためかあまり知っている人もいなかった。とはいえ当時はテクノの寵児のような存在で、かなり進んだニューウェーブの先端をゆく、そんなイメージがあった。多くの人に楽曲を書き自らのヒットは殆どなかった。

 その山口美央子、当時から松武秀樹と活動を共にしていた。松武秀樹は言うまでもないテクノの生き字引のような存在。初期YMOにはなくてはならぬ存在だった。その松武秀樹もライブに参加し、坂本龍一の形見でもあるキーボードを当日持ってきて山口がそれを弾く事となっていた。それは観なければダメだろう。

 しかしそんなライブを目の前にしても体調がすぐれないのと雨が降っている事から散々悩みはしたが行くのはやめにしておいた。

 もしかしたらそのおかげで今日こうして家で日記が書けているのかもしれない。週末は滋賀だ。それを考えてもやはり今日は無理してはいけないのだった。

 未練は残るがもう自分にはそんな音楽を好んで聴くことさえも許されないのだと思って諦める。

 せめて今日は中学生の頃に大好きでよく聞いていた「夢飛行」くらいは静かに聴きたい■

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