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シヴァナンダヨガTTC(講師養成コース)の内容と対策

私のシヴァナンダヨガ・クラスにいつも参加してくださる生徒さんから、シヴァナンダヨガTTC(講師養成コース)について、ご質問やご相談を多く受けます。

シヴァナンダヨガのクラスを受けて、ヨガの心地よさや素晴らしさを知り、ヨガをもっと深く勉強したい、シヴァナンダヨガの先生になってヨガの素晴らしさを伝えたいという生徒さんは多くいます。

日本語で受けられるTTCに参加したいけど、約1か月間のTTCについていけるのか、本当に受かるのか、シヴァナンダヨガの先生になることに価値があるのかなど、TTC直前の不安や緊張を感じている方もいるでしょう。日本語で受けられるTTCの申込みが既に済み、ベトナムTTCやインドTTCなど海外で受講する上で不安があるのかと思います。また、時期が合わず、北米やヨーロッパ圏でTTCを受講される方もいるかと思います。

私はカナダ・ケベックのシヴァナンダヨガ・アーシュラムの本部で、英語でTTCを受けました。お察しの通り、それはそれは毎日英語づけ、わからないことだらけで毎日ついていくので大変でした。受講生の多くがカナダ人やアメリカ人で、彼ら彼女らはほんの10分程度で毎日の宿題を終わらせるところを、私は電子辞書を片手に、毎日最低2時間はかかりました。解剖学に関しては言えば、あれは英語というよりも、ギリシャ語?ラテン語?かなんかから派生した単語で長く複雑なので覚えられず、講義はチンプンカンプンでした。幸い、日本語の簡単な解剖学の本を持参していたのと、入校して1週間後くらいに日本語のTTCテキストも頂けたので、なんとか乗り切れました。卒業試験の解剖学の問題は出てもせいぜい1問か2問しか出ないので、それほど重きを置かなくても大丈夫かと思います。私のときは、「胃の働きを説明せよ。」という問題のみでした。

本音をお伝えすると秋のベトナムかタイや年始のインドのTTCは、完全日本語(または日本語通訳付き)で受講できるのが多いで、何の不安も不要です。

極端に言いますと、何も準備せずに入校式で渡されたテキストと毎回講義で真剣に勉強すれば大丈夫です。毎日の宿題は必ず翌日の締切時間までに提出すれば問題ありません。あと、講義中にわからないことはあったら必ず手をあげたり、または終了後に先生に質問しましょう。先生やスタッフたちは、真剣な皆さんを必ず助けてくれます。

アーサナ・クラスのテストは、TTC参加者全員が、90分×2クラスを、デモンストレーションします。だいたいTTC2週目後半から3週目前半の頃にこれを行います。これがアーサナのテストに相当しますが、テストというよりも訓練と見たほうがいいでしょう。どんなヘタクソなインストラクションでも、真剣に頑張って行えば、落とされるということはまずありません。

実際には、5人位でグループをいくつか作り、グループ内で順番にデモをしていきます。先生役でデモをしている先生以外のほかの受講生たちは、生徒役で先生の指示のままポーズをとります。デモ中は、TTCアーサナ講師が先生役のひとりひとりの問題点をチェックし、修正を入れます。また他の生徒からも問題点をあぶり出してもらえて、わからない点など話し合いもできます。

アーサナ・クラスの訓練では、必ず先生役全員シヴァナンダヨガのマントラを唱えますので、できればTTCが始まる前におぼえてきた方が楽です。 カンペを見ながら唱えているアメリカ人の方がいましたが、みっともないです。私はTTCの3か月以上前に完全におぼえました。TTC期間中におぼえようとすると、かなり苦しみます。というのは、卒業試験でシヴァナンダヨガのマントラの記述の試験がある可能性が大きいからです。

マントラの覚え方としては、マントラをしっかり唱えているシヴァナンダの先生にお願いして、レコーダーなどでマントラを録音させてもらうのもいいでしょう。ちなみに、私のシヴァナンダヨガのクラスでは、録音OKです。世界で活躍するシヴァナンダヨガの先生が唱える、シヴァナンダヨガのマントラのYouTubeもいくつかありますので、参考にしてもよいでしょう。

主要12アーサナ(ポーズ)の名前、例えばサルヴァンガーサナ(肩立ちのポーズ)など必ずサンスクリットの呼び方で覚えましょう。記入は、TTC開催地域に応じて、アルファベットでも、日本語でも記入は大丈夫です。アーサナの名前は、卒業試験で必ず出ます。英語でショルダースタンド、日本語の肩立ちのポーズ、などでごまかさないようにしましょう。

朝夕2回のアーサナクラスの参加は必須です。まず自分が完璧にポーズをとれるようにしましょう。できれば、ヘッドスタンド(頭立ちのポーズ)やカカーサナ(カラスのポーズ)は、TTC前に完璧にポーズをとれるようにしておけば、TTC開催中はとても楽です。なぜなら、TTC中盤あたりから、さらにスコーピオンやマユラーサナも含んだアドバンス(上級)のクラスのアーサナも練習するからです。ただし、ヘッドスタンドやカカーサナができなくても、TTCは卒業できます。わからないことは進んで先生に質問しましょう。
ヨーガ哲学やヴェーダーンタ哲学、バガヴァッド・ギーターなど聖典関係は、重要な項目や名称や意味は卒業試験で出ます。

これらの聖典の最重要なエッセンスは、TTC卒業後に実際に生徒さんに教えたり、また日常的世俗的な生活に戻り人々にもまれながらサーダナ(霊性修行)を実践して初めて、体験とともに習得できるものです。今後、こういった聖典やギーター関連の哲学を、より深く学ぶ場合は、信頼できるグル(師匠)の御足のもとで、または直接体験を持っている神聖な人と交わるといいでしょう。

TTC中は、毎日2回の講義やアーサナクラスをこなすほかに、参加者全員カルマヨガ(セヴァのこと、奉仕活動、ボランティア)がひとつ与えられます。トイレ掃除だったり、神様のお供えの準備係だったり、皿洗いだったり、役割はみなさん違いますが、不平を言わずにヨガの向上や、神様へ近付くための捧げ物としてとらえましょう。

朝晩に必ずサットサンガと瞑想とバジャン会があります。これは絶対参加必須です。これは試験に出るものではありませんが、とても静寂な神聖な時間と空間であり、ご自身の霊的成熟度を向上させる助けとなります。まさにサーダナ(霊性修行)そのものです。

最終日に膨大な厚さの用紙の卒業試験がありますが、これに関しては日々の講義の宿題内容ですので気にすることはないでしょう。また、卒業試験の3日位前にA4の紙にびっちり書かれた30枚もの練習試験問題が渡されますので、試験前の3日間はこれで力だめしと最終チェックすれば楽に試験をこなせます。

ざっと、一通り勉強する上での方法と心構えをお伝えしました。約1か月間、今まで体験したことのない、一般社会とはまったく違った不思議な空間で、しかも長丁場なので、戸惑うこともあるかと思います。どんな時もまず楽しみましょう。正直言いますと、緊張して不安なのは参加者全員同じです。講師もスタッフもまったく同じ時間と空間を共有するので大丈夫です。
講師やスタッフすべてが、ひとりも脱落者を出さない、不合格者を出さない気構えでいますので、彼ら彼女らも真剣です。TTCでは不思議と、笑いのネタがそこら中に転がっていますので、TTCは本当に楽しんだ人が勝ちです。ガス抜きのポーズでおならをした人に対して、笑い転げてもいいですし。毎週末には、タレントショーという曲芸会のようなものもありますし、映写会やピクニックもあります。

1か月間もの緊張と楽しさの時間はあっという間に過ぎていきます。それは、嫌でも最終週に感じてきます。最終日に卒業証書をもらったら、もうシヴァナンダヨガTTCのあの神聖な雰囲気の時間と空間には戻ることはできません。だから、今そこにあるTTCにどっぷりつかり楽しみましょう。卒業後には、また新たな壁と試練が待ち受けます。そのことは、後でほかのシヴァンナンダヨガの先生や、私にきいてください。全身全霊で助けてくれますので。

愛と優しさをいっぱいありがとうございます!