UXリサーチを活かしたクリスマスプレゼントの選び方

こんにちは。株式会社オプティマインドでUXデザイナーをしているramiです。この記事は株式会社オプティマインドの2023アドベントカレンダー5日目の記事として書きました。

もうすぐクリスマスですね。皆さんはもう大切な人へのクリスマスプレゼントはお決まりですか?まだプレゼントが決まっていない方、ご安心ください。今回はUXデザイナーらしく、UXリサーチを活かしたクリスマスプレゼントの選び方をご紹介いたします。


UXリサーチとは

UXリサーチはユーザー体験(UX)に関わる調査の全てを指しています。
例えばECサイトで「ボタンの視認性が高く押しやすい」や「モノが早く届いて嬉しい」など、ユーザーの体験すべてをUXと呼び、この最適なUXのための設計をUXデザインと呼びます。良いUXデザインのためには、ユーザーのニーズを正しく把握し、それをプロダクトに反映する必要があります。
つまり、UXリサーチはUXデザインの手法の一つと言えます。

ユーザーインタビューを利用する

UXリサーチには大きく定性調査・定量調査に二分され、さまざまな手法があります。
このなかで今回は「ユーザーインタビュー」を活用して大切な人へのクリスマスプレゼントを選んでみましょう。

何が欲しいかは聞くな

そもそも人間は自分が欲しいものがわからない

クリスマスプレゼントを選ぼうとなったら、まずは相手に何が欲しいかを聞いてみたくなると思います。
しかし、そもそも人間は自分が欲しいものがわかっていないものなので、何が欲しいかを聞くのは禁物です。

有名な実験の話があります。
食器メーカーがどんな新商品がほしいかユーザーに議論してもらったところ、ユーザーは「黒くて四角いスタイリッシュなお皿がほしい」という結論を出しました。

しかし、「お礼に好きなお皿をお持ち帰りください」というと、全員が白くて丸いお皿を持ち帰りました。


黒いお皿を持ち帰らなかった理由を聞くと「家にあるのは白ばかりで黒だと他と合わなくなるし、四角いと収納にこまるので」という回答がかえってきたそうです。
このように相手の「欲しい」を安易に鵜呑みにしてしまうと間違ったものをプレゼントしてしまう可能性があるので注意しましょう。

本人が嘘をつくつもりがなくても真実ではないことがある

先日私は同僚とこんな会話をしました。
私:「あなたは朝ごはんに何を食べるのが好きですか?」
同僚:「ベーコンエッグです。」
私:「では普段いつもあなたは何を食べていますか?」
同僚:「ベーコンエッグです。」
私:「今朝は何を食べましたか?」
同僚:「おにぎりです。」
私:「昨日は何を食べましたか?」
同僚:「食パンです。」

同僚は朝ごはんにはベーコンエッグを食べるのが好きで、普段いつもベーコンエッグを食べると答えていたのも関わらず今朝も昨日も別のものを食べていました。このように人間は嘘をつくつもりがなくても真実と異なる回答をすることがあるのです。

「朝ごはんに食べる好きなもの」は同僚の「気持ち」です。
「朝ごはんに普段何を食べているか」は同僚の「考えや思い込み」です。
「今朝食べたもの」は「事実」です。

このように、人間は3つの要素で現実を捉えているのです。
つまり、相手への聞き方を誤ると、事実ではないことを回答してしまう可能性があるため、安易に相手に「なにがほしいか」を聞くべきではありません。相手が回答する内容は、事実ではなく「考えや思い込み」である可能性もあります。

人間は「相手にとって見えるもの」を答えようとすることがある

有名な話にMのコミュニケーションの罠という話があります。
下の図のように、真ん中の絵を囲んでAさんがそれぞれに真ん中の絵が何に見えるか質問しました。

皆さんはそれぞれ下記のように回答しました。
左の人「Eだと思います」
右の人「3ですね」
左上の人「Wかな」
右上の人「Mだと思います

最後の右上の人の回答は自分から見えた絵ではなく「Aさんの位置から見たらこう見えるであろう」という答えを自分の答えにして回答したのです。

この話からわかるように、人は時に「相手にとって見えるもの」を答えようとすることがあるのです。
「相手から見えそうなもの」
「相手が答えて欲しいと思っているもの」
を自分の回答として答えてしまうのです。
安易にクリスマスプレゼントを聞くと、大切な人は自分が欲しいものではなく「自分が欲しがりそうと相手が思っていそうなもの」を回答してしまうかもしれません、危険です。

ユーザーインタビューをしてみよう

ここまでで、大切な人に安易にクリスマスプレゼントに何が欲しいかを聞いてはいけないことがわかりました。
では、どうしたらいいのか?ここからがユーザーインタビューの出番です。

まずは対象を観察し目につくものを根掘り葉掘り質問する

大切な人の本当のペインや本当に必要なものは、その人の行動の中に隠れています。まずは対象の日常生活をしっかり観察し、目につくものを根掘り葉掘り聞いていきます。
このときに「なぜ」を聞かないことが大事です。人間は「なぜ」を回答できるほど今起こっていることに対して言語化をして行動していないからです。「なぜ」と聞かれると、相手は自分自身の行動を分析しなければならず「うーん」と理由を考えこんでしまいます。そして、その考えが正しいかどうかわからないまま回答をしてしまうことがあります。

なぜの変わりに「いつ」を聞く

こんな話があります。
ある人がこんな質問しました。
「なぜ髭を生やしているのですか?」
相手は「なぜと言われても、、、」と回答に困っている様子でした。
ある人は質問を変え「最初に髭を生やしたのはいつですか?」と聞きました。
相手は「最初に就職をした時。海外の中古車の輸入の貿易会社に勤めていたんだけど、当時はまだ若く、東洋人だとさらにはく見られる。そうすると取引先に舐められるので、先輩から髭を伸ばしたらどうかとアドバイスをもらった。」と思い出したように髭を生やした理由を話し始めたという。このように「なぜ」ではなく「いつ」や「いつから」という質問に変えることで相手は分析をせずに、事実だけを話し出すのだという。そのときになぜの理由を自然と話し出すことがあるのだそうです。

観察と質問の繰り返しで相手の真のペインを見つける

相手の周辺情報を観察し、質問を繰り返すことで、あなたの大切な人の真のペインを見つけることができます。
真のペインが見つかれば、プレゼントを決めるのも非常に楽になるはずです。
みなさんもUXリサーチ、ユーザーインタビューを用いて、大切な人にとって本当に必要なものを見つけてプレゼントをしてみてください。

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