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尊敬している人のこと

私は、メイクが好きだったので学校を卒業してから化粧品会社で働いていた。それで、お給料をためて自分でヘアメイクスクールに行った。会社は籍を置いたままスクールに通わせてくれた。今思えばお世話になった方が良い方だったんだなと。

あるヘアメイクスクールに入学した。小さな小さなヘアメイクスクール。先生は毎日同じ人。校長先生が毎日の先生。毎日の授業をとても楽しみにしていた。そして熱心にレッスンを受けたし練習もした。

先生はヘアメイクのことも人生のこともほんとに素晴らしい人で、私はこの先生から愛というものを教えてもらった。人間は愛が根本であるということ。それを先生は1年かけて教えてくれた。なぜならヘアメイクに一番大切なのは心だから。

毎日一生懸命メイクの勉強をした。

スクールを修了したあとに先生の事務所に入れてくれた。先生はすぐに本質を見抜いてしまうので飾る必要もなかった。先生のおかげで色んな事を知った。信念があってそれを貫いて生きること、どこまでも正直に生きること、自分で考え抜いてそれを実行すること。

私はヘアメイクをやりきることができなくてやめてしまった。先生は最後「しっかりね!」って言ってくれた。事務所に入ってから「もう君の先生ではないからさんづけで呼んで」と言われたけど尊敬しすぎてていつも先生って呼んで怒られていた。最後の挨拶の時だけ、さんづけで呼べたのだった。

先生は私の内面を見抜いて良いものだと思ってくれた。私はあの頃のピュアさを失いたくないと今でも思っている。尊敬しているあの人が信じてくれた私というのが自信になっていて、今でもなんとかプライドを持って生きていられている。つらい時は先生のことを思い出す。あの真っ直ぐな人のことを思い出して自分もがんばろうって思ったりする。

これからもずっと尊敬しつづけるだろう。そしたら真っ直ぐ生きていけると思うから。




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