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ヘッドスタンド(シルシャーサナ)

シルシャーサナ(頭立ちのポーズ)、つまりヘッドスタンドは、アーサナ(ポーズ)の王様と呼ばれていて、多くの病気の万能薬といわれています。多くのヨガの教本に、全身のあらゆる症状に及ぼす素晴らしいヘッドスタンドの効果が書かれています。全身の循環器や呼吸器機能が強化され、脳や脊髄や神経系統に滋養たっぷりの血液を送りこみます。腰痛緩和や視力・聴力回復、神経障害や喘息にもいいといわれています。また、集中力や精神力や記憶力や精神のコントロールなど、精神面での恩恵もはかりしれません。ただ、かなり重い高血圧症や緑内障や網膜剥離の方、目の手術直後の方、鼻づまりや喘息発作中の方などは、控えなくてはいけないポーズなので、注意しましょう。

シヴァーナンダヨガの基本12のポーズの最初が、ヘッドスタンドです。初めての方は、ほぼ全員「えっ?」と驚かれます。できなくて大丈夫です。1年以上かけてやっとできた方がたくさんいますし、シヴァナンダヨガのインストラクターでもできない方もいます。また、すぐその場でできた方もいますし、3日でできた方もいるし、1か月後にできた方もいます。ヘッドスタンドは完成まで、個人差があり、できなくても安心して挑戦してみて下さいね。コツは、完成に至るまで過程を楽しみながら行うことです。今回、ここで紹介するのは、ヘッドスタンド完成形までを3分割した、3つのポーズを公開します。

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完成形①。このポーズは、ヘッドスタンドがまったく初めてで、まったくコツがつかめない方に、すすめています。このポーズができると、逆立ち時の体の感覚が少しわかってきます。足を上げる前に、ギリギリに胸まで歩いて行ったら、腰が頭の真上にあることを確認します。そして、両肘に全体重の9割位かけて力を入れて、片足ずつ膝を曲げたままで胸に持っていくイメージで足を床から浮かし持ち上げます。膝を曲げた足は、ほんの少し床に浮かしたままでも大丈夫です。この状態でゆっくりと深く呼吸をくり返します。このポーズの時は、両肘から肩にかけて、床に杭を打ったように物凄い力が入っていますが、それで正解です。コツはこのポーズのまま、少し胸を張るようにし、頭に体重をほんの少し乗せていけば、長時間保てます。このポーズが完成すれば、もうヘッドスタンドは完璧に近づいていると思ってOKです!

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完成形②。このポーズは、膝を曲げたまま足を浮かすことだけはできるようになった方向けのポーズです。完成形①から、膝を曲げたまま、両肘から肩にかけて杭のように力をのせて、ゆっくりと足を天井につきあげます。コツは、両肘から肩にかけて少しずつ力をいれながら、背骨をまっすぐに保ったまま、少々前かがみでゆっくりと、足をあげます。腰が頭の真上にきていることを確認します。このポーズができたら、もうヘッドスタンドのゴールは目の前です!

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完成形③。最後は、完璧なヘッドスタンドの完成形です。完成形②から、背骨をまっすぐにしながら、ゆっくりと曲がっている両膝を伸ばし、つま先を天井につきあげます。つま先から天井にひっぱられている感じです。このときも、両肘から両肩にかけて杭のように固定するように力を入れてます。お腹をひっこめ、背中を反らさずにまっすぐになっている感覚をつかみましょう。視点を1点に固定させます。目を閉じれたら、閉じます。ゆっくりと深く呼吸を繰り返します。これが、ヘッドスタンドです。パーフェクトです!少し姿勢が崩れていれば、先生は必ず直してくれますので、ご安心ください!

■ヘッドスタンドのポーズの方法

1.チャイルド・ポーズ(シャシャンガーサナ。正座をしたまま前かがみになり、額を床につけるポーズで、掌から腕そして肩口までだらんと力を抜いて床に置いて目を閉じます)でゆっくりと深い呼吸を5,6回位行い、美しいヘッドスタンドをイメージします。その後、頭を上げて正座になります。右手で左肘の少し上を、左手で右肘の少し上をつかみ、前腕の肘と肘の間の長さをはかります。そのまま両肘を床に置きます。置いた肘を床から離さないように、両掌をほどき、両指をからめ合わせて地面に置き、頭頂と両肘で3脚を作ります。

2.頭頂部(頭の形により前頭部)を地面につけて、後頭部に組んだ両手でおさえます。

3.この状態で肘に体重をかけながら、膝を上げて伸ばし、お尻を持ち上げます。体重は両肘にかけます。両肘と両肩は2本の杭のように、しっかりと床に固定します。

4.膝をまっすぐにしたまま、胸までトボトボ歩いていきます。両足が胸に近づくにつれて、背中がまっすぐになるように感じます。腰が頭の真上近く、さらに胸の方向ギリギリになるまで、歩をすすめます。

5.両肘に体重をかけて、頭頂を起点にしながら、片足ずつ膝を曲げて地面から持ち上げます。これには腹部と腰部の筋肉が必要となります。さらに曲げた両膝を天井方向に持っていきます(完成形➀)。

6.膝を曲げたまま、さらに両足を尻の方へ持ち上げ、天井に両膝をつきあげます。頭と腰と両膝は一直線になっています。しばらく、このままキープします(完成形②)。

7.両肘にさらに体重をかけて、頭と腰と両膝の位置が一直線のまま、折り曲げてある両膝をゆっくりと伸ばし始め、つま先を天井につきあげます。両方のつま先が天井から、ひっぱられていることをイメージします。視線は1点に集中します。目を閉じれるようでしたら閉じます。ゆっくりと深く呼吸します(完成形③)。

8.ポーズを解くときは、まず膝を折り曲げ、ゆっくり両膝を胸に持っていきながら、両足を床におろします。しばらくチャイルドポーズになり、ゆっくりと深く呼吸を繰り返します。

*腕や肩や腹筋の力が弱いようでしたら、ドルフィンのポーズ(両手の指をからめて肘まで床に置き、腕立て伏せのように動作をするポーズ)で強化しましょう。

*どうしても、壁を使って練習する場合は、だんだんと壁からくっつかないようにして、ヘッドスタンドを行うようにしましょう。

愛と優しさをいっぱいありがとうございます!