わかる人にはわかるはずなので、導入は飛ばします(本文が長すぎるので)。
シンクロニクルの序章・1章のネタバレ注意



難しい選択でした。
頭をよぎったのは主に3つ
・入手キャラの価値
・平時なら「最善」が正しい
・「最善」ではつかめない道もある

入手キャラの価値

高倍率攻撃、シールド削り能力のギュンターが正直欲しいです。
しかも、1層キーキャラはマーヤを入手しているので、アビリティ的にもギュンターが上。

この点では、
ギュンター(最善)＞アンネ(蛮勇)
しかし、このゲームはバトル・育成よりストーリー重視で遊びたいと思っていますので、今回は考慮しないことにします。

平時なら「最善」が正しい

もっとも期待値の高い選択をすることが最善であり、長期的に見て得である、というのは多くの分野で常識だと思います。
この場面でもそうでしょう。武器商人の話を含め、犠牲となるのはおそらくギュンターの身体のみ。しかも死ぬことはなさそうです(明言はされてないけど)。だから「最善」。

対して「蛮勇」の選択は、
・ギュンターより能力の低いアンネが
・前準備なく唐突に言い出したこと
・その内容もわからない
と、リスクが大きすぎる。

メリットは、
・みんなが生きて帰る
・怪物を倒す
と、「最善」とほぼ変わらない。ギュンターが怪我しないかも、くらい。

アンネの自信になるかもしれない、というのもありますが、それは失敗したときのトラウマと表裏一体であり、ギュンターにとっても仇を自らの手で討つのは、過去を振り切るために必要なことかもしれない。結局個々人の感情を考え出すとどっちもどっちだと思う。

考えれば考えるほど、
最善＞蛮勇

でも……

「最善」ではつかめない道もある

序章で、同じような選択をした

同じような選択は、序章でもありました。
ヴィオレット隊長を斬るか、絆を信じて対話を試みるか
これも「最善」と「蛮勇」でしょう。

この場面、私は、「蛮勇」である、対話を試みる選択をしました。

まず、ヴィオレット隊長の前の、敵に包囲された際の選択で、
「騎士の教え」と「絆」の2択があります。
この時私は、
「さすがにどっち選んでも陣形を組んで突破だろ！なら、騎士の教えだから選ぶんじゃなく、絆を信じるからその選択をする！」
と、「『教え』だからじゃないよ、仲間だからだよ」という意味で「絆」を選びました。
ところがその道は、クロエが暴れて注意を引くという蛮勇以外の何物でもない道。
しかし、選択肢に戻れることを知らなかった私は、
「ええい、ままよ！」
と、そのままストーリーを読み進めました(それ以外できることはなかったけど)。

そして、無事に突破した後のヴィオレット隊長の2択。
隊員の無事帰還と任務遂行を第一に考えるべき隊長としては、ヴィオレット隊長を斬る一択でしょう。ヴィオレット隊長が人間に戻れればそれが最高だけど、リスクが大きすぎる。
しかし私は、今度は自分の意志で、「蛮勇」の選択＝対話を選択しました。
なぜか。それは、

・「不合理な選択でも切り抜けられた今だけは、もう一度不合理な選択が通るかもしれない」という非論理的だけど、願いにも似た心から湧き上がる思い

・「さっきの選択でクロエの好感度が上がったから」という、ゲーマー的感覚(シンクロニクルにおいては全く関係ない…はず)

・「長期的に見れば合理的な方が得だが、短期や、極限状態ではどちらが得かは言い切れない。なら最も良い未来を望む」という持論


結果は……


対話の力ではなく、クロエの謎の能力でヴィオレット隊長は人としての意識を取り戻しました。

極限状態では何が正しいとは言い切れない

序章の例では、隊長として正しい選択とは言えませんし、結局想定外の方法でしたが、考えうる最高の結果を得ることができました。

少し別の話をさせてください。
私は趣味で麻雀を嗜むのですが、麻雀では「長期的に見て得な選択」が正しいとされています。運が大きく絡む麻雀では、確率や期待値が一番高い選択をしても裏切られる、逆の結果が出ることも往々にしてあるのですが、それでも、期待値の高い選択をしていれば長期的に見て勝ちが多くなる。だから正しい、というわけです。

しかし、「この一戦で勝てば多額の賞金と名声が得られる、負けたら何も得られない」という状況であればどうなのだろう、と思うわけです。

もちろん、期待値の一番高い選択が正しいというのは否定しませんが、
「期待値の高い選択をした人が取り返しのつかない失点をして負け、『ツキ』や『流れ』、『気迫で牌を引く』といったオカルティックで非科学的なものを信じて打った人が勝った」
ということもありえます。

それが正しいかどうかではなく、
「期待値の高い選択をする人には掴めない(結果として掴めなかった)もの」もあると思うのです。
その時、何が正しいと言い切れるものは、ないと思います。

麻雀ではなく、人の一生に起こる様々な選択では、もっと起こりうることでしょう。麻雀ではルールがあり、勝利条件が明確ですが、人生においてはどちらも明確ではないですから。

もし、非合理な選択だとしても、その先にしかない未来があるのなら……

改めて、「最善」と「蛮勇」どちらを選ぶか

平時の選択であれば……例えば、これが模擬戦で、
「どっと疲れるけど高火力で確実に勝利するか、皆が怪我せず勝てるいい方法がある！と急に言い出したやつを信じるか」
であれば、選択の余地はないでしょう。
こう書くと「蛮勇」やばいな……。

とはいえ、「どっと疲れる」程度ではなく、「大けがをする」であれば「蛮勇」の選択を選ぶ人が多そう。

では、今直面している状況ではどうでしょう。改めて整理すると、

・どちらも「勝てる」と言ってるけど、そもそも勝てるかわからない。負けたら全滅か、それに似た結果になる。

・「最善」は「蛮勇」より確実な方法で、最もうまくいった場合犠牲はギュンターの体のみ。メタい話をすると、ギュンターはこの後手に入るはずなので、ギュンターが死ぬことは考えづらい。デメリットは、ギュンターの身体に大きなダメージが入ることと、ギュンターが死ぬことはなさそうで、デメリットが薄すぎて怖いこと、物語の展開的にそううまくいかなそうで怖いこと。

・「蛮勇」のメリットは、「最善」よりも最善な、様々なものが見えるプレイヤーでもわからない良い方法かもしれないこと。デメリットは、なにせ不確実すぎること。

・アルス、モモが一瞬で戦闘不能になっており、生死は不明。

・槍も弾も通じない


……


…………


ここまで来て、わからん！

まず、どっちも成功するかわからない。
内容がわかってる「最善」もうまくいくかどうかわからない。
ギュンターは能力の高い隊長だという描写は多いし、若くして暁隊に選ばれた点から見ても、隊長としての指揮能力ではない部分ー銃士としての腕前も高いのでしょう。
それでも、ギュンターよりも腕前が上の騎士を含めた暁隊が壊滅している点を考えると、ギュンターがいけると判断したとて、その成功率は高くないように感じます(というか、メタい話でそんな簡単にいかなそうで怖い)。それでも、「蛮勇」よりは成功率は高いと思いますが。

「蛮勇」は内容がわからない点で当然成功率は高くないですが、全くの愚策を持ってくるアンネだとは思えません。何かを「見た」と言っているし、根拠はありそう。
彼女の、「みんなも救って、わたしも死なない」という思いは強いものだと認識しているし、自身が尊敬するギュンターの策を遮ってまで選ぶ価値のあるものなのだろうと思います。
もしかしたら、彼女だけが、「みんなも救って、わたしも死なない」を成し遂げられるのかもしれない(逆に「最善」ではそうじゃないのかもしれない)。
ただ、いかんせんまだ若く、少し前には軽率な行動で隊を危険にさらした彼女。彼女は信頼できても、その策は信用しきれません。

……


…………

決断

「最善」を選ぼう！と決めてシンクロニクルを開いて……

アンネの声を聴いてまた迷って……

セラの「いつだってできるのは、騎士として正しい道を選ぶことだけ」という言葉にそうだなと思って……

「全員で生きて帰る」って言葉にまた揺らいで……

「生き残るためだけではない。生きるために、運命を選び取れ」か……

「最善」を選ぼうと決めたのは、不安以外デメリットが少なく、ヴィオレット隊長の時のような、「『最善』では断ち切られる、『蛮勇』でしかたどり着けない明確な未来」は見えないと思ったからです。
明確な未来が見えない以上は、「いつだってできるのは、騎士として正しい道を選ぶことだけ」だと思います。
不安とよくわからない希望だけを理由に、より確実でない道を選ぶのは、隊長として、また自分自身として、正しい判断ではないでしょう。それは逃げに近いと思うし、あいまいな根拠で「正しさ」を捨てたら、その先に「自分の正しさ」はなくなってしまいます。


でも……
「信じて！」というアンネの言葉が、こんなにも心揺さぶるのか。
「信じて！」という人が信頼できる人なら、その人を信じるのも、自分らしいと思ったんです。
「信じて！」という人を信じて失敗するのと、信じないで失敗するのなら、前者が良いです。隊長としては無責任だと思いますが…。


「信じて！」を理由に「蛮勇」を選ぶか……
「不安と、『信じて！』はあいまいな理由」だと、「最善」を選ぶか……


……


…………


どちらも自分らしい選択である以上、最後は、なりたい自分も込みで考えた結果…


「最善」


となりました。

もし、ギュンターも「俺を信じろ！」と言っていたら……
ギュンターを選ぶでしょう。

そう思うと、ギュンターが「信じろ！」と言わなかったからアンネを選ぶというのは、他人本位で無責任にすぎると思ったのです(少し強引ですが、言いたいことは伝わってほしい)。

「信じて！」を形はどうあれ信じ切れなかったことも含めて、自分が責任を負う。

この決断に、後悔はありません。

マーヤとセラのスペシャルエピソードも見れたし……

後悔は……後悔は……



うう……



「強くなりましょう。選ばなくても　全部救えるように　全てを救える騎士になれるように」


後悔はないです。




迷い始めてから、この記事を書いて、最終選択をするまで
リアル5時間悩みました。
シンクロニクルは神ゲーです。

自分はこんな選択したよ！というのをぜひコメントしていただけると嬉しいです！