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【YMM4】扱いやすい「動き」の付け方 ~ゆっくりMovieMaker4 の汎用技法的な話 001~

過去分の確認が面倒ならとりあえず書いてしまえばいいじゃないという囁きに飲まれました。
……え、近い内?
や、ちょっと色々あったんですよ……。

・確認環境
OS:Windows10 22H2
YMM4:Lite v4.21.1.3


アイテムに動きを付ける

大雑把には対象のアイテムの「映像エフェクト」にお好みの物を載せて目的の動きにできればそれで完了です。
……ですが、この方法だと影響範囲がアイテム全体に及びます。
例えば立ち絵など、「ずっと表示されている物だけど、ここの範囲でだけ動きを付けたい」という場合には頭を使う必要があります。
方法はいくつかあります。

1:アイテムを分割して設定する(非推奨)

「カーソル位置で分割」や「再生位置で分割」などを使い、アイテムを目的の長さにしてそこにだけエフェクトを付けるという手法です。
単純なので理屈はわかりやすいですが汎用性がありません。
簡単に言うなら「使い回しし辛い」「修正が大変」なのでとてもよろしくないのです。
また、例えば立ち絵に呼吸風アニメーションなど「アイテムが分割されないこと」が前提の動きを付けているとこの手法は使えません。
基礎的な考え方、そして最終手段として例に挙げましたが、基本的には使わない方向で考えましょう。

2:「中間点」を使う

v4.18.0.0で追加された機能である中間点を利用する方法です。
v4.20.0.0以降は中間点の追加前にある程度エフェクトを付けておけば、動きをできるだけ維持する値を自動で設定してくれるようにもなりました。
また、中間点が追加されているアイテムをテンプレートに保存すると中間点も保存されます。
さらに、同時期に追加された(と思われる)「補完移動」で既存の物とはちょっと違う動きにすることもできます。
が。個人的にはまだ対象アイテムへの依存度が高い気がするので別の手法を使いたいです。

3:「グループ制御」を使う

影響範囲内のアイテムに自らの映像エフェクトを適用するというグループ制御の性質を利用する古来より使われてきた手法です。
制御対象のレイヤー範囲を1にしてしまえば単一のアイテムだけを対象にできます。
グループを制御しないグループ制御。
あとはグループ制御を好きなだけ分割してお好みの動きを作ればいいのです。
利点は対象アイテムへの依存性が(おそらくほぼ)ないこと、対象アイテムを選ばないこと(作ったグループ制御を図形にでも画像にでも立ち絵にでも使えます)、動きごとに違うアニメーションを選べること(凝った動き、違和感の少ない動きを作りやすい)、テンプレートとして保存して使い回せること。
欠点はレイヤーを消費すること、グループ制御を多用するプロジェクトでは混乱を呼びやすいこと、v4.20.0.0以降は多少マシになりましたが設定と調整が手間であること(設定値の確認でアイテム間を往復するのは正直面倒です)。
とはいえ、枯れた手法なので迷ったら使いましょう。

4:「グループ制御」に「中間点」を使う

「なら、いいとこ取りを狙って組み合わせるのはどうか」という考え方です。
中間点の使用感でグループ制御を利用した場合のような移植性の高さを両立できます。
現環境ならとりあえずこれを選んで、問題があったら分割する手法に切り替える、などでいいかと思います。

番外:「表情アイテム」を使う

立ち絵アイテムに動きを付ける時限定となりますが「表情アイテム」に映像エフェクトを載せることでも動きを付けることができるそうです。
動作確認しかしていないので詳しくはありませんが、まぁ可能ではあるということでグループ制御を使えない場合などにお試しください。

具体的にはどうするの?

立ち絵アイテムに動きを付ける場合を例にいくつか挙げてみます。

1:中間点を使う場合

まず大体の動きを頭の中で考えます。
左から顔を出してコソコソ動いて画面中央に飛び出す、というイメージが浮かんだとします。
次に使う映像エフェクトを選びます。
移動だけなので「描画位置」だけでなんとかなりそうだな、と考えます。
あとは「描画位置」を載せて、始点(画面外)と終点(画面中央)を設定し、必要なだけ(動きの変わり目の数)中間点を打ちます。
中間点はタイムライン上でアイテムをホイールクリックやアイテムを右クリックして「中間点を追加」を選択するなどで打つことができます。
十分な中間点を打てたら、間隔をなんとなーく調整し、動きもいい感じになるように設定します。
するとこんな感じになります。

怪しげな動き

なお、中間点の利点である「補完移動」を使うとこんな感じにできます。

若干回転運動みが付きます。調整なしなのでちょっとヘン

2:グループ制御を分割して使う場合

今回も大体の動きを頭の中で考えます。
ジャンプさせよう、と思った事にします。
使い回しされやすいジャンプ運動さん
レイヤー範囲を1にしたグループ制御に動きを付けるための「描画位置」と動きを誇張するための「拡大縮小」を載せます。
そして「溜め」「飛び上がり」「滞空」「落下」「着地」の5つに分割します。
長さはお好みで。
できたら納得行くまで「描画位置」の値を弄って動きを付けます。
分割単位でアニメーションの種類を変えることも出来るので調整の幅は広いです。
具体的な数値は書ききれないので省略しますが、「溜め」でYを少し下げ、「飛び上がり」でYを最高地点まで移動させます。
「滞空」で状態を維持し、「落下」でYを「溜め」で下げたくらいを目標に下げます。
「着地」で0.0pxまで戻せばなんとなくそれっぽい動きになります。
動きが付いたら「拡大縮小」を利用して動きを誇張します。
「溜め」では横へ大きく縦は小さく、「飛び上がり」と「滞空」では横は小さく縦に大きく。
「落下」ではそこから横へ大きく縦は小さくなるように設定し、「着地」で100%に戻るようにすればそれっぽいかな? という感じにできます。

「跳ねる」でいいじゃん、とは言わない

3:グループ制御+中間点の場合

やっぱり動きを考えます。
左から現れて大ジャンプで画面中央に移動しよう、と思った事にします。
動きは気力が尽きたので単純に移動するだけにしようとか考えます。
グループ制御を置き、長さをお好みに、レイヤー範囲を1にします。
グループ制御に「描画位置」を載せて始点と終点をざっくり設定します。
あとは必要なだけ中間点を打ち、いい感じに調整します。
中間点のみの時と大体同じ感じですね。
するとこうなります。

立ち絵にX-600.0px Y280.0pxが載っているので設定値がちょっとズレ気味

中間点を使うので補完移動も使えます。

無調整で使ってはいけないアニメーションだとよくわかる例になっている


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